八幡side
八幡「よし、全員揃ったな。それじゃあ出発してください。」
8月末になって夏合宿の期間が終了して、生徒達は送迎のバスに乗り込んでいる。初めての夏合宿だが、有意義な時間を過ごせたと思っている。アルも成長出来たと思うし、秋の初戦でどれだけ力を発揮出来るか楽しみなところだ。
アルダン「兄様、こちらにどうぞ。」
シービー「八幡、こっちも空いてるよ~!」
ライス「お、お兄様。ライスの隣も大丈夫だよ?」
八幡「………担当の隣に座るから。」
俺はアルダンの隣に座り、バスのエンジンがかかってから発進した。
アルダン「兄様、帰ってからは何をされるのですか?」
八幡「溜まっているであろうトレーナーの仕事とかレースの登録とかを済ませる予定だ。後はそうだな……他に何かあれば済ませる予定だ。」
アルダン「帰ってからもお忙しそうですが、ご無理だけはなさらないでくださいね?」
八幡「適度に休みは取ってるから大丈夫だ。しかし、オグリはどうしたんだろうな?あまりにしつこいし六平さんに頼まれたから料理を作ったけど、普通の1人前で満足してたしな。」
アルダン「アレには確かに驚かされました……まさかオグリさんが普通の食事量で終わってしまうなんて。」
八幡「それのせいで六平さんから料理作ってくれないかってマジで頼まれちまったしな。流石に断ったけど。」
アルダン「そういえば兄様、マックイーンからのおねだりは大丈夫でしたか?」
八幡「……聞くなよ。連日アイツからのおねだりが凄かったんだから。しかも終いには材料費を出すから作ってくれとも言われたし。」
アルダン「まぁ、マックがそこまで……兄様がメジロ家のパティシエに渡した洋菓子のレシピでは足りないという事でしょうか?」
八幡「だとしたらアイツの舌肥え過ぎだろ。だってアイツ、週に1回は帰ってるんだろ?ドーベルから聞いたぞ?」
アルダン「兄様の耳にも入っていましたか。」
市販のを開封してそのまま出しても気付かなさそうだな……1度試してみるか。
八幡「ただの予想に過ぎないが、アイツの体重ちょっとだけ増えるんじゃないか?だって2ヵ月間は合宿所のデザートしか食べられてないんだから、反動でめちゃめちゃ食べると思うぞ?」
アルダン「それはそれは、体重管理をするのが大変そうですね。あの子は太りやすい体質なので、食べ過ぎた時は反動は大きくなるでしょうね。」
八幡「だな。」
それから俺達は他愛の無い話をしながら学園に着くのを待っていた。因みになんだが、俺とパーマーが焼き魚をしているのは8月中旬にバレた。
ーーートレセン学園ーーー
八幡「ありがとうございました。さて、じゃあ担当トレーナーの指示を受けてる生徒はそれに従ってくれ。無い場合は特に何も無い。それじゃあ解散。」
シービー「八幡~この後って何するの~?」
八幡「トレーナの業務とレース登録とか色々。先に言っておくが構ってられる時間は無いからな。」
シービー「それは仕事が終わったら構ってやるってフリなんだよねっ!?」
八幡「フリじゃないです。」
俺はシービーのかまちょを振り切ってトレーナー室に向かった。
ーーートレーナー室ーーー
八幡「さて、仕事始めるか。最初は……取材かぁ。」
まぁ▲▲社じゃないだけまだマシか。きっと書類を進めるにつれて出てくるとは思うが、今のところ忖度無しで取材して良いって思ってるのは〇〇社と〇◎社だけなんだよな。他のところも受けてもいいんだが、信用してもいいのかと思っている。
八幡「少し疑り深くなってるのかもしれないな。」
さて、仕事仕事。
八幡sideout
アルダンside
アルダン「ただいま戻りました。」
チヨノオー「あっアルダンさん!お帰りなさいっ!」
アルダン「チヨノオーさん、退院されたんですね。怪我の具合はいかがでしょうか?」
チヨノオー「いえ、一時的な退院なのでまたすぐに入院するんです。でも順調に回復しているので大丈夫ですよ!」
アルダン「そうですか……それは良かったです。レースの復帰はいつ頃なのでしょうか?」
チヨノオー「来年の春になりそうだってお医者さんは言ってました。なのでまだまだ先ですね。」
アルダン「私はいつまでも待っていますからね。チヨノオーさんとはまだ1度戦っただけですし、ダービーのあの時に約束しましたからね。」
チヨノオー「ですねっ!まだ時間はかかっちゃいますけど、絶対に治してまた一緒に走りましょう!」
ふふふっ、チヨノオーさんにはいつも元気を貰ってばかりですね。次のレースは私も頑張らないといけませんね。
アルダン「チヨノオーさん、何かお飲みになりますか?まだ暑いですからね。買ってきますよ。」
チヨノオー「えぇっ!?そんなの悪い「今のチヨノオーさんは怪我人なのですから、ご無理をするのではなく治療に専念する事を考えてください。」……ありがとうございます。では、お茶をお願いしてもいいですか?」
アルダン「えぇ、分かりました。少し行ってきますね。」
……そういえば、チヨノオーさんは桜餅が好物でしたね。兄様に頼んで作ってもらいましょうか。