比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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心配する次女と末女、走る長女

 

 

八幡side

 

 

選抜レースから数日が経った今日。俺はいつものようにトレーナーとしての業務をしているところだ。この前の選抜レースのまとめは既に終わっていて、自分の中で担当にするならこのウマ娘だっていうのは大体は絞れた。その中でも、走りを実際に見たシュヴァルとヴィブロスはやはり押さえておきたいところだ。だが2人には色々なトレーナーからのスカウトが飛んでいる、新人の俺が付け入る隙があまり無いというのが現状だ………っと思っていたのだが。

 

 

ヴィブロス「それでね?最近のお姉ちゃん元気無いんだ……どうしたらいいかな?」

 

シュヴァル「僕も……姉さんの元気が無いのは、少し気になっていたんです。」

 

八幡「………」

 

 

何故かこの2人は俺の居る所によく来る。しかも担当トレーナーは未だに決めていないと来た、だが今の2人はそれどころでは無いらしい。どうやら選抜レース以来、姉の様子が気になっていて、とても自分のトレーナーを探す気にはなれないらしい。

 

 

八幡「……お前達の気持ちは分かった。だが俺からはどうする事も出来ない、こればかりは本人の問題だからな。立ち直るも挫折するもヴィルシーナ次第だ。」

 

ヴィブロス「でもでもぉ~……」ウルウル…

 

八幡「………はぁ、じゃあとりあえず分かる範囲で教えてくれ。ヴィルシーナがどんな様子だったのか。」

 

シュヴァル「あ、はい。」

 

ヴィブロス「お姉ちゃんね、最近はデートもしてくれないんだ。ただひたすらトレーニングしてるの。私が誘っても用事があるの一点張りで……」

 

シュヴァル「僕が見た時は、ヴィブロスと同じでトレーニングに打ち込んでました。でも、いつものペースを気にしたトレーニングじゃなくて、がむしゃらに走ってる感じでした。」

 

八幡「成る程……じゃあ普段の様子はどうだ?」

 

ヴィブロス「思いつめてる事が多いかな……」

 

シュヴァル「僕もそんな感じです。」

 

 

……これだけじゃまだ判断は出来ないな。実際に本人の様子を見ない限りはどうにもなぁ。見に行ってみるか。俺も選抜レースからヴィルシーナとは一言も話してないからな。

 

 

八幡「俺も見に行ってみるか。」

 

ヴィブロス「ホントォ!?じゃあじゃあ3人で一緒に見に行こうよ!」

 

八幡「いや、俺は1人でも「ダ~メッ、皆で一緒に行くの~!」……シュヴァル。」

 

シュヴァル「……いつもは姉さんが止めてくれるんですけど、今日は居ないので。」

 

 

要は諦めろって事ね?

 

 

ーーー放課後・コース場ーーー

 

 

ヴィブロス「あっ、居た居た!お姉ちゃんだ!」

 

シュヴァル「やっぱり今日もトレーニングしてる……」

 

八幡「だがお前達の言う通り、ペースも何も無い……まるで暴走してるみたいだな。」

 

ヴィブロス「……ねぇトレっち、何とかならない?」

 

八幡「今此処で俺が行っても意味は無い。それに今日はあくまで見に来ただけだから話しかけに行くつもりは無い。」

 

 

アレじゃあ自分の実になりもしない……

 

 

ヴィルシーナ『っ!!』

 

 

………走りが急激に悪くなった。このコース場に加えてあの位置……選抜レースの時を思い出したんだろうな。

 

 

ヴィルシーナ『こんな走りじゃ……もう1本っ!!』

 

 

シュヴァル「またすぐに走り始めた……」

 

八幡「本トレーニングを始めたばかりだからまだ大丈夫だが、これがずっと続くようだったら流石に止めないと危ないな。」

 

ヴィブロス「あんなお姉ちゃん、見た事無い……」

 

八幡「この前の選抜レースが堪えてるんだろうな。」

 

 

ーーー数分後ーーー

 

 

八幡「……もう5本目。しかも同じメニューの繰り返し、打ち止めだな。」

 

ヴィブロス「じゃあ「いいや、お前達は此処に居ろ。」え、でも……」

 

八幡「姉妹が居たら話しづらい事もある、だからここは俺だけ行く。」

 

 

さて、少し話してみるか。

 

 

ヴィルシーナ「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

 

八幡「精が出るな。」

 

ヴィルシーナ「っ!はぁ…はぁ…ト、トレーナー…はぁ…はぁ…さん……」

 

八幡「だが、その様子じゃ良いトレーニングとは言えないな。少し見させてもらったが、インターバルも無しにすぐに走るからスタミナがすぐに無くなっている。それに走り過ぎだ、自分でも気付いてるんだろ?もう限界だっていうのは。」

 

ヴィルシーナ「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

八幡「……そんなにこの前の選抜レースを気にしているのか?」

 

ヴィルシーナ「っ………」

 

八幡「深くは聞かないが、正解みたいだな。」

 

ヴィルシーナ「あのレース、私は勝つ気でした。勿論他の皆さんもその気があるのは分かります。でも、私は絶対に勝ちたかったんです。ジェンティルドンナさんにも走る前にあれだけの啖呵を切ったにも関わらず、あの結果でした……悔しかったんです、無様な姿を晒してしまった事が。」

 

八幡「そうか……事情は分かった。だがお前がそのままだと、周りの奴が……特に妹達が気を遣うぞ。」

 

ヴィルシーナ「え?」

 

八幡「実は2人から相談を受けていた、姉の様子が心配だってな。俺もレース以来ずっと話をしてなかったから見に来たついでに話をしようと思った。」

 

ヴィルシーナ「そうでしたか……あの子達が。」

 

八幡「……なぁ、本当は悔しいんじゃなくて、怖いんじゃないのか?」

 

 

するとヴィルシーナは驚いた顔をしながら俺の方を見つめてきた。

 

 

 

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