比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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年始の一時

 

 

八幡side

 

 

ホープフルSから数日が経ち、迎えた新年。あの後はメジロ軍団のお菓子作りだけでなく、実は各方面から出演のオファーが来ていたので、それに明け暮れていたのだ。年越し2日前に漸く落ち着いて、俺はトレーナー室でその番組をみているところだ。とはいっても、内容は台本通りのようなもので、予想されていたような内容だった。

 

 

アナウンサー1『トゥインクル・シリ-ズトレンド速報、続いて紹介するのはこちらの方!新進気鋭のメジロ家の令嬢、メジロアルダンさんっ!昨年の秋にデビューをしたと思いきや昨年最後のGⅠ、ホープフルSを制し、見事に今年のクラシック本命に名乗りを上げましたっ!しかもメジロ家の令嬢というだけでなく、なんとあのメジロラモーヌさんの妹なのですっ!』

 

アナウンサー2『いやぁ~生ける伝説と化した姉が居ると、走る際のプレッシャーも中々でしょうね。姉に続く活躍を夢見るファンも多いのでは?』

 

アナウンサー『そうなんです。SNS上でもメジロラモーヌさんの戦績にどれほど近付けるかと注目が集まっており、早くも今年のクラシック戦線の活躍が期待されているところなんですよっ!』

 

 

……やっぱり何処に行ったとしても姉の威光ってのは付いて回るものなのか。まぁ当たり前っちゃ当たり前か、史上初のトリプルティアラの達成者なんだからされない方がおかしい。だがこうも尾鰭がつかれるとなぁ………

 

 

アナウンサー2『しかし、ホープフルSを勝ちましたからクラシックも良い走り出来ると思いますけど、姉に並ぶ戦績を作るのは厳しいでしょうね。何せ史上初のトリプルティアラですから。並大抵の努力では届かないかと』ブチッ

 

 

………これ以上聞くと確実に不愉快になりそうだったから消すか。

 

 

コンコンコンッ

 

 

八幡「ん?どうぞ。」

 

アルダン「失礼します。明けましておめでとうございます。本年もどうぞ、よろしくお願い致します。」

 

八幡「あぁ、明けましておめでとう。今年もよろしく。」

 

 

良かった、テレビを消しておいて……途中から不快だったし。

 

 

アルダン「兄様は何を?新年早々にメニューの作成ですか?」

 

八幡「あぁ、こういうのは時間がどれだけあっても足りないくらいだからな。少しでも多くを用意しておいた方が、後の自分の為にもなるしな。今年の始動は5月の青葉賞からとはいえ、今から準備しておいても遅くは無いだろう。」

 

アルダン「私は兄様のその献身によってジュニアクラスで2勝を上げる事が出来ました。私は今日までの道行きに誇りに思っています。どうか、クラシックとシニアでも私を導いてくださいませ。」

 

八幡「そのつもりだ。まぁお前から契約破棄をされない限りは、俺はお前のトレーナーを続けるつもりだから、頼りなくなったらいつでも切ってくれて構わないからな。」

 

アルダン「そのような事は決していたしません!兄様あっての今なのです、最後まで共に駆け抜ける所存です!」

 

八幡「……そうか、ありがとうな。」

 

アルダン「いえ……ところで兄様、この後はお時間は空いていますか?よければ少し、お願いしたい事がありまして……せっかくこうして年始に顔を合わせたのです。何か一緒に、年始らしい事をしませんか?」

 

八幡「俺は特に何も無いが、そっちはいいのか?チヨノオーとかヤエノ、同期達とか……それこそメジロ家とか。」

 

アルダン「普段、年始はメジロの子達と過ごしているのですが、今年は少し気持ち切り替えたいと思いまして。兄様さえよろしければなのですが……いかがでしょうか?」

 

 

……少し意外な提案だが、よくよく考えてみると俺もまだ年始らしい事はしていない。それなら………

 

 

八幡「じゃあお雑煮とかはどうだ?元旦は過ぎてるが、まだ間に合うだろ。」

 

アルダン「良いですね、お雑煮は私も好きです。」

 

八幡「じゃあカフェテリアに行って作るか。」

 

アルダン「……あの、よろしければ私もお手伝いしてもよろしいでしょうか?日頃のお礼も兼ねて、当家流のお雑煮を兄様に振舞えたらと思いまして。」

 

八幡「その言い方だとお前が作るように聞こえるぞ?けどそうだな……じゃあメインはアルダンに任せる、俺はサブに回ろう。下処理とかは任せろ。」

 

アルダン「まぁ、それは頼もしいです。それでは、材料を用意しましょうか。」

 

 

ーーー2時間後・カフェテリアーーー

 

 

カフェテリアの厨房を借りて作ったお雑煮は具沢山で出汁と醤油の香りが食欲をそそられる。

 

 

八幡「それじゃあいただきます。」

 

アルダン「どうぞ、お召し上がりください。」

 

八幡「………うん、美味い。」

 

アルダン「兄様、気を遣っていただかなくても大丈夫ですよ。」

 

八幡「ん?特に気を遣ったつもりは無いが、どうしてそう思うんだ?」

 

アルダン「薄味だと、思いませんでしたか?」

 

八幡「思わなくはなかったが、そもそもお雑煮を食べる機会なんてそんなに無いし、俺が作る料理とは違って優しい味だと思ったくらいだ。」

 

アルダン「……本当に、優しい方。

 

八幡「ん?何か言ったか?」

 

アルダン「いいえ、何でもありません。」

 

 

その後は2人でお雑煮を食べながら他愛の無い話をしながら穏やかな年始の一時を過ごした。

 

 

 

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