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実況『このレースが創設されてから56年目を迎えました。創設時は今は無き目黒レース場で開催され、3回目にはこの東京レース場で開催されるのが伝統となっています。ある年には不況の関係でレースが中止になる年もありました……しかし!平和が実現されてからは1度も開催中止になる事も無く、この【ウマ娘の祭典】で様々な激闘が繰り広げられてきました。中には我々の心にも残る名勝負もありました。そして今年、55回目を迎える日本ダービー……この年のダービーもきっと、後世に語り継がれるようなレースとなるでしょう!さぁお届けいたします、東京優駿日本ダービーのファンファーレですっ!!』
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実況『大観衆が見守る前で今年選ばれた18人のウマ娘達が、次々とゲートへと進んでいきます……1歩、また1歩とその歩を進める度に高まる鼓動、そして流れる汗。しかし、それがどうしたと言わんばかりに自身の身体に渇を入れ、夢の扉へと進んでいきます。』
アルダン「………」
ヤエノ「では、アルダンさん……お先に。」
チヨノオー「今日は絶対に負けません。」
アルダン「えぇ……どうぞ、お手柔らかに。」
アルダン(日本ダービー……やっとこのレースまで来ました。私の最大の目標、そして兄様と勝利を約束した舞台……兄様、どうか私に力を。)
実況『さぁ最後に大外18番、本日の1番人気のメジロアルダンがゲートへと進みます。このダービーに勝利すれば、史上初の青葉賞路線の勝利となります。メジロアルダンが収まりました!今年のダービーはどんな名勝負、どんなドラマが待っているのでしょうか!?夢の2分20秒をお楽しみください、第55回東京優駿日本ダービー………』
ガッコン!!
実況『スタートしましたっ!!一斉のスタートです!18人のウマ娘が緑鮮やかなターフか駆けて1コーナーへと向かっていきます!最初に行くのはサクラチヨノオーかっ!?好スタートから一気に先頭か?しかし並ぶようにディクターランド。3番手に外、メジロアルダンが追走!内からインターマニアートとギャラントリーダーが並んで1コーナーを曲がっていきました!先行集団は団子状態の混戦模様となっています!熾烈な位置取り争いですっ!』
ヤエノ(お2人は前目の位置取りのようですね……かなりあの位置ならばハイペースになってくれれば御の字ですが、このペースだとそれは無いでしょう。であれば、勝負はやはり直線っ!)
サッカーボーイ(おいおい、アイツ等飛ばし過ぎじゃねぇのか?あの位置ほぼ逃げだろ……脚残せるのかよ?)
実況『さぁバックストレートに入って長い直線です!先頭はディクターランドが行きます!1バ身差でサクラチヨノオー2番手!その後ろにギャラントリーダー3番手に上がって、4番手はインターマニアート、ハワイアンコーラル、メジロアルダンの3人が固まっています!すぐ後ろにファンドリデクターとクリノテイオーとマイネルグラウベン、その後ろコスモアンバーが10番手!1バ身離れたところにコクサイトリプルとヤエノムテキ、モガミナインが追走っ!この辺りも固まっています!サッカーボーイは後方3番手の位置ですっ!さぁこれから3コーナー曲がって大欅を超えていきます!』
チヨノオー(アルダンさん、まだ動かない……)
アルダン(まだ、まだです……)
実況『3・4コーナー中間を過ぎてサッカーボーイが中団辺りまで上がってきました!!そしてナカミリーゼントも好位置っ!中団が先団と固まるように迫ってきております!さぁ18人のウマ娘達が一団となって4コーナーを曲がって直線コース、最後の府中526mここからが本当の勝負ですっ!!』
アルダン(今っ!!!)
ズサァ!!!
実況『先頭はハワイアンコーラルか!?内からギャラントリーダー!その外から上がって来たのはサクラチヨノオーとメジロアルダンッ!!大外からはヤエノムテキも上がってくる!その間からはコクサイトリプルッ!!しかし先頭は抜けたメジロアルダンかっ!?サクラチヨノオーが迫るっ!!メジロアルダン苦しいかっ!?』
チヨノオー「やあああぁぁぁぁぁ!!!」ゴオオォ!!
アルダン(此処で……もう1度っ!!)
ズサァ!!!
アルダン「はあああぁぁぁぁぁ!!!」
チヨノオー「っ!?」ゴオオォ!!
実況『何とメジロアルダン、2回目のスパートだああぁぁ!!!サクラチヨノオーも迫るが差が縮まらないっ!!先頭はメジロアルダンッ!!メジロアルダンが今、ゴールウウゥゥゥ!!!』
アルダン「はぁ……はぁ……」
チヨノオー「はぁ……はぁ……」
実況『最後の最後でもう1度伸びましたっ!!メジロアルダン、脅威の2段スパートで日本ダービー制覇ですっ!!そして掲示板には赤い4文字、レコードと表示っ!!2.26.3は新たなコースレコードですっ!!』
アルダン「はぁ……はぁ……ふぅ~……」
チヨノオー「はぁ……はぁ……」
アルダン「チヨノオーさん。」
チヨノオー「っ……おめでとうございます、アルダンさん。やっぱり、アルダンさんは凄いです。直線に入ってからは1度も抜かせませんでした。」
アルダン「いいえ、この勝利はチヨノオーさんが全力でぶつかってきてくれたからこそです。そうでなければ私もきっと、先程の力は出せていませんでした。貴女と走れて本当に良かったです。」
チヨノオー「……はい。でも、次は負けませんっ!」
アルダンとチヨノオーは握手を交わして再戦の約束をした。こうして第55回目の日本ダービーはメジロアルダンがレースレコードで走破して優勝を収めた。