八幡side
「つまり、それは我々に対して訴訟する……という事でしょうか?」
八幡「その解釈で間違いありません。どのような経緯でこうなったのかはお分かりですよね?」
「私が事実以外の記事を書いたからとでも?私はあの時の取材を受けて感じた事を記事にさせていただいたに過ぎないのですが?」
八幡「その記事に問題があるからこうして話しているんですが、そうしてそのような事になったのか自覚はありませんか?それともこれまで何度も同じような事をしてきたから、それが悪いという事に気付いていないという事でしょうか?」
「おやおや、まるで私が悪いと「そういう喋り方はしなくていいですよ、最初に会った時から本性は知ってますから。」………チッ、気付いてたのかよ。」
八幡「えぇ。それで、訴訟を起こしますけど、問題ありませんよね?」
「好きにしろよ、こっちには当時の取材した証拠だってある。逆にそっちは何も無い!あるのは精々肉声と持ってる雑誌だけ……あぁ、まだ居たか!今もせっせと働いてるトレーナーと元トレーナーがっ!」
八幡「………」
「まぁソイツ等も証人に連れて来てくれても構わないぜ?最も何の役にも立たないだろうけどなぁ~!」
八幡「そうですか……ではそうさせてもらいましょう。ではこちらは貴方を……いえ、この▲▲社を訴えさせていただきます。」
「好きにしろよ!」
八幡「言質は取らせていただきました、社長もそれで構いませんね?」
「こちらは何も悪い事をしていないのだから、裁判を受ける理由は無いが、まぁいいだろう。これまでも同じような事は何度もあったからな。」
八幡「分かりました。では訴えさせてもらう分こちらも容赦はしませんのでお手柔らかに。」
ーーー外ーーー
八幡「………はあああぁぁぁぁぁ疲れた。」
マジで疲れた。慣れない事はするものじゃないな、ホント。けどこうして訴訟を起こす事には成功したから良しとしよう。にしてもあの男、あんなに簡単に受け入れるとは……余程逃げ切れる自信でもあるのだろうか?相手の事も気になるが、裁判の準備も進めておかないとな。
八幡「学園にもこの事は報告しておかないとな。トレーナーで活動している以上、学園側も知らないでは済まされないしな。けど、理事長も駿川さんもこんな簡単に受け入れられたとは思わないだろうな。」
その後俺は学園に帰還した後に理事長と駿川さんに細かい説明を行ってからトレーナー室に戻った。因みに2人共、俺の予想通り驚きを隠せてない様子だった。
ーーートレーナー室ーーー
八幡「はぁ~……やっと一息入れられる。」
今は平日の午前中だから学生達は授業中で、トレーナー室に来る生徒は誰1人として居ないだろう。だからこの時間トレーナーは出勤はせずに寮や自宅で過ごす事が多い。まぁ教員もしている人は別だが、そんな人は東条さんくらいだ。
まぁそんな事はどうでもいいんだが、メニューを作り終えた俺にはもうやる事が無い。だからどうしようかと思っているくらいには暇である。え、筋トレ?いや、今のウチには筋肉大好きの子が居るから体力残しておかないと自分がする時に残らないんだよ。あっ、因みにチームを作ってからの環境は次第に良くなっていった。それもこれも俺の事を理解してくれている学生やトレーナー達のおかげだ。特にパーマーの友人のダイタクヘリオスやルドルフ、シービー達がよく俺の元に来ては談笑とかするから印象が更に悪くならないようにしてくれているんだろう。
コンコンコンッ
八幡「?どうぞ。」
ライス「し、失礼しまぁ~す……」
八幡「ライス?どうしたこんな所に?授業は?」
ライス「え、えっとね。今美術の授業で景色を描いてくるようにって言われて学園の色んな所を見に行ってたんだけど、皆もコース場とか学園とかを描いてたから、ライスは別の場所を描こうと思って……」
八幡「………それで此処に来たと?景色が良いとはお世辞にも言えない場所だと思うが?」
ライス「だ、大丈夫!ライスが描きたいって思ったのがこのトレーナー室だからっ!」
……まぁ別に描かれて困る物は置いてないし、本人が此処が良いと言うのならそれでいいか。
八幡「分かった。まぁ好きに書いてくれ。」
ライス「うん、ありがとうお兄様っ!」
確かライスは絵を描くのが上手かったから、きっと上手く描いてくれる筈だ。しかしイーゼルまで用意していたとは……本格的だな。
ーーー数十分後ーーー
ライス「こんな感じかな……出来たっ!」
どうやら出来上がったらしい。時間内に描き上げたみたいで何よりだ。
ライス「お兄様、どうもありがとうっ!」
八幡「いや、俺は場所を貸しただけだから気にするな。どんな風に仕上がったか見てもいいか?」
ライス「うん、良いよ。」
………あの、ライスさん?すっごく上手、俺には真似出来ない画力センスなのは確かなんだが……何で俺まで描いてるの?しかも心なしか部屋よりも力が入っている気がするのは俺の気のせいか?
ライス「ど、どうかな?」
八幡「(ここで変な事を言ったらライスを困らせるのは確定だ。うん、俺は普通の事を言おう。それ以外は何も言わない。)よく描けてると思うぞ、誰が見てもトレーナー室って分かるから良いんじゃないか。」
ライス「えへへ、ありがとう……あっ、もうこんな時間!じゃあライスは教室に戻るから~!」
八幡「あぁ。」
その後、どうしてかは分からないが俺のトレーナー室に来ては絵を描きに来る生徒が急増した。ライス曰く『トレーナー室を描いたのがライスだけだったんだけど、先生が凄く褒めてくれたんだ。今までこの授業でトレーナー室を描いた生徒は居ないんだって。』との事。部屋を描く分には構わないんだが、すげぇ落ち着かなくなった。