八幡side
八幡「………」
まぁ、分かってはいた……こうなる事は一応は分かってはいた。レース後のインタビューでも『え、何で?』みたいな顔されたし。
もう分かると思うが、アルダンの次走についてだ。ダービーに直行せずNHKマイルCに参戦するローテーションにすると発表したんだが、このローテーションは今までに誰もした事の無いローテーションだからかなり色々と言われている。実際に新聞でもハードローテだって書かれているし。
八幡「誰も挑戦した事が無いだけでここまで言われるもんなのかねぇ?誰も思いつかなかったのか?NHKマイルCからのダービーの変則ローテーション。」
同期2「いやいや、普通は思いつかないから。これまでだって皐月賞からのダービーなんだぜ?そうでなくてもトライアルからのダービーなんだから。NHKマイルCからダービーなんて聞いた事ねぇって。クラシッククラスの内からGⅠでマイルから中距離に挑戦なんてハードル高ぇもん。」
八幡「GⅢとかGⅡとかではよくあるだろ、それこそシンザン記念から皐月賞とか。」
同期2「それはGⅠじゃないからだろ!俺が言いたいのはGⅠ挑戦でって事だよ!」
……それって何が違うんだ?確かにグレードは違うからそこの重圧はあるだろうが、それ以外はあまり関係無くね?
同期2「まぁでも俺は比企谷の決めたローテーションにケチとか言わないし、口出しとか出来る立場じゃないからよ。でも気を付けろよ?」
八幡「?何が?」
同期2「ほら、お前の事を悪く言ってる同期3とか、ソイツに色々教えてる先輩1とかはお前の事で色々言ってるみたいだし。」
八幡「興味無い。」
同期2「だろうな、お前がそういう奴だってのは知ってる。まぁとりあえず気を付けておけよ。」
俺は同期2の忠告を受け取って、学園に向かった。今の時点で特に何かダメージがあるわけじゃないから、何かをする必要も無い。
ーーー校門前ーーー
たづな「おはようございます、比企谷トレーナー。」
八幡「おはようございます。」
たづな「あの、少しよろしいでしょうか?」
八幡「?」
たづな「その、例の方からまた取材の依頼が……」
八幡「………また、ですか。懲りないですね。」
たづな「私もあまりにもしつこいようですと、お付き合いを考えさせていただく事を以前同様にお伝えしているのですが……」
八幡「……分かりました。これ以上これが続くのもウンザリするので、1度その取材を受けてみようと思います。」
たづな「本当ですか?私もあの会社の記事を調べましたが、トレセン学園のトレーナーを集中的に狙いを定めているように思います。比企谷トレーナーは狙われているご様子なので危険だと思うのですが……」
八幡「そうでしょうね。なのでこっちも色々と準備をしてから取材を受けたいと思います。」
たづな「……分かりました。比企谷トレーナー、何かお手伝い出来る事があれば何なりと仰ってください。出来る限りのサポートをさせていただきます。」
八幡「ありがとうございます。とりあえず今は次のレースのトレーニングと並行して準備します。」
はぁ……本当なら受けたくはないんだが、いつまでも放置しておくと調子に乗って学園にまで乗り込んでくるかもしれないからな。打てる手は打っておかないとな。
八幡「じゃあ、俺も行きますね。」
たづな「はい、本日も頑張ってくださいね。」
ーーートレーナー室ーーー
八幡「とりあえず、次の休みにアポ取って行ってみるか。」
シービー「何処に行くの?」
八幡「地方のトレセン学園。ちょっと調べたい事があるから。」
シービー「ふぅ~ん……ねぇ、あたしもついてっていい?」
八幡「うん、ダメ。遊びに行くわけじゃないんだから。」
シービー「えぇ~……因みに何処に行くのさ~。」
八幡「大井トレセン学園。」
シービー「じゃあ、待ち合わせねっ♪」
八幡「知らんふりするからそのつもりで。」
シービー「学園の制服を着れば知らん顔なんて出来ないよね~♪」
くそ、何でこういうところの頭は回るんだよ……普段は自由人のチャランポランタンなくせに。
八幡「っていうか何で君は此処に居るわけ?さっさと教室に行きなさい。」
シービー「まだ時間はあるんだから良いじゃん?八幡だってこの時間は暇でしょ?」
八幡「暇じゃない暇じゃない、許可も無くいきなりトレーナー室に潜り込んできたどっかの自由奔放でチャランポランタンなウマ娘と違って超忙しいから。」
シービー「誰がチャランポランタンだよ~!!」
八幡「寄るな寄るな暑苦しい……つかお前ってホントに自由を好んでるのか?こうして俺に構ってる時点で自由とは程遠い気がするんだが?」
シービー「だってあたしの好きにしてるから自由じゃん?ねぇ八幡、あたしも此処にちょくちょく来ても「ダメです。」えぇ~………」
寧ろどうして良いと思うんだ?
八幡「とにかく、お前はもう教室に行け。遅刻しても俺は正直に此処で時間も気にせずのんびりしてたって言ってやるから。」
シービー「ちょっとくらい味方してくれてもいいじゃんか~!」