比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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不穏

 

 

八幡side

 

 

時が過ぎるのはあっという間に感じるもので、この学園で働くようになってから早くも5ヶ月が経過した。最初こそはこの目のおかげであまり近寄られる事が無かったが、今では普通に会話出来るくらいにはやり取りが出来ている。まぁこれも『最低限のコミュニケーション能力は身に付けろ。』って先生から言われなければ、高校生の頃みたいな不器用な感じだったんだろうな。先生、本当にありがとうございます……

 

 

???「どうかしたんですか、トレーナーさん?」

 

八幡「ん?いいや、何でもない。少し考え事をしていただけだ。」

 

???「そうなんですか。でも廊下で考え事しながら歩くのは危ないですよ。うっかり転んじゃうかもしれませんし。」

 

八幡「忠告、ありがとうなケイエス。」

 

ケイエス「いいえ、このくらいは全然ですよ。」

 

 

俺の隣で一緒に歩いているのはケイエスミラクルという高等部2年のウマ娘だ。ついこの間まで病院に入院していたのだが、先日退院して復学した。俺は入院しているウマ娘でリハビリの手伝いとかもしている。アルダンがまだ俺の担当になる前は入退院を繰り返していたそうで、他のウマ娘のリハビリを補助していた事があると聞いた事があった。だから俺も時間が空いた時には病院に行ってリハビリの手伝いをしている。その時に出会ったのがケイエスだ。

 

 

八幡「着いたな。」

 

ケイエス「ありがとうございます、俺の為に付き添いまで。」

 

八幡「気にするな。口酸っぱく言われてるだろうが、自分の身体は大事にな。」

 

ケイエス「分かってます、それじゃ。」

 

 

……さて、俺はトレーナー室に行くか。

 

 

ーーー校門前ーーー

 

 

八幡「って言ってもやる事が何も無かったからここまで来ちまったな……先輩達はいつも午後から来る人達ばかりだし、学内に居るトレーナーといえば東条さんくらいだしな。あの人、教職員も兼任してるし。」

 

「すみません、少しよろしいですか?」

 

八幡「?」

 

「突然すみませんね、私こういう者でして。」

 

 

……ジャーナリスト?学園の取材か?こんな時間に?

 

 

八幡「……何かご用ですか?因みに学園の取材関係でしたら許可を取っているかどうかになりますけど。」

 

「いえいえ、学園の取材じゃないんですよ。トレーナーさんからお話を聞ければと思っていたんですけど、中々見当たらなくてですね……そんな時に貴方が来たってところです。」

 

八幡「成る程……」

 

「今ってお時間、ありますかね?」

 

 

正直に言えば、時間はある。だがこの人の取材に応じるかどうかはまた別の話だ。それに、どんな記事を書いているのかも知りたいところだ。

 

 

八幡「すみませんがこの後は予定がありますので、時間は取れそうにありません。」

 

「そうなのですか?先程はとても退屈そうにされてましたけどね。」

 

八幡「これから備品を買いに行かないとって思っていたところでしたからね。」

 

「しかし見たところ、お財布は見当たりませんが?」

 

八幡「電子マネーがありますので。一応お聞きしますが、貴方の取材内容はどのような内容なのか、お聞きしてもいいですか?」

 

「ウマ娘の育成についてですよ。少しでも読者の方達にトレーナーという職業の大変さを知ってもらう良い機会だと思いましてね。」

 

八幡「それだったら本当に学園に申請をした方が良い答えが聞けると思いますよ。こんな新人トレーナーの話を聞いても仕方ないと思いますよ。」

 

「おや、新人のトレーナーさんなんですか。」

 

八幡「えぇ、今年この中央に配属になったばかりの。なのでまだ勉強中の身ですよ。」

 

「成る程、そうでしたか。それでは学園の許可を取って取材させていただきます、失礼しますね。」

 

 

………追うか。

 

 

ーーー公園ーーー

 

 

「チッ、何だよアイツ。せっかく良いカモが来たと思ったら担当も付いてない新人かよ……はぁ~マジ損したわ~。しかもあの見た目でトレーナーかよ、目付きなんて超悪かったしな。」

 

 

……どうやらアレが本性みたいだな。アイツを尾行している時に調べたが、どうやら良い記事を書いているわけじゃなさそうだ。書いている記事が本当かどうかは分からないが、何人ものトレーナーが処分を受けている。1番軽くて何日かの停職で最悪なのが退職にまでなっている。どの記事もウマ娘がトレーナーの信用を損なうような内容だ。

 

 

「まぁいいや、次のカモ次第だな。さってと~。」

 

八幡「………」

 

 

胸糞悪い事を聞いちまったが、今の俺にはどうする事も出来ない。とりあえず名刺は貰ってるし、理事長に報告しないとな。

 

 

「どっかにちょうど良さそうなトレーナーは居ないもんかねぇ~?自分の自慢話とかしてくれる奴とかなら大歓迎なんだけどなぁ~。」

 

 

聞くのも嫌になってきた、もう行くか。

 

 

ーーー理事長室ーーー

 

 

秋川「何と、そのような事がっ!!」

 

八幡「はい、一応自分が聞いた事は全てお話しました。一応コレはその男の名刺です。」

 

秋川「ふむ……たづな、全トレーナーに共有っ!!この記者が来た時には取材を断るようにとっ!!」

 

たづな「はい、承知しました!」

 

秋川「比企谷トレーナーもご苦労だった、報告感謝するっ!!」

 

八幡「はい、失礼します。」

 

 

勿論、何も起きないのが1番だが……未来の事なんて誰にも分からないからな。

 

 

 




まさかこんな序盤に……
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