八幡side
アルダン「兄様、勝利を収めて参りました。」
八幡「あぁ、ご苦労さん。見ていた……一緒に観戦していた奴等も驚いていたぞ。」
アルダン「まぁ、それはそれは……ふふふっ。驚いたという事は、私が勝つ事を想定していなかったという事なのでしょうか?」
八幡「さぁな?けど今日のレース展開、流石だったぞ。スピード勝負のマイルであの走りが出来るのなら、次の日本ダービーではもっと応用の利く展開が出来ると思うぞ。」
アルダン「ありがとうございます。では、控え室に行きましょうか。」
ーーー控え室ーーー
八幡「それで……何でこうなるんだ?」
アルダン「少し気になっていまして。兄様はトレーナーの知識は素晴らしいものですが、こういった実技はどうなのかと思いまして。」
俺は今、アルダンの隣に座っているのだが、片手にはブラシ、もう片方にはオイル、見事に尻尾の手入れをするみたいな流れになっている。
アルダン「それで、どうなのでしょうか?」
八幡「一応の経験はあるが、俺がやった事があるのはあくまでも人形相手にだ。本物相手には1度も無いんだが?」
アルダン「では、今日が初体験ですね。」
八幡「いや、ダメじゃね?だって尻尾はウマ娘の部位の中でもデリケートな部分だろ?そんな所をトレーナーとはいえ異性に手入れを、触らせてもいいのか?」
アルダン「私は兄様に全幅の信頼を預けていますので問題ありません。それに兄様でしたら、きっと私が何かを言うまでも無く上手にお手入れをしてしまうと思うのです。」
その自信は一体どこから出てくるんだ?今言ったよな?人形相手でしかやった事無いって言ったよな?なのにどうしてそんな奴に手入れをお願い出来るんだよ?
アルダン「兄様、お願い出来ませんか?」
八幡「………どうしても、か?」
アルダン「はい、どうしても、ですっ♪」
八幡「それ、もうお願いじゃないだろ……はぁ、担当ウマ娘からの希望だからな。俺なりのやり方でやるからな?」
アルダン「はい、よろしくお願いします。」
俺は数年ぶりに尻尾ケアをする事になった。ウマ娘相手には初めてだけどな。
ーーー数分後ーーー
八幡「……こんなもんでどうだ?」
アルダン「素晴らしい仕上がりになりました。ありがとうございます、兄様っ!」
八幡「本当か?俺なりのやり方でやっただけなんだが?」
アルダン「えぇ、見ていて分かりました。それにとても丁寧にケアをしてくださいましたので、いつも以上に輝いて見えます。」
八幡「さて、そろそろインタビューだな。準備は出来てるか?」
アルダン「はい、準備万端です。」
その時ちょうどスタッフさんが控え室前まで来て、インタビューの時間になったので、俺達はそのまま向かった。
「それではインタビューを始めます。今年のNHKマイルCを制して見事、今年のクラシッククラスの最速ウマ娘に輝いたメジロアルダンさんです!まずはおめでとうございます。」
アルダン「ありがとうございます。」
「初めてのマイルレースでGⅠという事でしたが、問題ありませんでしたね。」
アルダン「私のトレーナーがこのレースに向けて様々な試行錯誤をしてくださったおかげです。そのおかげで今日のレースでも勝利を収める事が出来ました。」
「この次はいよいよ日本ダービーと聞いておりますが、自身の程はいかがでしょうか?」
アルダン「このレースの勝利を得て、より自信が持てました。ですが、この結果に驕る事無く、ダービーに向けて更に研鑽を重ねたいと思っております。」
「ありがとうございました。それでは次にトレーナーさんにお伺いします。本日のメジロアルダンさんの走りはいかがだったでしょうか?」
八幡「期待通りの走りでした。スタートしてからの展開や駆け引き、最後の直線でもゴールまで伸びてくれていましたので、満足な結果です。」
「次はいよいよダービーですが、皐月賞組と初めての戦いになります。強敵ばかりとなりますが、その辺りはどうお考えですか?」
八幡「勿論対策は考えていますが、1番は彼女の力を全て惜しみなく出し切れるようにする事としています。確かに相手は強敵ですが、青葉賞を、そして今日のGⅠを勝ったアルダンも充分に強いウマ娘です。それに自分は、アルダンが1番強いウマ娘だと確信しています。彼女にダービーウマ娘の称号をプレゼント出来るように精進します。」
「ありがとうございました。以上でインタビューを終了します。NHKマイルCの優勝ウマ娘のメジロアルダンさんと、担当トレーナーの比企谷トレーナーでした!」
それから程無くして全てのレースが終了して、ウイニングライブも終了した事で帰路に着いている。
アルダン「次はいよいよ、ですね。」
八幡「どうした急に?」
アルダン「いえ、その……本当にここまで来たんだなと思いまして。」
八幡「……そうだな、確かにここまで来たな。」
アルダン「ダービーにはきっとチヨノオーさんとヤエノさんも出走してきます。きっとこの2人が1番の強敵になるでしょう……ですが、負けません。」
八幡「あぁ……ダービーまで3週間、しっかり鍛えていくぞ。」
アルダン「はいっ!」