八幡side
皐月賞から6日後の東京レース場、今日はいよいよアルダンの今年初戦、ダービートライアルの青葉賞だ。アルダンは現在、唯一の重賞勝利にしてGⅠを勝っているという事もあって1番人気に支持されている。他のウマ娘も2,000m以上の距離で勝利もしくは好成績を収めているウマ娘が集まっていて、この春のスタミナ自慢が集結しているレースでもある。このレースで3着以内に入る事が出来れば日本ダービーの優先出走権が得られる。
アルダン「兄様、準備が出来ました。」
八幡「あぁ……どうやら調子は良いみたいだな。今のまま行けば3着以内は確実だな。」
アルダン「お任せください、このレースを勝利して次のNHKマイルCと日本ダービーに繋げてみせます。」
八幡「今年最初のレースだから、イレ込んだりするなよ?」
アルダン「大丈夫です、兄様から教わりましたから。頭は常に冷静に、でも心は熱く……ですよね?」
八幡「そうだ。お前の武器でもある冷静さを失わないようにな。常に想定外の事が起きるって事は頭の片隅にでも入れておけ。」
アルダン「はい。」
八幡「よし、じゃあ行ってこい。」
ーーー観覧席ーーー
実況『さぁ、本日のメインレースがいよいよ発走されます!東京11R、日本ダービートライアル青葉賞です。上位3着に日本ダービーへの優先出走権が与えられます。このレースを勝ってダービーへステップアップするのは果たして誰だっ!?その可能性が1番高いのは、このレース唯一の重賞勝ちウマ娘にしてGⅠウマ娘のメジロアルダンです!2番人気にジュネーブシンボリ、3番人気にカゲマル、この3人が現在の有力ウマ娘です!さぁ枠入りが順調に行われています……12番ジュネーブシンボリが大外枠に収まりました!僅か3枚しかない祭典の切符を手にするのは誰だ、ダービートライアル青葉賞……今、スタートしましたっ!!』
このメンバーだったらアルダンの実力は飛び抜けている。無いとは思うが、妨害されなければ余裕勝ちするだろう。
実況『スタンド前から1コーナーを曲がって2コーナー、向正面に向かっていきます。1番人気メジロアルダンは先団4番手の位置に居ます。ジュネーブシンボリ今日も果敢に逃げます!その後ろにヤシマプリンスとアラワシジョーが並んでいる。メジロアルダン単独4番手!その後ろに2番ガクエンツービートと3番人気のカゲマルが続いて、向正面に入りました。』
単独4番手の位置か……良い位置だ。しかも外からスタートしたにも関わらず今は内に入ってる……レースセンスもかなり上がってるな。併走トレーニングもやった甲斐があった。
八幡「けど、まだ駆け引きは続く……今はまだ他のウマ娘との腹の探り合い。」
実況『おしまいから2~3人目にロイヤルジェネラルとメゾフォルテが並んで追走!最後方ポツンと1人、カタトラソロンという体勢です。さぁこれから4コーナーへと向かっていきます!依然先頭はジュネーブシンボリがキープしています!アラワシジョーとカゲマル2番手争い!メジロアルダン少し位置を上げたかっ!?』
アルダン(少しずつ、少しずつスピードを上げて……直線に入ってから一気にスパートをっ!!)
実況『ヤシマプリンスも連れて上がって行った!その後ろインターアニマート、コスモアンバーも上がって来た!さぁ4コーナーをカーブして直線コースに入りましたっ!ジュネーブシンボリのリードが無くなって、メジロアルダンが一気に進出を開始っ!!先頭に躍り出たっ!後ろはまだ先行勢が粘っているが、後方からも追い上げてきているっ!!残り200mでメジロアルダンのリードは5バ身、これは圧勝だ!!メジロアルダン最後は流してゴールインッ!!メジロアルダン楽々の勝利でした!2着にはガクエンツービート、3着にはインターアニマート惜しくも届きませんでした。お見事な勝利でしたメジロアルダン、ダービーに向けて視界良好っ!!』
アルダン「皆様、ご声援ありがとうございました。」ペコリッ
観客1「次のダービーも頑張れ~!!」
観客2「ダービー制覇、期待してるぞ~!」
観客3「また応援しに行きますからね~!」
アルダンは観客の声援に応えながら地下バ道へと戻っていった。さて、俺も行くか。
ーーー控え室前ーーー
八幡「アルダン、俺だ。入っても大丈夫か?」
アルダン『兄様ですね、どうぞ。』
八幡「失礼する。とりあえず、今年初戦は勝てたな。それも余裕で。」
アルダン「えぇ。それに走り終わった後、すぐに息を戻す事が出来ました。東京2,400m、余裕を持って走り切る事が出来ました。」
八幡「そうか……よし、不安面だったスタミナはこれで大丈夫だな。残るはスピードだが、このレースでは後ろを引き離せていた。だが次のNHKマイルCでも同じように引き離すか同等のスピードを出す事が出来たら合格だ。今は引き離せただけ良しとしよう。」
アルダン「では次の課題はスピード、ですね。」
八幡「あぁ。次のレースまで2週間……気を抜かずに行くぞ。」