八幡side
すげぇレースだった……正直に言うと、今まで見てきたレースの中で1番だと言える。しかもその中に俺の担当しているウマ娘も居るんだからこんなに喜ばしい事は無い。しかもだ、【芦毛対決】とまで言われていたレースで2着に入る大健闘だ。しかも追い詰めて追い詰めての3/4差だから誇ってもいい結果だ。
しかも、アルの奴もタマモクロスと似た何かを出したように見えた。
六平「今回はしてやられたぜ。ったく、流石は最強だな。」
小宮山「い、いえいえ!流石にあの先行策は私も予想外でしたので!」
八幡「これで俺と六平さんにとっては初黒星って事になりましたね。やっぱシニアクラスの壁は厚いですね。」
六平「全くだ。まぁそれもその内、突き破ってやるけどな。」
八幡「同感です。それでは俺は控え室に行きますので、失礼します。」
ーーー地下バ道ーーー
八幡「………」
今のところ10人のウマ娘達が引き上げてきたのは確認した。だがオグリとアルはまだ来ていない。タマモクロスはウイニングランをしているんだろうが、2人は?って思ってたら来たな。
アルダン「………」テクテク
八幡「よう、お疲れさん。」
アルダン「……兄様。」
八幡「随分と落ち込んでるように見えるが?」
アルダン「……申しわけございません、勝つ事が出来ませんでした。」
まぁ、アルダンならそこを気にするよな。けど今日のレース、俺はアルダンの負けを責めるつもりは毛頭無い。
八幡「何で謝る?寧ろ大健闘だと思っているくらいなんだが?」
アルダン「私は知っています、兄様が毎晩遅くまでメニューの編成やメンバーの皆さんの事を調べていたのは。兄様はお力を尽くしてくれたというのに……申しわけありませんでした。」
八幡「謝る事なんて何も無い。寧ろ俺は良くやったと褒めてやりたいくらいだ。お前は2人の怪物に食らいついたんだぞ?しかも1人は負かす事だって出来た。これは充分にすげぇ事だ。それにだ、まだ帰ってきたばかりだから知らんとは思うが、タイムの確認しようぜ。」
アルダン「?」
ーーー控え室ーーー
八幡「勝ちタイムは1.58.8、レコードの0.5プラスのタイムだが、俺が言いたいのはそこじゃない。上がり3ハロンのタイムを見てみろ。」
そうじゃないかとは思ったが、俺も少し鳥肌立った。
アルダン「34.1秒……」
八幡「あぁ。見て分かると思うが、この上がりはメンバーの中で最速のタイムだ。確かに天皇賞っていう勝負……レースには負けたが、戦いには勝ったと思っても良いと思うぞ。これが後数十m長かったらって想像するとすげぇってなるしな。まぁ、あまりたら・ればの話はするもんじゃないけどな。」
アルダン「………」
八幡「アルダン、今日は確かに負けた。けど次だ、次のレースでは勝ちは譲らないし、来年の同じ舞台では絶対に勝ちに行くぞ。」
アルダン「っ!……はいっ!」
八幡「よし、もう大丈夫そうだな。さて、少ししたらインタビューもある事だしな。」
次のレースはどうするかなぁ~……今年のレースは無しにして来年に向けて備えるのもアリだよな。今年に出るとしても……ジャパンCかぁ~。まぁ、アルと相談だよなぁ~。
八幡sideout
タマside
小宮山「やったねタマちゃん!GⅠ3連勝だよ!しかも天皇賞の連覇まで!けど先行したのはちょっと怒ってるからね!」
タマ「済まん済まん!ウチにも考えがあったんやって!だからそんな怒らんといてや~コミちゃん。」
小宮山「もう……あっ、レース結果出たよ。」
タマ「ホンマかっ!ウチにも見せて~!」
小宮山「あっちょっと!」
タマ「オグリは3着かぁ~まぁでも、アイツのプレッシャー半端なかったからなぁ~………」
小宮山「……?タマちゃん?」
タマ「………なぁ、ウチってホンマに勝ったよな?」
小宮山「え?だって1番に入線したでしょ?」
タマ「なんやろ、なんか負けた気分になってきたわ………」
小宮山「え、何で……えぇ!?」
ウチは間違いなく全力で走った。全ての力を出し切った、それはホンマや。それなのに……オグリとアルダンの上がりに負けとる。しかもアルダンに至ってはウチより0.8秒も速い………何やろ、これ?勝った筈なのに負けた気分や。
小宮山「34.8に34.1……あんなに凄い走りをしたタマちゃんよりも速いなんて………」
タマ「なぁコミちゃん、ウチすぐにでもトレーニングしたい気分なんやけど……次のトレーニングっていつからや?」
小宮山「……明日は休みとして、体調とかも考えたら次の日か3日後かも。」
タマ「分かった。ウチ絶対に明後日トレーニングするからメニュー組んどいて。」
こんな気持ち初めてや………感謝するで、オグリにアルダン。アンタ達のおかげでウチはもっと強くなれそうや。
小宮山「タマちゃん、そろそろインタビューの時間だから行くよ~。」
タマ「おう、すぐ行くわ。ちょお待っとって~。」
小宮山「それと、先行策の事はタマちゃんが説明してね?私知らないから。」
タマ「ちょっとくらいフォローしてくれてもええやんかぁ~。」
小宮山「じゃあ今日のお好み焼き、私の分まで焼いてもらうからねっ!」
タマ「おう、望むところやっ!10枚でも20枚でも100枚でも焼いたるわっ!!」