八幡side
秋川「確認。いよいよだな、比企谷トレーナー。」
八幡「はい、明日が裁判当日。準備も出来ています。」
秋川「よろしいっ!比企谷トレーナーは明日に備えて休むようにっ!」
八幡「はい、その為に色々と裏で動いてくれていたみたいですしね。」
秋川「っ!驚愕、気付いていたとは……」
八幡「ウチのチーム連中が必死こいて今週の土曜日を休みにしてくれって言うからおかしいと思っていたんですよ。まぁアルダンとやり取りをしていたんでしょうけど。」
秋川「そこまで気付いていたとは驚き……」
八幡「まぁ、せっかく休みにしてもらいましたからね。お言葉に甘えて休ませてもらいます。」
秋川「うむ、ではまた明日会おうっ!」
ーーートレーナー寮ーーー
八幡「………」
準備は済ませた、何度も確認したから不備も無い。これまで犠牲になってきたトレーナーの事も考えると、負けられない裁判になる。相手には何もさせず、徹底的に追い詰める。明日の裁判で全てを終わらせてやる。
八幡「けど、いつもと違う過ごし方だと少し変な感じがするな。外もまだ明るいし、疲れない程度に何かするか。」
とは言っても何をしようか……ランニングとか筋トレは論外、料理をしようにも今はそんな飯を食うような時間じゃない。かといってメニューを作るような頭を使うのも今はしたくない。うん、八方塞がりだ。
八幡「普段しない事って、何だっけ?」
「おっ珍しいな比企谷、お前がこの時間に居るなんて。」
八幡「ウチのチームが今日を休みにして欲しいって言ってきたので。」
「そうか。まぁちょうど良い休みだと思ってゆっくりしろよ。」
八幡「そうしたいところですが、これまでずっと同じ生活サイクルだったからかやる事が無くて。」
「おいおい、せっかく休みを貰ったのに仕事の事か?」
八幡「いえ、他の何かをしようと思っていただけです。でもその何かが思いつかないので困ってるんです。」
「成る程な……仕事人間だった奴にはキツい悩みかもな。」
八幡「そんなにトレーナーって仕事にのめり込んでいたわけじゃないんですけどね。」
「まぁでも、何か趣味を見つけるとかでもいいんじゃねぇか?例えば絵を描くとかゲームをするとか。案外、意外な事が趣味になったりもするぜ。もしくは彼女を作るとか、な。」
八幡「彼女とか冗談やめてくださいよ、トレセン学園のトレーナーってだけでも異性には敬遠される職業なんですよ?」
「違いないな。この学園で合コンに行ったって人は聞いた事無いし。」
彼女ねぇ……俺にそんな存在は出来るのだろうか?
八幡「思ったんですけど、この学園の男のトレーナーって彼女とか出来るんですか?」
「俺は聞いた事ねぇな。けど過去には駆け落ちなんかもあったらしいぜ。」
八幡「マジですか……そんなトレーナーが居たんですね。思い切った事をしましたね、その2人のトレーナーも。」
「ん?あぁ~悪い、言い方が悪かった。駆け落ちしたのはトレーナーとウマ娘だ。」
八幡「………マジですか。」
まさかトレーナーとウマ娘が……そうならないように気を付けよう。ってか普通に考えても俺に彼女が出来るとも考えにくいし、もし出来たとしても相手が今のところメジロしか思いつかないから超玉の輿なんだよなぁ。
八幡「先輩はそうなりませんよね?」
「お前、俺をいくつだと思ってんだ?もう40過ぎたおっさんだぞ?そんな奴を欲しがる10代後半の女子学生が居るのなら見てみたいもんだぜ。」
八幡「お金をちらつかせれば、トレセン学園以外の生徒なら釣れるかもしれませんよ?」
「そんなのこっちからごめんだな。」
八幡「俺もですよ。」
「まっ、お前も身を固めるなら早くした方が良いぜ。行き遅れの俺みたいになったらもうどうしようもねぇからな。次々に来る若い学生の元気を貰いながらやってくしか無いからよ。」
八幡「説得力のある言葉をそんな風にかけないでくださいよ……事実だから余計に虚しく聞こえますよ。」
「ははは……結婚したいと思っていた時期が懐かしいぜ。」
………もうどう声をかけていいか分かんないですよ。でも結婚かぁ……俺には縁の無さそうな単語だな。
ーーー数時間後ーーー
「なぁ、本当にいいのか?こんなご馳走貰っちまってもよ。」
八幡「いいんですよ。短い時間でも話に付き合ってもらったお礼です。」
「お前とはあまり話した事無かったからな~。お前がよく話すトレーナーの殆どは同期か沖野くらいだろ?」
八幡「まぁ、そうですね。沖野さんの場合はメニュー云々よりもウマ娘関係ですけどね。」
「あぁ~よく見る。メジロマックイーンとスペシャルウィークだろ?よくお前の所に行ってるからな。」
八幡「俺としては勘弁してほしいんですけどね。」
沖野「おっ、もしかして比企谷の飯か?うんまそぉ~!【ペシッ!】いてっ!?何だよ比企谷~。」
八幡「その料理は俺と先輩のですから勝手に取らないでください。」
沖野「一口くらいいいじゃねぇかよ~!」
八幡「スぺとマックイーンを抑えてくれるのなら考えます。」
沖野「ハードル高ぇなぁおい………」