比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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2人の目標

 

 

八幡side

 

 

アサマ「ところで比企谷トレーナーさん、1つお聞きしてもよろしいでしょうか?」

 

八幡「何でしょうか?」

 

アサマ「アルダンのデビュー戦はいつになるのでしょうか?同期の方々は今夏、もしくは今秋辺りには決めている筈……アルダンはどうなのですか?」

 

八幡「彼女は身体の事もありますので、来年にデビュー予定です。その頃にはアルダンの最大の弱点とも言える身体の弱さは大体克服出来ていると予測しています。」

 

アサマ「成る程、分かりました。では、その時を心待ちにする事にしましょう。それともう1つ……アルダンの目標をお聞きします。」

 

アルダン「私の……」

 

アサマ「貴女も知っての通り、当メジロ家の最大の誉れは天皇賞を制覇する事。それ故に当家では長距離の育成を主に行ってきました。それは当然貴女にも該当します。その上でお聞きします、貴女の目標は何ですか?」

 

アルダン「……お婆様、私の目標は未だそのような高い頂には届いてはおりません。今は目の前の届きうる1つ目の勝利を獲る事……それだけです。兄様もきっとメジロ家の方針を今初めて聞かれたと思いますので、デビュー戦を制してからでも遅くはないと思っております。」

 

八幡「アルダン、確かに俺はお前が今後なんのレースに勝ちたいかは聞いてないが、何か1つくらいはあるんじゃないのか?お前が成し遂げたい事。」

 

アルダン「……以前から少しだけ、やってみたいと思っていた事はあります。メジロ家では多くの栄光をもたらした先人達が何人も居ます。ですが、ラモーヌ姉様がトリプルティアラを達成するまでクラシックレースの勝利からは遠く離れていました。姉様がティアラ路線で勝利を収めたからには、私は3冠路線にて勝利を収めたいと考えております。」

 

アサマ「それはつまり、3冠路線の皐月賞・日本ダービー・菊花賞のいずれかの勝利を収めると?」

 

アルダン「はい、そう考えております。」

 

アサマ「……分かりました、では来年のクラシックは楽しみにするとしましょう。」

 

 

それからは当主さんの所用がある為、数十分後に解散した。このまま帰る、と思っていたのだが………

 

 

八幡「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

父「貴方がアルダンのトレーナーさんですね?お初にお目にかかります、アルダンの父です。」

 

ヒリュウ「母のメジロヒリュウと申します、娘がいつもお世話になっております。」

 

 

………どうやら俺のお仕事はまだ終わっていないようだ。

 

 

八幡「初めまして、アルダンさんの担当をさせていただいてます、比企谷といいます。こちらこそ、娘さんにはお世話になっています。」

 

ヒリュウ「早速で申しわけありませんが、アルダンはどうお過ごしでしょうか?幼い頃から身体の弱さのせいで外出すらままならない日々が続いた時もありましたので……それにトレセン学園に入学してからも体調を崩す事が多いとも聞いています。トレーナーさんに率直にお聞きします、アルダンは元気に過ごせていますでしょうか?」

 

八幡「そうですね……自分が初めて彼女とお会いしたのは学園の校門前で、お話の内容も身体の事でした。確かに彼女の抱えている身体面の弱さは大きなアドバンテージとも言えますが、今は少しずつ改善してきています。今では普段の授業だけでなく自分の組んだトレーニングを最後まで出来ていますので、間違いなく丈夫な身体が出来上がってきています。」

 

父「アルダンが……1日何事も無く過ごせているなんて……」

 

アルダン「お父様、それは少し大袈裟です……ですが、兄様が担当になってからは本当に自身の身体が丈夫になっていると分かります。普段のトレーニングだけでなく、私の食生活の事まで色々な面で手助けしてくださいますので、本当に助かっています。」

 

八幡「担当なんだからこのくらい当然だ。それに、普通に走れるっていうのはなんて事無いが、当たり前の事じゃないからな。」

 

ヒリュウ「……そうですね、そのお気持ちはよく分かります。」

 

アルダン「お父様、お母様、ご安心ください。私なら平気です、来年にはデビュー出来ると思いますので、それまでは見守っていてください。」

 

父「……そうだな、アルダンももう子供じゃないんだ。あまり過保護になるのも良くない……トレーナーさん、どうか娘をよろしくお願いします。」

 

八幡「はい。微力ではありますが、全力で支えさせていただきます。」

 

ヒリュウ「ところでアルダン、どうしてトレーナーさんの事を兄様と呼んでいるの?」

 

アルダン「っ!えっと……担当になって数日の頃、兄様に頭を撫でていただいた事があるのですが、もし私に兄が居たらこのような感じなのかと思って呼び方を提案したんです。」

 

ヒリュウ「そう……トレーナーさんが許可してくださったのであれば私からは何も言いません。トレーナーさん、夫からもお願いがございましたが、娘をこれからもよろしくお願いします。」

 

八幡「はい。」

 

 

……アルダンの目標は3冠路線の勝利だったが、俺の中でも目標を1つ定めておこう。【無事之名ウマ娘】にする事って。

 

 

 




アルダン…3冠路線の勝利。

八幡…アルダンを【無事之名ウマ娘】にする事。
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