八幡side
八幡「雪ノ下家から、ですか?」
たづな「はい。八幡トレーナーも当事者なのでご存知だと思いますので説明は省きますが、その報告を受けた雪ノ下建設の社長から文面が届けられています。」
八幡「………文面で送られてくる謝罪なんて、何も信用は出来ませんけどね。」
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この度は、娘の軽率な発言・行動により、ご迷惑をお掛けしております事を、心からお詫び申し上げます。
また、未成年の学生に対して分不相応な対応をしてしまいました事や、相手に誤解をさせてしまいました事も謝罪致します、誠に申しわけございませんでした。
長女、雪ノ下陽乃につきましては当面の間は謹慎処分とし、私自身が再度教育の鞭を取らせて頂きたいと思っております。
改めて、エアグルーヴ様、比企谷八幡様、並びに関係者の皆様には重ねて心からお詫び申し上げます。
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八幡「謹慎処分、ね………」
たづな「八幡トレーナーはどう思われますか?」
八幡「それであの人が反省するのなら構いませんが、例えそれが一社員、娘であるとしても軽いですね。」
たづな「………」
八幡「まぁ向こうがこちらに来ないってだけでもありがたい話ですよ。今のエアグルーヴには、雪ノ下さんの顔を見て落ち着いていられる保証なんて何処にもありませんから。」
たづな「そんなに酷いのですか?」
八幡「恥ずかしながら……ですが大阪杯ではまだ数週間あります、それまでにコンディションは整えて行きますよ。まぁ最悪の場合は回避もあり得ますが。」
たづな「そうですか………」
ただ、やっぱり先生からの言葉が頭を過る。契約破棄………だがエアグルーヴの為の選択でもある。どうするべきか………
八幡「悩みの種が尽きませんね、トレセン学園は。」
たづな「八幡トレーナー………」
八幡「すみません、忘れてください。失礼します。」
ーーートレーナー室ーーー
八幡「………」カキカキ
コンコンコンッ
八幡「?どうぞ。」
「失礼するぞ、八幡」
八幡「っ!先生!?」
「驚いているようだな。電話で話しただろう、近々そちらに行くと。」
八幡「先生の近々って明日明後日の事を言うんですか?大学はどうしたんですか?」
「あれからも勧誘はしているのだが、お前に比べるとつまらん素材ばかりだ。」
八幡「ボロクソ言うじゃないですか………」
「私はただ事実を言ったまでだ。今学生達は授業中か?」
八幡「そんなところです。」
「ふむ………ならば校内見学と行こうか。」
八幡「………は?」
「良いだろう?私はこの学園の施設は知ってはいるが、中を実際に入ったのはこれが初めてだ。校内の案内を頼むぞ、八幡。」
八幡「………」
そして俺は先生を連れて、校舎案内をする事になった。
ーーー校舎案内中ーーー
「やはりアメリカとはまた違う雰囲気だ……日本ならではの雰囲気というのか、落ち着きがある。」
八幡「ツッコむところが満載のウマ娘も多く居ますけどね。」
「それは個性というものだ。だがこうして若いウマ娘達を見ていると学生の頃を思い出す……あの頃は私にもトレーナーが居て、友が居て、トレーニングをしていて、偶に買い物に行ったりして、楽しい日々を過ごしていた。きっとこの学園でもそうなのだろう。」
八幡「楽しく過ごしていないウマ娘は居ないと思いますよ、此処には。」
「私もこうして見て、触って、感じていて分かる。それにだ、君とこうして2人で横並びに歩くのも懐かしい。それに昔の事も思い出す………」
八幡「昔?」
「私が現役だった頃だよ。隣には私のトレーナーが歩いていた、よく次のレースの事や食事の事を話していたものだ。まぁ、お前は私を担当していたトレーナーに比べるとまだまだ頼りないがな。」
八幡「いつかは超えてみせますよ。」
「ふふふっ、頑張りたまえ。」
ーーー昼休みーーー
八幡「もう昼ですけど、先生はどうするんです?」
「折角だ、ご一緒しよう。」
ーーー食堂ーーー
昼時だからか、多くのウマ娘達が居る。それに加えて俺はトレーナーの中でも目立っているから、挨拶もよくされる。そして今は先生も居る。1番目立ってしまっている。
「ほう、あの2人はあの量を難なく食べるのだな。」
八幡「オグリとスペの事ですね。あの2人はこの学園の大食い代表ですからね、あの2人と同じくらい食べられるウマ娘は他に居ませんよ。」
「そうなのか。」
八幡「だからといって張り合わないでくださいよ?」
「何の事だい?」
八幡「分かってて言ってますよね?」
俺の予想通り、先生はかなりの量を注文していた。オグリとスペもその量には目を見開く程にだ。
八幡「先生………」
「因みに言っておく、学生の頃はこれよりも多く食べていた。」
八幡「ブラックホール以上が居たのかよ………」
オグリ「トレーナー、その人は?」
八幡「あぁ、俺の先生。俺にトレーナーとしての技術を叩き込んでくれた人だ。」
「君は……あぁ、あの席に居たウマ娘だったね。」
オグリ「つかぬ事聞きます、その量のご飯は食べ切れるのですか?」
「要らぬ心配だ。私が現役の頃はこの倍は食べていた。故にこの量はまだ少ない方だ。」
オグリ「っ!!?」
オグリも驚愕する程かよ………
オグリ「師匠と呼ばせて欲しい!」
「済まない、大食いの弟子は募集してないんだ。」
八幡「お前は何を目指してんだよ………」
謝罪文がきましたが、あれだけ?
先生のフットワークがまぁ軽い事……そしてよく食べる。