八幡side
途中乱入のチラシを配り始めてからおよそ3日後の朝、つまりは乱入当日だ。俺は既に和菓子屋さんに来て提供する和菓子の量産をしている最中で、既に各種50個は作っている。だがまだまだ作る必要がある、何せ俺は乱入者って事になってるから味を見る人は多いだろうし、商店街だけで無く学園にも新しく宣伝したから客が多くなるのは安易に予想出来る。
「しっかしトレーナーさんの腕は凄いねぇ~。こんな短時間でこれだけの和菓子を作れちゃうなんて………」
八幡「この店の和菓子を買った日から色々と勉強しては試作してを繰り返してましたからね。未熟な腕でもこのくらいの事は出来ますよ。それに、こうやって本職の調理器具をお借り出来るんですからありがたいです。」
フライト「店主さん、おはようござ……凄い、もうこんなに出来てるんですね。」
バクシンオー「流石は我々の挑戦者ですね!このくらいは当然という事ですね!」
八幡「お前達も昨日の段階でもう出来てるみたいだな。さて、俺は開店までにもう少し作らないとな。」
ユキノ「おはようございます~!」
カフェ「おはよう、ございます……」
チケゾー「おっはようございまぁ~す!」
「おはよう、ユキノちゃん達。さっ、今日も頑張らないとね。」
5人『はいっ!』
どうやら全員の士気は高いみたいだな。SNSでも話題になってたからな、気合が入らないわけが無いって事か。
ーーー開店10分前ーーー
チケゾー「うわぁ~皆凄いよっ!外見てよ、最初の時よりもお客さん来てるよ!」
ユキノ「これがえすえぬえすと学園に宣伝した効果なンですね!」
八幡「チケゾーにユキノ、覗き見している余裕は無いぞ。ユキノは今の内にカフェと一緒に商品を取りやすいように工夫、チケゾーは外に出て接客だ。時間はかけてもお客は待たせるなよ~。」
チケゾー「はぁ~い!じゃあ行ってきま~すっ!!」
八幡「さて、じゃあ俺は……」
「トレーナーさん、それは?」
八幡「伊達眼鏡です。一応ですけど、俺が誰だか分からなくさせる為の措置だと思ってください。」
「はぁ………」
カフェ「八幡さん、こちらの準備は完了しました。」
バクシンオー「こちらも大丈夫です!」
八幡「よし、大丈夫みたいだな。店主さんがよろしければ数分早い開店でも我々は大丈夫です。」
「折角来てくれたお客さんを待たせるのも悪いしね、開店にしましょうか。」
八幡「分かりました。ユキノ、外に出て開店を知らせてきてくれ。」
ユキノ「わ、分かりました!」
さて、こっから忙しくなるぞ……
ユキノ「お待ちのお客さん、ちょっと早いですけど開店しま~す!」
「ねぇウマ娘のお嬢ちゃん、このお兄さんが和菓子対決の乱入者なの?」
チケゾー「そうだよ。この人が対決したいって言ってきた挑戦者のミスターHさんっ!」
ナイスだチケゾー。よく名前を伏せてくれた。
「こんな人、この近くに居たかしらねぇ?」
「でも意外とカッコ良と思わない?」
「確かに。どんな和菓子を作ったのかしらね?」
学生1「けどさ、何処かで見た事あるような……」
学生2「えぇ、気のせいじゃない?あたしは見た事無いけど。」
学生1「うぅ~ん……そうなのかなぁ~?」
チケゾー「それでは挑戦者のミスターHさん、今回お作りになられた和菓子の紹介をお願いしますっ!」
八幡「はい。自分が作った和菓子……それは自分の目の前に置いてあるどら焼きとカステラ、そして雪平です。今回はバレンタインをテーマにしているので、全ての和菓子に餡では無くチョコを使用しています。どら焼きは生地と中身に、カステラは生地の中にチョコチップ、雪平はホワイトチョコと抹茶チョコを使って雪うさぎの形を形成しました。気になる方は試食をご用意していますので、そちらからどうぞ。」
チケゾー「はい、ありがとうございました~!!挑戦者のお菓子も気になるところ!ですが対決中の2人も負けてはいないっ!この前のとは違う形で対抗してきたぞ~!」
まぁ最初は俺の所に人が集まってきた。初めて見る和菓子だから気になるのも当然だだろう。
「っ!このどら焼き美味しい~!抹茶のどら焼きとかは食べた事あるけど、チョコだとこんな風になるのねっ!」
「カステラも美味しいわ。甘過ぎないけど、どこか物足りないってところにチョコが来てくれるからちょうど良い甘さになってるわ。」
「この雪平、餅の中にチョコを混ぜて作っているからこんな味になっているのか……和と洋は合わないと思っていたが、どうやら間違いだったようだ。」
掴みは良い感じだな。よし、このままの調子で行ってくれ。
バクシンオー「ぐぬぬ、これは負けていられませんね……っ!」
フライト「目新しさでは完全に私達の負けですが、まだこれからですっ!」
ーーー数時間後ーーー
八幡「ありがとうございました。お次の「トレ……じゃなくて、ミスターHさん!大変です~!」ん?どうした?」
ユキノ「その、もう在庫が次に持ってくる分しか無くてですね……」
八幡「そうか、確か30個くらいだったよな?」
ユキノ「え?はい、そうですけど……」
八幡「それなら今此処作る。」
ユキノ「えぇっ!?此処でっ!?」
八幡「接客は任せたぞ。申しわけありませんが在庫が少なくなってきた関係でこれから調理に移らせていただきます。ご希望の商品が無くなっていた場合、こちらに居る2人に申し付けください。」
予定には無かったがちょうど良い……ライブクッキングの始まりだ!
初日からやってくれますね、八幡君は。