八幡side
八幡「………」
アルダン「………」ムスゥ∼…
ラモーヌ「ふふふ……」
八幡「なぁアルダン、もう許してくれって。俺が………悪い事したわけじゃないんだが、悪かったから。」
ラモーヌ「情熱的だったものね。」
八幡「お前は少し黙っていてくれ……」
レース場の下見をした日から2日がたった月曜日。俺は普通に朝から出勤したのだが、珍しく朝からアルダンとラモーヌの姉妹が一緒に登校していた。一応、アルダンは俺の担当だから声をかけたんだが、その時から既に耳を絞っていたから機嫌が悪かった。その理由が一昨日の事だった。どうやらラモーヌが最後のレースまで俺と一緒に居たのをアルダンに話したらしく、しかも久々に俺の情熱が込められた目を見られたというどうでもいい内容を話した事で、あんな感じになってしまったという経緯だ。
ラモーヌ「ふふふ、可愛らしい嫉妬ですこと。」
八幡「だからお前は黙っていてくれ。大人しく歩きながらデッサン描いとけ。」
アルダン「兄様、姉様に構わないでください。」
八幡「あっ、はい……」
珍しくアルダンが独占欲を出している……まぁ、担当だから普通の事……か?
八幡「とりあえず機嫌くらいは直してくれ……今度はお前と一緒に行くから。な?」
アルダン「でしたら次の休みにお出かけに付き合ってください。」
八幡「仰せのままに、お嬢様。」
ラモーヌ「そう……それじゃあ「お前はお呼びじゃないから。」あら、ふふふ。」
アルダン「兄様、姉様に構わないでください。」
八幡「いや、今のはノーカンだろ……」
ーーートレーナー室ーーー
八幡「はぁ……朝からなんか疲れた……っていうか俺、何も悪い事してないよな?」
だって俺、ラモーヌとレース見てただけだぞ?いや、まぁ午後から最後までだから大体4時間くらい?だった気がする。けどアイツ、レースが始まっているにも関わらず俺の方ばかり見てくるんだよな……自分の好きなレース放置して俺見てていいのかよってツッコミ入れたくもなったが、俺もその視線に気付くのはレースが終わった後だから言えないんだよなぁ……
八幡「……きっと昼にもまた会うだろうし、その時にもまた謝るか。お詫びにデザートとしてにんじんケーキを作っておくか。」
同期1「……あのさ、比企谷君。」
八幡「ん、どうした?」
同期1「あのさ、今何やってるの?」
八幡「……にんじん摺り下ろしてる。」
同期1「いやいや、カフェテリアの厨房でやりなよ!何でトレーナー室でやってるのさ!?」
八幡「時間が惜しいから。今日やる予定の作業も急ぐ必要の無い事だし、午前中は担当のご機嫌直しに時間取ろうと思ってよ。」
同期1「え?でも比企谷君の担当ウマ娘ってメジロアルダンさんだよね?あの子って機嫌悪くなる時ってあるの?」
八幡「ちょっと事情があってな、今朝はちょっと機嫌が悪くてな。」
まぁとりあえず、今はケーキ作り頑張ろう。でもコレ、完全にトレーナー業務とはかけ離れてるよな。担当ウマ娘の機嫌を取る為とはいえ。
ーーー昼休み・カフェテリアーーー
ケーキは既に完成して今はアルダンを待っているのだが、そのアルダンからLANEが来ていた。
アルダン兄様、朝は申しわけございませんでした。姉様が原因とはいえ、とても失礼な態度を取ってしまいました。本日の昼食の時間にお伺いしますので、その時に改めてお話させてください。
って内容が送られてきた。まぁ俺にも事情があるかもしれないから離しは聞こうと思っている。
アルダン「兄様、お待たせいたしました……」
八幡「おっ来たかアルダン。そんで、今日は何頼む?」
アルダン「あの、その前に「作業しながら聞く。何が食べたい?」特に何も無ければお任せでも構わないぞ。」……では、お任せで。」
八幡「分かった。」
アルダン「……あの、聞いていただいてもよろしいでしょうか?」
八幡「あぁ。」
アルダン「今朝はすみませんでした……その、結論から申し上げますと、姉様が羨ましくて……」
八幡「そうだったか。まぁでも、俺も軽率だったな。済まない。」
アルダン「い、いえ!兄様が謝罪される事なんてなにもありませんっ!私が勝手に自分で気分を悪くして兄様に気を遣わせてしまったのですから!」
八幡「そうか?まぁでも、俺の行動でそうなったんだから、少なくとも俺にも気を付けるところはあったって事になる。今週の休みには付き合うから許してくれ。」
アルダン「あ、あの……兄様は何も悪くないのです。許すも何もありませんので。」
八幡「じゃあそういう事にしておこう。ほい、お任せお待ち。」
そこからはいつも通りの態度でいつも通りの昼食をする事が出来たから、蟠りは解けたと言ってもいいだろう。
アルダン「ご馳走様でした、今日もとても美味しくいただきました。」
八幡「お粗末さん。んじゃ、今日のデザートだ。」
アルダン「これは……」
八幡「にんじんケーキ。今日は早く仕事が片付いたから作ってみた、食ってくれ。」
アルダン「では、いただきます。」パクッ
アルダン(……兄様は嘘が下手です。本当は私の為に作ってくださったというのは、食べた瞬間に分かりました。とても優しい味……)
アルダン「とても美味しいです♪」
八幡「そうか、それは良かった。」