八幡side
アルダン「兄様、コレを………」
八幡「……遂に出してきたか。しかもジャパンCが始まる時期に合わせて出してきたって事は確実に狙っているのは見え見えだな。中身は?」
アルダン「いえ、まだ見ておりません。」
パーマー「何々?もしかしてトレーナーが載ってるの?」
八幡「……あぁ、とりあえず中を見て見るか。」
目次を開いてから、俺の記事が載っているページを開いた。
_____________________________________________
今年のダービーウマ娘を育て上げたトレーナーに突撃取材っ!!驚きの真実が明らかにっ!!
今年のクラシッククラスはまさに群雄割拠の世代と呼ぶに相応しいウマ娘達が揃った。ジュニアキングウマ娘のサクラチヨノオー、皐月賞のヤエノムテキ、菊花賞のスーパークリーク、今年中央に移籍したオグリキャップ、錚々たるメンバーだ。しかしその中でもオグリキャップと同水準の力を持っているウマ娘が、今年のダービーウマ娘のメジロアルダンだ。合計GⅠ3勝の実力者だ。そんなメジロアルダンを育て上げたトレーナーの比企谷八幡トレーナーにお話を伺う事が出来た。比企谷トレーナーは今年に入って2年目の新人トレーナーであるにも関わらず、担当を持つ事を許可されたトレーナーである。実力があるのは担当の成績を見れば明らかだろう。
しかしながらその実態は目を疑うものだった。担当しているメジロアルダンは幼少期の頃より身体面に問題があり、入退院を繰り返す事が多く、それはトレセン学園に入学しても続いていた。比企谷トレーナーが彼女を担当してからはレースに勝たせる為のトレーニングを課す事が多く、彼女の身体面を考慮していないトレーニングをさせている事が判明。何よりの証拠がレース間隔である。最初のジュニアクラスでは10月にデビューしてから12月にいきなり格上のホープフルSに挑戦。勝利こそ掴んだものの、デビューしたウマ娘には明らかにハードなローテーションにクラス選択だと言わざるを得ない。次に5月の3走、青葉賞から始まってNHKマイルCに日本ダービーの3連戦だ。このレース間隔も明らかにウマ娘にはキツいローテーションである事は明白だ。しかも3戦中2戦はGⅠ級でその1つは日本ダービー、メジロアルダンのプレッシャーは途轍もないものだっただろう。最後に10月の京都大賞典と天皇賞・秋だ。京都大賞典は天皇賞トライアルのレースの中でも1番間隔の少ないレースで、身体面が強化されたとしても本番まで時間が無い。加えてその期間のトレーニングはハードトレーニングそのもので、ウマ娘の体調面は全く考慮されていなかった。
表面上、比企谷トレーナーはメジロアルダンを育て上げた凄腕のトレーナーに見られているが、中身は勝利重視のハードを中心としたトレーニングを課すトレーナーであり、ウマ娘の身体面を全く考慮していない事が分かった。尚、メジロアルダンの次走は大阪杯の予定だが、今も尚ハードトレーニングをさせられていると思うと心が痛む現状である。
_____________________________________________
八幡「想像していた以上に捏造された事を書かれてるな。」
ドーベル「こんな事実どこにも無いじゃん。それにもしこれが事実ならアルダンさんは今頃、病院に入院してる。何の信憑性の無い記事じゃん。」
八幡「しかも運の悪い事にこれはウマ娘専用雑誌だし、今の時期はジャパンCが開催されるから嫌でも人の目につきやすい……学園前に取材陣が集まるのは確定かもな。」
アルダン「兄様、どうされるおつもりですか?」
八幡「やる事はもう決まってる。勿論こんな記事の一部は事実無根だし訴えさせてもらう。証拠も既に集めてるしな。」
アルダン「いつの間に……」
八幡「それに、コイツ等は致命的な事をやらかした。俺が取材した時に条件を出した。その条件は『この取材でお話した事しか記事にしない事。』だ。」
パーマー「それをこの記事を書いた人はやったって事?」
八幡「そういう事。その事も俺のボイスレコーダーに録音してあるし、取材をした小料理屋の監視カメラの映像も貰ってるから正確な取材時間の事とかを聞かれたらこっちが有利だ。まぁその他にも色々と証拠とか証言はあるから向こうがどんな風に言い訳するのか楽しみだ……」
ドーベル「……ね、ねぇアルダンさん。トレーナーが今までに無いくらい怖い顔してるんですけど。」ボソッ
アルダン「私も兄様のあのような表情は初めて見ました……あのような表情も出来るのですね。」ボソッ
パーマー「意外だよね~あの顔、中等部の子達が見たら絶対に怖がるって。」ボソッ
アルダン「んんっ、兄様。私達も前では構いませんが、そのお顔は他の人の前では控えた方がよろしいと思います。」
八幡「え、俺ってそんなにマズい顔してたのか?」
ドーベル「えぇ、中等部1年なら怖がって逃げ出したくなるくらいには。」
八幡「どんな犯罪者顔してたんだ、俺?」