比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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観察するお嬢様

 

 

アルダンside

 

 

今日のトレーニングに付き添ってくださったあのトレーナー……比企谷八幡さん。あの方が最後に言った言葉が耳と頭から離れなかった、どうしてあの言葉が出たのでしょう?

 

 

八幡『……下らない。』

 

 

アルダン「………」

 

チヨノオー「アルダンさん、大丈夫ですか?あまり食欲が無い感じですか?」

 

アルダン「っ!い、いえ……そういうわけではありません。ご心配なさらず。」

 

タマ「まぁ退院して間も無いんや、無理したらアカンで。」

 

アルダン「えぇ、ありがとうございます。」

 

オグリ「だが、普通の悩みでは無いように見えた。何かあったのか?」

 

アルダン「………」

 

 

……オグリさんなら、あるいは?

 

 

アルダン「オグリさんは比企谷八幡さんというトレーナーをご存知でしょうか?」

 

オグリ「比企谷……あぁ、トレーナーか。勿論知っている。あの優しいトレーナーの事だな。」

 

クリーク「私も知っていますよ~。とっても優秀な新人さんだとも聞いています。」

 

アルダン「あのトレーナーについて知っている限りで構いませんので、教えていただけないでしょうか?」

 

オグリ「うむ……とは言っても、私も面識がある程度だ。」

 

クリーク「お話はした事はあるのですが、世間話程度ですね。特別親しいというわけではありません。」

 

アルダン「……そうですか。」

 

 

分からない……あのトレーナーの事が益々分からなくなりました。

 

 

チヨノオー「え、えっと……あっ!そういえば、もうすぐ選抜レースですけど、アルダンさんはどうするつもりなんですか?」

 

アルダン「それでしたら、時間のある時にたづなさんにお伺いするつもりです。」

 

 

……あのトレーナー、比企谷さんがどのようなトレーナーなのか知りたい。少し、調べてみましょう。

 

 

ーーー放課後ーーー

 

 

アルダン「………」

 

八幡「………」スタスタ

 

 

私は申しわけ無いと思いつつも比企谷さんの後を追いかける事にしました。向かう先には誰も居ないコース場……こんな所で一体何をされるおつもりなのでしょう?」

 

 

???「あら、早いのね?」

 

八幡「何だ、先に着いてたのか。」

 

 

っ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラモーヌ「せっかく訪れた機会……逃す理由があって?」

 

八幡「まぁ、お前には無いだろうな。」

 

 

ね、姉様っ!?どうして此処にっ!?

 

 

八幡「じゃあ早速始めるか。」

 

ラモーヌ「えぇ、よろしく。」

 

 

……担当が決まっている筈の姉様がどうして、新人トレーナーの比企谷さんのトレーニングを?

 

それから私は姉様のトレーニングを隠れながら拝見する事にしました。姉様のトレーニングは何度も見た事がありました、それこそこの学園に入学する前からずっとです。だから私は姉様の走りを誰よりも知っている……誰よりもその走りを見ている……それなのに。

 

 

ラモーヌ「ふっ…ふっ…ふっ………ふふふっ♪」

 

アルダン「………」

 

八幡「そのままゴールまで走り抜けっ!」

 

 

………あれは、一体誰?

 

放心しながらトレーニングの様子を見ていると、時間はあっという間に過ぎ、姉様のトレーニングは終了しました。

 

 

八幡「済まないな、付き合ってもらって。」

 

ラモーヌ「構わなくてよ。それで?私の走りはいかがだったかしら?」

 

八幡「至宝と呼ばれるだけあって、動きに無駄が無かった。仕掛けどころもバッチリ、まさに完璧なレース運びだったと言える。だが、だからこそ……」

 

八・ラ「つまらない。」

 

八幡「やっぱり、俺を試してたってわけか。」

 

ラモーヌ「新人トレーナーさんの言葉を鵜吞みには出来ないもの。けれど……貴方が担当だったのなら、もっと愛のあるレースが実現出来たのでしょうね。」

 

八幡「さぁな、そればっかりは蓋を開けてみないと分からんだろ。」

 

ラモーヌ「そう、分からない……先の事なんて誰にも分からない。けれど今日の貴方のトレーニングで分かるわ、貴方の愛の大きさ、そして強さも。」

 

八幡「試していたのにか?」

 

ラモーヌ「試していたからこそ分かるの……そして感じる、貴方のレースに対する愛はこの学園のどのトレーナーよりも強い……」

 

八幡「……訂正する部分があるな。俺はレースは好きだが愛してるわけじゃない、走ってるウマ娘を輝かせるのが好きなんだよ。」

 

アルダン「っ!」

 

八幡「どんな形でも良い、例え天気が曇りでも雨でも雷雨でも風が吹いてても構わない。バ場が稍重でも重でも不良でも雪が積もっていても構わない。走るウマ娘がびしょ濡れだろうと泥だらけだろうと涙で顔がぐしゃぐしゃだろうと構わない。ソイツがその1戦の為に自分の全てを賭けて走りに行くんだ、トレーナーだったら何が何でもソイツに1着を獲らせてやりたいって思うのが自然だろ?」

 

ラモーヌ「………ふふふ。」ニコニコ

 

 

………こんなにも熱いトレーナーだったのですね、比企谷さんは。

 

 

ラモーヌ「あぁ……貴方の口が、目が、表情が、その身体が物語っているわ。特にその瞳、見れば見る程もっとその奥を覗き込みたくなる………あぁ、美しい愛だわ///」ジィ∼…

 

八幡「やめろ、変な誤解されんだろうが。それと近ぇよ、どんだけ近寄って来るんだよ。」

 

ラモーヌ「あら、もっと見たかったのだけれど?」

 

八幡「こういう事をする為にトレーニングに付き合ったわけじゃないんだろ?俺の濁って腐った目の奥には目の前のウマ娘をどうやってかいくぐるかって事しか見えてねぇよ。」

 

ラモーヌ「ふふふ、本当に退屈しない人………」クスクス

 

 

……姉様があんな風に笑って……それに比企谷さんも、私の想像していた人物像とは全く違う人でした。

 

 

 




アルダンさんには八幡がどう映ったんでしょうかね?
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