比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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メジロ家の提案

 

 

アルダンside

 

 

10月に入ってから2週間が経過しまして、つい先日に京都大賞典が終わったばかりでした。結果は私が1着を獲る事が出来て、天皇賞・秋の優先出走権を得る事が出来ました。同じ週にもう1つのトライアルレースの毎日王冠ではオグリさんが勝ちました。その影響なのか、今年のクラシッククラスのレベルは一味違うとまで言われています。

 

次の天皇賞では最大のライバルでもあるオグリさんとタマモクロスさんと初めてのレースです。日本ダービー同様に気の抜けないレースになる事は間違い無いでしょう。

 

 

アルダン「……兄様もご存知だと思われますが、メジロ家では何よりも天皇賞の勝利に力を注いでいます。これまでも何人ものメジロのウマ娘が挑戦を続け、その盾を獲得したのは僅か4人だけ。そして私にもそのチャンスが巡ってきました……相手は強大ですが、私もこのレースに懸ける想いは誰にも負けていません。本番までどうか、手加減の無いようトレーニングを課してくださるようお願いします。」

 

八幡「あ、あぁ……元々そのつもりだ。それに担当のウマ娘を勝たせる為にトレーニングをするのは当然だろ。それよりも聞きたい事があるんだが、いいか?」

 

アルダン「はい、何でしょうか?」

 

八幡「何で俺、此処に居るわけ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アサマ「それは私がご招待したからですよ、比企谷トレーナー。」

 

八幡「いや、それは理解しているんですけど、どうしてわざわざメジロ家に?しかも特に何か用事があるわけでは無いのでしょう?」

 

 

兄様の言う通り、現在私達はメジロ家に赴いています……私にとっては一時帰省ですが。その理由はお婆様が兄様をご招待したからです。その理由をお婆様はまだお話していないのですが、兄様は呼ばれた理由が気になって仕方ないご様子みたいです。

 

 

アサマ「用事ならございます。比企谷トレーナーは現在、孫娘のアルダンのみでしたね?」

 

八幡「はい。まぁ自分は新人ですので、まだ1人しか担当出来ませんので。」

 

アサマ「それを聞けて安心しました。私は比企谷トレーナーの腕を見込んでお願いしたい事がございます。」

 

八幡「?」

 

アサマ「こちらです。」

 

 

お婆様は兄様に1つの書類を手渡しました。

 

 

八幡「………メジロアサマさん、この書類に書かれている事ですが……本気ですか?」

 

アサマ「えぇ、勿論。貴方にはそれだけの価値があると判断しております。」

 

アルダン「あの、お婆様……兄様に何を?」

 

アサマ「比企谷トレーナーには我がメジロ家の専属トレーナーになっていただきたいと思い、その提案を今、しております。」

 

アルダン「メジロ家専属のっ!?」

 

八幡「既にトレーナーを見つけて担当契約をしているウマ娘についてはどうされるおつもりですか?」

 

アサマ「それにつきましては彼女達の選択を尊重します。現在トレセン学園に通っていて担当契約を交わしていない子達の担当をお願いしたいと思っています。」

 

八幡「そうすると自分が担当しているアルダンは除くとして、担当が決まっているのはラモーヌとマックイーンの2人。それ以外となるとライアンとパーマー、ドーベルにブライトの4人という事になりますが?」

 

アサマ「その通りです。その4人に関しても本人達の希望を聞きますが、事前にあの子達に聞いてみたところ、全員が前向きな返事でした。」

 

アルダン「っ!全員が?あのドーベルも?」

 

アサマ「えぇ、そうです。比企谷トレーナー、今はお忙しい時期でしょうからお返事を急ぐつもりはありません。ですが今年中にはお返事をいただきたいとは思っています。」

 

八幡「今年中……分かりました、それまでに答えを決めて返事をします。」

 

アサマ「ご無理を言ってしまい申しわけありません、よろしくお願いいたします。さて、私の要件はこれで終わりました。アルダン、先日のレースは見事でした。次は天皇賞ですが、あまり家の事は考えなくてもよろしいのですよ。」

 

アルダン「………」

 

アサマ「確かにメジロ家は天皇賞制覇に強い拘りを抱いております。ですがその拘りを個人にまで強制するつもりはありません。貴女は貴女のしたいようにしてくだされば、私は満足です。長い歴史の中で漸く現れたダービーウマ娘なのですから。」

 

 

お婆様……そのように考えていられたのですね。

 

 

アルダン「……お婆様、ありがとうございます。ですが今の私があるのはメジロ家の皆様が居たからこそ、そして兄様が居たからこそです。それに私は自分の走りたいように走れています、これまで走ってきた全てのレースは私が望んだレースであり、それを全てトレーナーである兄様が導いてくださったのです。お婆様を始めとする母様や父様にはご心配をおかけしていますが、私はとても充実しております。なので、お婆様が思うようなご心配は無用です。安心して見守っていただけると嬉しいです。」

 

アサマ「………そうですか。心身共に成長したと思っていましたが、私が思っていた以上に成長していたみたいですね。どうやら子供扱いをしていたのは私達の方だったみたいですね、反省しなければいけません。」

 

八幡「その必要は無いでしょう。ご家族の事に口出しはしませんけど、娘や孫娘の心配をするのは当然のお気持ちだと思います。それにアルダンは身体の事もあったでしょうからその気持ちは尚更強かった事でしょう。けど、その気持ちがアルダンにとって邪魔になった事は1度も無いと思います。メジロアサマさんとアルダンのご両親の心配の気持ちと同じくらいアルダンはこのメジロ家に感謝していましたから。」

 

 

兄様………

 

 

アサマ「……歳は取りたくないものですね、涙腺が緩みやすくなっていけません。」

 

 

 

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