比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

1322 / 1583
年末の集まり

 

 

八幡side

 

 

落ち着かねぇ………落ち着けるわけが無い。

 

俺は今、メジロ家の一室に居る。今は年末でメジロの令嬢は全員屋敷に帰省していて、俺も特に予定が無かったから招待を受けて今に至るというわけだ。こんな豪華な客室に案内されたのだが、広いし豪華だし煌びやかだしで落ち着かない。4度目だが言わせてくれ、落ち着かない。

 

 

コンコンコンッ

 

 

八幡「どうぞ。」

 

アルダン「失礼いたします、兄様。」

 

八幡「アルか、どうかしたのか?」

 

アルダン「後1時間もすれば宴会が開かれますので、そのお知らせに来た次第です。それからご様子もついでに……その様子ですと、あまりお寛ぎにはなっていないみたいですね。」

 

八幡「当たり前だ、これで一部屋なんだろ?持て余す……俺には物置くらいで充分だ。」

 

アルダン「主役の方にそのような事は出来ません。お婆様が言うには客室の中で最もグレードの高いお部屋だと聞いております。姉様のトレーナーさんも同じお部屋にご案内されている筈です。」

 

八幡「マジかぁ……まぁあの人なら何回も来てるだろうから大丈夫だとは思うが、俺は何度来ても慣れる事は無さそうだ。」

 

 

メジロアサマさん、庶民向けの一般的なお部屋はありませんか?

 

 

ーーー1時間後・食堂ーーー

 

 

すっげ……見た事ある場所なのに別の空間のように思えるのは絶対に俺だけじゃない。猫背で立ってる俺には超絶場違いである事には変わりない。

 

 

「比企谷、さっきぶりだな。」

 

八幡「どうも先輩、早速なんですけど部屋に戻っていいですか?」

 

「ダメに決まってるだろ。知らされてるとは思うが、今日の主役はお前とメジロアルダンなんだから。そんな奴が居なくなってどうすんだよ。」

 

ラモーヌ「トレーナーの言う通りよ比企谷さん、貴方が居なくなってしまったらレースのお話が出来ないじゃない。」

 

「お前はそっちなんだな……俺もよくレースの話をしていると思うんだが?」

 

ラモーヌ「貴方の話も良いけれど、抽象的な表現も使われてるからダメ。その点比企谷さんは見てきたかのように話してくれるから好きよ。話す時の目も、ね。」

 

八幡「先輩が話してくれるのならそっちで済ませてくんない?お前がトレーナー室に居ると決まってアルダンが渋い顔すんだよ。」

 

ラモーヌ「あら、可愛い嫉妬ね。」

 

八幡「そういうわけだから、もう来ないで?」

 

ラモーヌ「そう言われて私が言う事を聞くと思って?」

 

 

全く思いません。

 

それから程無くしてメジロアサマさんのお話と今年の出来事を話してから、一同で乾杯した。

 

 

アルダン「兄様。」

 

八幡「よう。」

 

ヒリュウ「こんばんはトレーナーさん、来た時はご挨拶が出来なくてごめんなさいね。」

 

八幡「いえ、お忙しい身でしょうから。今年もお疲れ様です。」

 

ヒリュウ「えぇ、トレーナーさんも。アルダンから聞きましたが、次は大阪杯を予定していると……ぶっつけでの参戦なのですか?」

 

八幡「その予定です。今も本番に向けて調整しています。」

 

アルダン「天皇賞では届きませんでしたが、次は1着を獲ってみせます。」

 

ヒリュウ「期待してるわ。予定が無ければ私も現地に行こうと思ってるから。」

 

アルダン「はい。」

 

ヒリュウ「ところでトレーナーさん。他の皆さんとも話したのですが、トレーナーさんがパティシエに教えになったお菓子がとても好評なのですよ。」

 

八幡「……それは何よりです。」

 

ヒリュウ「アルダンからは昼食の際に色々なお食事を作ってくださるとも聞いているのですが、トレーナーさんは本当にこのトレーナーというご職業が初めてなのでしょうか?」

 

八幡「間違いなくこの職が初めてです。自分が大学生の頃にトレーナーについて色々と教えてくださった恩師がトレーナーの知識だけでなく、色々な事を教えてくれましたので。」

 

ヒリュウ「そうですか……ではその方のおかげであのようなお菓子が作れるのですね。お母様もよく食べているみたいですし。」

 

アルダン「お母様もよく食べているのですか?」

 

ヒリュウ「本家に戻る時があった時には必ず頂いてるわ。けど時々思うのよね、本人が作ったお菓子はどんな味がするのかって。以前に食べたのは5月が最後ですので、少し気になっているのよ。」

 

アルダン「……という事みたいなのですが、いかがでしょうか兄様?」

 

八幡「……まぁこの屋敷に居る間は時間もあると思いますから、構いませんよ。」

 

ヒリュウ「ご無理を言ってしまってすみません。作るお菓子に関してはトレーナーさんにお任せしますので、よろしくお願いします。」

 

 

んじゃ、この宴会が終わったら何を作るか考えておくか。ヒリュウさん、マックイーンには言わないでくださいね?絶対に俺の部屋に来て作れとか言うと思うので。

 

 

ベル父「ベルちゃん、トレーナーさんの元では上手くやっているかい?何かあったらすぐに言うんだよ?ベルちゃんは男の人が苦手だからね、トレーナーさんは大丈夫だと思うけど、不安な事があったらいつでも相談に乗るからね。」

 

ドーベル「分かったからベルちゃんって呼ばないでっ!」

 

 

………あちらの親子は相変わらずみたいだな。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。