八幡side
バクシンオー「それでは、我等がヴィクトリー倶楽部出身のチヨノオーさんが見事、朝日杯FSを制した事を祝して………乾杯っ!!!!!」
ローレル「乾杯~!」
アルダン「乾杯っ♪」
チヨトレ「乾杯~!」
八幡「………乾杯。」
チヨノオー「えへへ、皆さんありがとうございます。」
バクシンオー「いやぁ~実におめでたいですっ!!私もこれまで以上にバクシンしようと決意を新たにしましたっ!!」
ローレル「そうだね、私も負けていられないって感じちゃった。」
チヨノオー「そ、そんなっ!まだまだ目標の半ばですので……でも、勝つ事が出来て良かったです!」
バクシンオー「そうでしょうともそうでしょうともっ!!さぁ今日は食べましょう飲みましょうっ!!メジロアルダンさん特製の桜餅がこんなにたくさんっ!!」
チヨトレ「ごめんなさいね比企谷君、急にこんな事をお願いさせちゃって……大変だったでしょう?」
八幡「作り方自体そんなに難しくありませんし、時間もかからないので大した事はありませんでしたけど、突然来た時は驚きましたよ。」
日曜日の6時頃。今日は阪神レース場でメインレースの朝日杯FSが開催された日なのだが、そのレースにチヨノオーが優勝したみたいで、バクシンオーがトレーナー室にいきなり乗り込んできたかと思ったら、
バクシンオー『トレーナーさんっ!!桜餅を作ってはいただけませんかっ!?出来るだけ多く、美味しく作ってくれるとありがたいですっ!!』
って感じで来たから事情を聞いて作るのを承諾したってわけだ。まぁホントに桜餅は簡単に作れるからそんなに手間では無かったが、俺の時間を返せとは言ってやりたい。
チヨノオー「次はアルダンさんのホープフルSですよね?絶対に応援に行きますので、頑張ってくださいね!!」
アルダン「えぇ、勿論です。チヨノオーさんには負けていられませんから。」
……次は俺達の出番、か。今年最後のGⅠホープフルSは落とせない舞台ってわけではないが、出る以上は勝ちに行くつもりだ。他のウマ娘の情報も取り入れてるし、アルダンもトレーニングを順調にこなせている。このまま何事も無く本番まで持って行きたい。
ローレル「あの、メジロアルダンのトレーナーさん。少しお聞きしたい事があるのですがよろしいでしょうか?」
八幡「ん、何だ?」
ローレル「この間、病院に来ていましたよね?最近のメジロアルダンさんは病弱とは程遠いくらい強くなっているのに、どうして病院に?」
八幡「その事か。アルダンから聞いた事なんだが、あの病院には怪我をしたウマ娘が多く入院しているって聞いてな。俺も時間のある時にはリハビリとかを手伝いに行ってるってだけだ。」
ローレル「そんな事もされていたんですね。」
八幡「学べる場所ってのは何も学園だけじゃないからな。それに俺は知識はあっても現場に携わる事は余程の事態が起こらない限り絶対に無い、だから担当が1人だけの内に少しでも視野を広げておこうと思っただけだ。もし将来自分の担当が怪我をしてしまったら、その時に頼れるのは知識と経験だからな。知識があっても動く事が出来なければ意味無いし、その逆も然りだ。どうにかしたいって気持ちはあってもどうしたらいいのか分からなければ意味無いしな。」
チヨトレ「うぅ……耳の痛い話だね。」
八幡「え、何ですか急に?」
チヨトレ「私も初めての担当を持った時に担当が怪我をしてパニックになった時があったんだよね……先輩が居たから何とか落ち着けたけど、出来ればもう2度と経験はしたくないかな。」
怪我なんてしたくてするものじゃないし、そう思うのが普通ですって。
チヨトレ「それに比べて比企谷君は凄いよね。メジロアルダンさんと契約をしてから今日まで1回も怪我なんてさせてないでしょ?」
八幡「まぁ、はい……その辺は徹底してますので。」
アルダン「兄様のおかげで、私はとても順調にトレーニングを積む事が出来ています。とても喜ばしい事です。」
八幡「おだてても何も出ないぞ?それに……そうだな、これは俺の先生から口酸っぱく言われていたからな。『少しの怪我も見落とすな、小さな怪我が大きな事故に繋がると思え。』ってな。」
アルダン「そうはどういう……」
八幡「俺の先生は怪我に敏感な人でな、大した事の無い怪我でも反応するような人なんだ。でも、その怪我にだって色々な可能性が含まれる……『もしその怪我がさらに悪化したら?』『その怪我を庇ったせいで他に負担が生じたら?』『怪我が炎症を起こしたら?』……少し大袈裟かもしれないが、たかが怪我でもこういう事が起きるかもしれないって可能性を立てる事が出来る。だから俺自身も怪我に対してはかなり厳しい方だとは思ってる。」
………マズい、祝勝会なのに冷めたムードになっちまったな。
八幡「まぁ俺が病院に通ってる理由はそういう事だ。知識や経験もそうだが、怪我をさせないように心掛けているからとでも言っておこう。アルダンには聞こえが悪いだろうが、入退院を繰り返すような生活をアルダンには送ってほしくないしな。」
まぁ、これだけ言えば少しは理解してくれるだろう。やや1名不安な奴は居るが。