アルダンside
パドックでのウマ娘紹介から本バ場入場までが終了して、いよいよ皐月賞が始まるところまで時間が経ちました。今年の皐月賞は中山レース場が改修中なので東京レース場での開催になります。東京レース場で開催されるのは数十年ぶりだとか。先程兄様が言っていましたが、今年の皐月賞は群雄割拠の混戦模様なのだと……
アルダン「………」
八幡「………」
実況『さぁもう間も無く皐月賞が発走されますが、今回1番人気に推されたモガミナインの他にも有力ウマ娘が揃っています。どのウマ娘が1番可能性があるでしょうか?』
解説『どのウマ娘にも可能性はあると思いますよ。ただ今年は東京レース場での開催ですから、例年の皐月賞の走りは参考になりませんからね。己の地力が物を言うレースになるでしょうね。』
実況『まさにどのウマ娘にもチャンスがあるレースという事であり、【最も速いウマ娘】が勝つに相応しい舞台が整ったと言えるでしょう!さぁいよいよクラシック第1弾、皐月賞スタートですっ!』
♪~♪~♪~
………いよいよ、ですね。
八幡「気持ちは分からなくもないが、お前がそんなに緊張してどうする?」
アルダン「す、すみません……つい。」
八幡「まぁでも、その緊張感は知っておいて損は無い。この前のホープフルSとは一味違う緊張感だろうしな。何と言ってもクラシックだ。」
アルダン「私が目標としている日本ダービーはこれ以上に凄いのですよね?」
八幡「まぁダービーだしな。どのレースよりも凄いと言えるかもしれないぞ。」
実況『最後に大外18番サンピアレスが収まりました!』
ガッコン!!
実況『スタートしましたっ!!注目の先行争いです!最内枠2人が行きます、サクラチヨノオーとヤエノムテキが行きました!外からキョウシンムサシが交わしていきました!1番人気のモガミナインは後方に居ますっ!先頭はキョウシンムサシが行きましたが、後ろからアイビートウコウが勢い良く上がって行きました!サクラチヨノオーは3番手の位置っ!』
アルダン「ヤエノさん、完全にチヨノオーさんをマークしていますね。」
八幡「あのマークは正解だな。しかも最内だからロス無くレースを進められている。後は向正面とコーナーでの駆け引きと最後の直線でどう出るかだな。」
アルダン「……東京レース場だからでしょうか、展開のスピードが早い気がします。」
八幡「平均より少し速いペースみたいだな。」
実況『さぁ3コーナーに入りましたっ!先頭から最後方までは縦長の20バ身程あります。先頭はアイビートウコウ2バ身のリード!その後ろにはキョウシンムサシ!3番手にはサクラチヨノオー!その外からジワジワとヤエノムテキとモガミファニーとモガミナインも上がってきました!!600mの標識を通過!さぁこれから第4コーナーのカーブ!後方集団も差を縮めて参りましたっ!』
ヤエノ「参りますっ!!!」
チヨノオー「此処から、一気にっ!!!」
実況『さぁ直線に向きましたっ!!先頭はアイビートウコウとサクラチヨノオーが並んでいますっ!!その他のウマ娘も横一線に広がっています!モガミファニーとシンボリマルタン、大外からマイネルロジックとモガミナインも上がってきている!!』
ヤエノ「おおおぉぉぉぉぉ!!!」
実況『さぁ内からヤエノムテキ!ヤエノムテキ!!サクラチヨノオーと最内1枠2人だっ!!真ん中からトウショウマリオも上がってくる!更に外からディクターランドも上がってきた!!後200を切ってヤエノムテキが先頭っ!サクラチヨノオー食い下がる!トウショウマリオとディクターランドが追い上げるっ!さぁ先頭はヤエノムテキ先頭、1バ身のリード!2番手にディクターランドでゴールインッ!!3着にサクラチヨノオー!驚きました、勝ったのはヤエノムテキ!9番人気の下剋上、見事に押し切りましたっ!!2着にも14番人気のディクターランドが見事な追い上げを見せました!3着には2番人気のサクラチヨノオー頑張りましたっ!』
アルダン「……凄い追い上げでした。」
八幡「見事に出し抜いたな。チヨノオーにとっては着順以上に残念な結果になったな。」
……驚いていない。兄様はもしかして!
アルダン「あの、兄様はこの結果を想定していたんですか?」
八幡「想定はしていない。だが前を走っていたウマ娘には不利なハイペースな流れだったのは確かだ。チヨノオーは前に逃げる2人を追走する形でずっと単独3番手で走っていた。一方ヤエノはずっとチヨノオーをマークする形で4コーナーまでずっと待機していた。同じ先行策でもどっちの方が直線で脚を使えるかなんて一目瞭然だ。今回のレースではマークされたチヨノオーの完敗だな。もう少し控えるレースをしていれば結果は違っていたかもな。」
アルダン「………」
八幡「行ってきてもいいぞ、友人だろ?」
アルダン「……いいえ、寮でお会いしますので今は遠慮しておきます。それに慰めは返って逆効果だと思いますし。」
八幡「そうか?まぁその辺りはお前の自由だ。まぁこれで少しは空気を味わえたし、ライバル達の現状を知れただろう。次は俺達の番だ。」
アルダン「はい。来週の青葉賞、必ず勝ってみせます!」