アルダンside
桜花賞と皐月賞のトライアルレースの全過程が終了して、もうすぐ4月に入る目前となりました。嬉しいニュースと悲しいニュースの2つがございます。嬉しいニュースはヤエノさんが2月にデビューを果たして、先日行われた毎日杯では4着と掲示板に入る実力を見せました。チヨノオーさんも弥生賞で勝利を収めて、優先出走権を獲得しました。これで2人が皐月賞に行くのは確実でしょう。
次に悲しいニュースなのですが、3月のOP戦を勝利して私と同じく青葉賞に向けて調整を行っていたクリークさんが、左脚を骨折してしまい、長期の戦線離脱を余儀無くされました……12月にやっとデビューを迎えられたのに、悲しい話です。クリークさんには同情してしまいます。最後にオグリさんなのです。毎日杯を制して皐月賞の優先出走権を獲得したのですが、クラシック登録をしていませんでしたので皐月賞並びに日本ダービー、菊花賞の出走が出来ないという事です。なのでオグリさんの次走はニュージーランドトロフィーという事になりました。
アルダン「ままならないものですね……」
八幡「そうだな。」
アルダン「兄様、何とかならないのでしょうか?」
八幡「……クリークに関しては担当の許可が出れば力添えをする事は出来るが、クラシック登録はどうする事も出来ない。今となっては手遅れと言わざるを得ないな……」
アルダン「そうですか……」
八幡「それよりも、問題はオグリだ。」
アルダン「どういう事でしょうか?」
八幡「オグリの次のレースはニュージーランドトロフィーだ。3着以内に入れば俺達の2番目の目標レースと被る。毎日杯を見たから分かるとは思うが、アイツの踏み込みのパワーは異常だ。もしNHKマイルCに参戦する方針だったら、あまりにも強大過ぎるライバルだ。」
アルダン「確かに……ニュージーランドトロフィー後のレースが気になりますね。」
八幡「まぁ俺達の最終目標は日本ダービーだから、あくまでもスピードを付けたレースをしたいというのが、本当の狙いだしな。そういう意味では願ったり叶ったりの相手だが、ちょっとなぁ……」
兄様はやはりオグリさんを警戒しているみたいですね。しかし私はオグリさんと戦ってみたいとは思っています。ご存知の通り、私お適性は中距離、マイルは本適性はありません。それでもオグリさんと走ってみたい、と。
八幡「なぁアルダン、もし日本ダービーを走り終えた後は何を目標にする?」
アルダン「ダービーの後、ですか……私の適性では菊花賞を走り切れないでしょう。なので、天皇賞・秋を視野に入れております。それに、我がメジロ家は天皇賞の勝利に最も拘りを持っていおりますので。」
八幡「そうか……分かった、ダービーが終わったら天皇賞に向けてのトレーニングをしていこう。だが今は目の前のレース、青葉賞だ。」
アルダン「はい。」
八幡「………ところで、少し聞きたいんだがいいか?」
アルダン「はい、何でしょう?」
八幡「何でこんなに近いわけ?」
アルダン「何か変、でしょうか?」
八幡「変……じゃね?」
私と兄様は今、部室に居ます。打ち合わせの後に今の会話をしていたのですが、兄様は今のこの状態が気になっているのでしょう。兄様と私は並びながらソファーに座って会話をしているのです。
アルダン「どこか変でしょうか?」
八幡「だってさ、こんなにくっつく必要あるか?別に何かを見ているわけでもないのに、こんなに近付く必要って無いと思うんだよな。」
アルダン「ですが兄様、もう4月になるとはいえまだ冷える時期です。少しでも身体を冷えないようにしなくてはなりませんから。」
八幡「それじゃあ電気ストーブの数増やすか?あそこで1機だけ頑張ってこの部屋を暖めてるけど。」
アルダン「いいえ、その必要はございません。私達がこうする事に意味があるのですから。」
八幡「………そう、なのか?(とてもそうには思えないのだが……それに、メジロのウマ娘がこんな事をしてはしたないとは思わないのだろうか?)」
アルダン「はい、兄妹のスキンシップです。」
八幡「いや、兄妹じゃないし。」
アルダン「ですが兄様、ライスさんは妹ではないのですか?」
八幡「………好きに呼ばせているだけなんだから構わないだろ。お前にだって好きに呼ばせているんだから。」
アルダン「では、これからは旦那様と「絶対にやめろ、兄様で頼む。」かしこまりました、兄様。」
八幡(まさかアルダンがこんな事をするとは……っていうか意外にもこういうのに強いんだな。意外な一面だ。だが……)
八幡「今みたいなイタズラは偶にで頼む。ちょっと心臓に悪い。」
アルダン「ふふふ、すみません。少し度が過ぎましたね。」
八幡「あぁ、本当に頼む……」
少しやり過ぎてしまったみたいですね。ですが旦那様ですか……何故でしょう、不思議とあまり違和感がありませんでした。スッと身体に浸透していく感覚さえありました。それに、全く悪い感じはありませんでした。