八幡side
7月に突入して、俺とアルダンはトレセン学園が夏合宿として使用している施設に来ている。去年は来てなかったが、赴きがあるというか、味のある施設だとは思った。だってトレセン学園があのレベルの施設だから、合宿施設が古……んんっ、昔ながらの良い雰囲気な施設だと思う。あっ、因みに先生との食事は有意義な時間を過ごせた。怪我した時のトレーニングとかリハビリ法とかを改めて聞けたし、夏合宿のメニューを見てもらって色々と改良も出来た。俺がトレーナーとしてまだまだ半人前だというのがまた分かっただけでも収穫だ。
アルダン「兄様のお部屋はとても涼しくて読書がとても捗ります。」
八幡「まぁ涼しくするようにしてるからな、一応。それとそこ、勝手に布団広げて寝ないでくれる?」
シービー「えぇ~良いじゃんか~別に~。」
八幡「俺が良くないの。ほら、早く片付ける。」
オグリ「トレーナー、
八幡「(
アルダン「ところで、皆さんはトレーニングはお休みなのですか?」
シービー「そっ、あたしは休み。だからこうして八幡の部屋に来てるってわけ。」
オグリ「私はトレーナーに料理を「だから作らない。」な、何故だ………」
……んで今は何故か俺の部屋に3人のウマ娘が入っている。ウチはトレーニングを休みにしているから問題無い。だがオグリ、お前は早く六平さんの所に戻れ。
八幡「はぁ……アルダン、少し出てくる。鍵渡しておくから、もし出る時はコイツ等も追い出してから出て鍵をかけてくれ。」
アルダン「どちらまで?」
八幡「散歩。」
シービー「じゃあ「1人で行くから着いて来ないように~。」えぇ~!」
八幡「ったく……お前ホントに【ターフの演出家】って異名が付いたウマ娘なのか?ただの構ってちゃんにしか見えないんだが?」
シービー「八幡にだけ特別だよぉ~?」
八幡「全然いらない。」
ーーー商店街ーーー
八幡「………」テクテク
???「比企谷トレーナー。」
八幡「っ!あぁ、どうもご無沙汰してます。」
???「いえ、こちらこそご無沙汰しています。」
この人は5月の時の会見に参加した〇〇社の人だ。あの日、俺はこの人ともう1社の人と連絡先を交換していた。今日此処で会ったのも偶然じゃない。
〇〇「比企谷トレーナーの予想通り、やっぱり居ました。▲▲社のジャーナリストです。しかも完全に比企谷トレーナーに狙いを付けているような動きでした。」
八幡「視線を感じていたのでやっぱりそうでしたか……」
〇〇「物陰からコソコソと隙を伺うような、嫌なやり方でした……アレが同業だと思うと、嫌な気分になりますね。」
八幡「〇〇社さんの評判はとても良いですし、正しい情報に正確な記事を書いていますので、あんな会社と一緒の括りにはしたくありませんね……」
〇〇「そう言っていただけると幸いです。きっと比企谷トレーナーが身体を動かすタイミングや取材を受けてくれるタイミングを探しているんだと思います。トレセン学園の生徒には許可が出ない限りは取材はお断りですが、トレーナーには適応外ですから。」
だな。だがこの合宿所で取材を受けるのはちょっとリスクがあるな……出来ればトレセン学園で受けたいところだ。
〇〇「では比企谷トレーナー、気になる事がありましたらまたご連絡しますので。」
八幡「はい、よろしくお願いします。」
……さて、合宿所に戻るか。っと、その前に。
八幡「すみません、この鯵と鱸と鮎を1つずつください。」
「あいよ~!」
ーーー合宿所・裏ーーー
八幡「………」
白身魚といったら、やっぱ最初に試すのは塩焼きだよな。フライとかムニエルも美味いけど、1番お手頃に出来るのは塩焼きだ。だって塩を全体にまぶして焼くだけだし。
パーマー「あれ、トレーナーじゃん。何してるの?石なんか囲んで……SOSサイン?」
八幡「違ぇよ、これから魚を焼くんだよ。」
パーマー「魚を?こんな所で?中でやらないの?」
八幡「こういう場所でやるから良いんだろ。そうだな~……パーマー、お前って口は堅い方か?」
パーマー「え?まぁ、誰にも言うなって言われたら言わないけど。」
八幡「よし、じゃあ今から塩焼き作るから誰にも言うなよ。特にアルダンには。」
パーマー「アルダンさんに?よく分かんないけど、オッケー。」
よし、買収成功。
パーマー「トレーナー何コレッ!!?本当にただの焼き魚!?チョー美味しいんだけどっ!!」
八幡「そうだろうな~。実際マジで美味いから、この言葉しか出ないよなぁ~。」
パーマー「寮とか学園とか屋敷で食べる魚料理も美味しいけど、こっちのも美味しいっ!!」
八幡「骨には気を付けろよ、熱で柔らかくなっているとはいえ刺さったら痛いんだからな。」
とりあえず塩焼きは美味いって事を再確認した。後はこの魚達の中から選ぶだけだな。