比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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甘い質問

 

 

エアグルーヴside

 

 

今私は2月に行われる京都記念に向けて調整を行っている。もう1月の下旬近くになる、負荷の掛かるトレーニングは先週までとなり、今は身体のメンテナンス、謂わばストレッチを行なっている。軽く走っただけなのだが、それでもトレーナーは入念にストレッチをするように指示をする。それに不満は無い、寧ろ我々に怪我をさせぬようにと配慮してくれているのだと感謝している。

 

 

フジ「八幡トレーナーさん、少しいいかい?」

 

八幡「ん、どした?」

 

フジ「八幡トレーナーさんは甘い物って好きかい?」

 

八幡「甘い物?好物ではある。こっちに来てからは千葉でよく飲んでた飲み物を全く飲めてないが、甘いのは好きだぞ。それがどうした?」

 

フジ「ううん、何でもないよ。けどまぁそうだよね、君は自分でもお菓子作りをしてたよね。」

 

八幡「作れはするが、自分で作って食べようって気にはならないな。ご褒美とかそういうのでならやる気は起きるんだけどな。」

 

フジ「ふぅ〜ん……」

 

八幡「何だ、ご褒美でも欲しいのか?」

 

フジ「八幡トレーナーさんの料理は美味しいからね。」

 

八幡「褒めても何も出ねぇからな。」

 

 

……むぅ、やはり仲が良い。私が話そうとしてもあんな風にはならん。こういう時、フジや会長の話術スキルが羨ましく思う。

 

 

八幡「けどよ、いきなり何でそんな事聞くんだ?」

 

フジ「うん?八幡トレーナーさん、その質問をするのかい?もう答えは分かりきってると思うけど?」

 

八幡「いや、分からん。」

 

フジ「………ホントに?」

 

八幡「嘘言ってどうすんだよ。」

 

フジ「………」

 

八幡「………え、何で黙るんだよ?」

 

 

……流石にそれは私でも無言になるぞ。

 

 

フジ「……そっか、八幡トレーナーさんはそういうのに無縁だったんだね。うん、分かったよ。じゃあその日にはとびっきりのを用意するから!」

 

八幡「……話が全く見えないんだが。」

 

 

それから程なくしてトレーニングが終わった。私とフジは着替えてから寮に向かっている。

 

 

フジ「エアグルーヴも聞いていたとは思うけど、流石に八幡トレーナーさんのあの発言には驚いたね。まさか2月が近付いてきたというのにバレンタインの事を分からずに過ごしているだなんて。」

 

エアグルーヴ「あぁ、私も驚いたぞ。」

 

フジ「私はああ言ったから八幡トレーナーさんにはチョコを作るつもりだけど、君はどうするんだい?」

 

エアグルーヴ「世話になっている身だ、当然渡すつもりだ。何もしないというのは私の主義に反する。」

 

フジ「まぁ八幡トレーナーさんの事だから他のポニーちゃんからもたくさん貰うと思うけどね。それに学園だけでなく、新しくできた女性ファンからも届きそうだしね。」

 

エアグルーヴ「奴の眼鏡姿だけを見ただけで掌返しをするのは気に食わんが、お前の言った通りになるかもな。」

 

 

しかし、チョコか……作れんわけでは無いが、それ程菓子作りをしているわけでは無いからな。まぁこれから試行錯誤していくとしよう。

 

 

エアグルーヴside

 

八幡side

 

 

八幡「………」カキカキ

 

 

ガチャッ

 

 

シービー「八幡~、お邪魔しま~す。」

 

八幡「おう、今日はどうした?」

 

シービー「あのさ、あたしって隠し事とか苦手だから正直に言っていい?」

 

八幡「………いい。」

 

シービー「あのね、もうすぐ2月でしょ?2月になったらバレンタインデーがあるでしょ?」

 

八幡「……………あぁ〜確かにそんなのもあったな。うん、それで?」

 

シービー「それでね、八幡は甘いチョコか普通のチョコ、苦いチョコのどれが良いのかなぁ〜って。あたし八幡に作るからさ、それを聞きたいんだ。」

 

八幡「俺は甘いのが良い、甘いの好きだからな。」

 

シービー「甘いのが好きなんだね?嘘ついてない?」

 

八幡「好物に嘘つくかよ、ホントだホント。そういう事だったのか……最近そういう質問多かったから何なんだろうって思ってたが、そういう事な。」

 

シービー「……ねぇ、もしかして八幡ってチョコ貰った事無いの?」

 

八幡「いや、ある。高校の時が初めてで、今では先生とプロフェッサーから貰うくらいだから俺の中ではそんなリア充イベントもあったな〜くらいの感覚だ。」

 

シービー「貰った事があるのならどうしてバレンタインの事忘れてたの?」

 

八幡「聞かれる事が無いから。先生達は俺の好み知ってるから聞く必要なんて無いし。最初に貰ったのだって高校の時だ、それ以来は先生たちから貰うだけで質問なんて無いしな。」

 

シービー「そうなんだ~……ところでさ、その高校の人達とは今も交流ってあるの?」

 

八幡「いや、もう全く。連絡先すらもう知らん。携帯新しくしてからもう会っても居ないし。」

 

 

アイツ等、元気にしてんのかなぁ………もうかれこれ10年くらいになるのか。俺がトレーナーしてるって聞いたら驚くだろうな。

 

 

シービー「そっかぁ……じゃあそういう事だからチョコ楽しみにしててね!逃げたらダメだからっ!!」

 

八幡「逃げねぇよ。」

 

シービー「それよりも、八幡何書いてるの?」

 

八幡「フジ専用のメニュー。」

 

シービー「………良いなぁ。」

 

八幡「そんな目で見るんじゃない、お前半分居候みたいな立場だろうが。」

 

シービー「じゃああたし専用のも作ってよ!」

 

八幡「すいません、契約してないので。」

 

シービー「もうっ!またそうやって逃げる!!」

 

 

だって本当の事だし〜。

 

 

 




バレンタイン、現実でも近付いて来ましたね。てか後2日。
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