八幡side
八幡「海外のレース?」
ドーベル「うん、今日その授業があってさ……アンタはどう考えているのかなって。」
八幡「ん~……興味はあるが、今はそこまで挑戦してみたいって気持ちは無いな。」
ブライト「それはどうしてですの~?」
八幡「俺はまだトレーナーとしての経験が浅い。実績は一応あるが、言ってしまえばアルダンだけだ。出来れば複数のウマ娘でしっかりとした実績とそれなりの経験を積んでからじゃないと挑戦する気にはならないな。」
ドーベル「ふぅん……じゃあ今は行く気は無いんだ。」
八幡「あぁ、今はまだな。けどウマ娘の能力とかを考えたら挑戦するかもしれないな。その可能性はお前達にも充分にあるけどな。」
海外か……学園に来てからはずっとアルダンに付きっ切りだったから、全く考えてなかったな。そもそもアルダンに海外レースを挑戦させる気なんて微塵も無かったし。
八幡「もしかして走ってみたいとか?」
ドーベル「……ちょっと興味があるだけ。」
八幡「海外と言っても様々だ、何に興味があるんだ?」
ブライト「今日はクラシックレース授業でしたの~。だから海外のクラシックレースの事も授業でやりましたのよ~。」
八幡「確かドーベルはティアラ路線を目指していたから……欧州オークス3冠、フランスティアラ3冠、欧州クラシックティアラマイルが合っているかもな。」
ドーベル「イギリスとアイルランドもあるけど、それはダメなの?」
八幡「ダメって事は無いが、今の2ヵ国は最後の3冠目に長距離レ-スが待ってる。アイルランドは2,800mでイギリスは3,000mの長丁場だから、ドーベルの適性を考慮すると流石に距離が長過ぎる。だから挑戦するにしても、最高でも2,400m内で収まっているさっきの3つが許容範囲内だな。」
ドーベル「そうなんだ……」
八幡「まっ、挑戦する前に本人の実績が無いと話にならないけどな。」
コンコンコンッ
八幡「ん、どうぞ。」
アルダン「失礼いたします……兄様、少しお時間よろしいでしょうか?お婆様から兄様にお話があるとの事なのですが。」
八幡「………」チラッ
ドーベル「あたしの事なら大丈夫。」
八幡「あぁ、済まないな……大丈夫だ。」
アルダン「ありがとうございます、只今お繋ぎしますね。」
ブライト「お婆様がトレーナー様にどのようなご用件なのでしょうか~?」
ドーベル「きっと年末の集まりだと思うわよ。ラモーヌさんのトレーナーも呼ばれてたでしょ。」
アルダン「兄様、どうぞ。」
八幡「あぁ……お電話変わりました、比企谷です。」
アサマ『突然のお電話で申しわけございません。比企谷トレーナーも孫娘から聞いているとは思いますが、年末にメジロ家で集まりがございます。堅苦しいパーティーではありませんので、よろしければご参加していただきたいと思っております。』
八幡「お誘いありがとうございます。アルダンにも予定が無ければ参加すると言ってあります。現時点では参加の方向ですが、まだ確約は出来ないとしかお答え出来ません。すみません。」
アサマ『いいえ、構いません。ですが貴方には是非参加していただきたいと思っております。』
八幡「?それはまたどうしてでしょうか?」
アサマ『貴方はこのメジロ家に日本ダービーの栄光を始めてもたらしてくださったトレーナー、そんなお方をお誘いしないわけにはいきません。』
八幡「それなら祝勝会という形でたくさんいただいたと思いますが……年末の件については前向きに検討していると思ってください。」
アサマ『分かりました、もし他のご予定が出来ましたらアルダンにお伝えください。それでは失礼いたします。』
八幡「はい、失礼いたします……ありがとな。」
アルダン「いいえ。しかし兄様、どうして確約していただけないのですか?」
八幡「俺にも付き合いがあるからな、おいそれとは確約は出来ねぇよ。まぁ1週間前になって何も無ければ決定だ。」
ブライト「トレーナさまのお付き合いというのは~?」
八幡「例えばだが実家帰省とか飲み会とか合コンとか?」
ドーベル「最後のは無いでしょ……」
八幡「あくまでものの例えだ。」
アルダン「兄様、行ってはいけませんからね?」
八幡「ん?付き合いだから「合コンなるものには絶対に参加してはなりません、絶対にです。」……実家帰省と飲み会は?」
アルダン「実家帰省はご家族との数少ない交流の時間、飲み会は同僚の方とのお付き合いもあるでしょうから止めません。ですが、合コンもしくはそれに似たような催しの参加は絶対に認めません。」
八幡「………はい。」
何だろう、今のアルダンの圧が怖い………
八幡「なぁドーベル、ブライト。メジロ家ではそういうのって禁止されてるのか?」ボソッ
ドーベル「あたしは聞いた事無いけど、多分アルダンさんの独断だと思う。」ボソッ
八幡「え、何で?」ボソッ
ドーベル「知らない、自分の胸に手を当てて聞いてみれば?」ボソッ
ブライト「トレーナー様は鈍感さんですわね~。」ボソッ
八幡「えぇ~………」
アルダン「兄様、約束してくださいね?」
八幡「はい、約束します。」