比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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師走

 

 

八幡side

 

 

懇親会も終了して、俺は用意してもらった部屋に戻ってゆっくりさせてもらっている。けど明日は少し忙しくなりそうな予感もしなくも無い。何せヒリュウさんからお菓子の要求をされたからだ。メジロお抱えのパティシエにレシピを教えたからスイーツには困ってないとはいえ、あくまでも別の人が作ったスイーツ……本人が作ったら変わるのかという事で、作って欲しいと依頼があったからだ。それによっては他の人達からも要求されるかもしれないという事だ。特にメジロアサマさんとかマックイーン辺りが行ってきそうな感じはある。

 

 

八幡「去年ってどんな感じで過ごしてったってなぁ~……学園の寮で過ごしていたのは間違い無いんだが、細かいところまで覚えてないんだよなぁ。」

 

 

ガチャッ

 

 

八幡「ん?」

 

ドーベル「あっ、意外……寝転んでなかった。」

 

八幡「ノックもせずに入ってきたと思ったら随分なご挨拶だな。何か用か?」

 

ドーベル「大浴場が空いたから入っていいわよって伝言。」

 

八幡「念の為に確認しておくぞ。女性は全員入ったんだよな?だって俺嫌だぞ、大浴場に行っていざ湯舟に浸かろうとしたら女性の誰かが居たなんて。」

 

ドーベル「大丈夫。メイドや給仕の人達は1日の業務が終わってから入る事になってるから、今は招待された男の人達が入る時間だから女の人は入ってないから安心して。」

 

八幡「……分かった、じゃあ良い時間になったら行くわ。」

 

 

ーーー大浴場ーーー

 

 

八幡「ひっろ……普通の風呂屋よりも広いじゃん。逆に落ち着かない……」

 

「比企谷~お前も来たんだな~。」

 

八幡「寛いでますね……快適ですか?」

 

「寮の風呂場も良いけど、こうやって誰のも気にする事無く寛げるってのは最高だぞ~。」

 

八幡「俺が居るのは気にならないって解釈しときますね。まぁリラックス出来てるみたいでなによりですよ。」

 

「っていうか比企谷って風呂入った時に毎回思うけど、マジで鍛えてるんだな。黒沼さんといい勝負だろ。」

 

八幡「俺はウマ娘の為にやってるだけなので。自分の為にはやってませんよ。」

 

「それでそんな身体に出来んのはマジですげぇとしか言えないんだが……」

 

 

それからも俺と先輩は談笑をしながら手も足も伸ばせる最高の大浴場を楽しんだ。

 

 

爺や「失礼いたします。比企谷様、ご入浴のところ申しわけございません。比企谷様にお電話でございます。」

 

八幡「電話?相手はどちらですか?」

 

爺や「それがお名前は聞けず……ただ、『八幡の師と言えば分かる。』とだけ……」

 

八幡「あぁ~……分かりました、ありがとうございます。すいません先輩、少し抜けますね。」

 

「あぁ……」

 

 

俺は脱衣所に向かって電話に出た。

 

 

八幡「もしもしお待たせしました、比企谷です。」

 

タリアト『あぁ、声が聞けて嬉しく思うぞ八幡……さて、年末の挨拶というよりもお前に聞きたい事がある。とある雑誌についてだ。』

 

八幡「……伺います。」

 

タリアト『あのような事があったと何故私に相談しなかった?』

 

八幡「先生の事が頭に過った事はあります。しかし今回の件に関して先生は無関係です、そんな人を巻き込むわけにはいかないと思ったからです。」

 

タリアト『ほう?お前に色々と叩き込んだのは私だぞ?中でもトレーニングに関しては1~2を争うといっても過言では無い。それをあのように非難されておいて黙っていられると思うか?』

 

八幡「先生の憤りは理解しているつもりです。ですが俺はそれよりも、過去に被害に遭ったトレーナー達や元トレーナー達を何とかしてやりたいと思ったんです。」

 

タリアト『………』

 

八幡「なので先生の怒りはそのトレーナー達を救った分として、収めてはもらえませんか?」

 

タリアト『………全くお前は、他人にはそこまで気が回せるのにどうして自分には気が回せんのだ?』

 

八幡「え?」

 

タリアト『私は別にお前を叱る為に電話をしたわけじゃない。お前は大丈夫なのか?』

 

八幡「………正直に言います、あの記事を見て最初に感じたのは呆れでも悔しさでも悲しさでもありません。ただ単純に怒りでした。担当に行き過ぎたトレーニングをしているという箇所にではなく、先生のトレーニング方法そのものを否定されたように感じましたので。」

 

タリアト『やはりな。一応助言として言っておこう、お前は1人ではない。もし心の中で抑えきれそうにない時は……いつでもいい、私に連絡しろ。愚痴の1つや2つ聞く事くらいは出来る。お前からは順調だとばかり聞かされていたからな、師からすれば安心でもあるが、逆に不安にも感じるものだ。』

 

八幡「……分かりました。もし相談したい事があったら、お電話します。」

 

タリアト『飲みの誘いでも構わないからな。八幡とは久しく飲んでいないからな、偶にはお前の口から直接聞きたいからな。』

 

八幡「そうですね、では近々自分の時間が空きそうになったら、お誘いしますね。」

 

タリアト『ではその時間が来るのを、楽しみに待つとしよう。では八幡、共に過ごせないのは残念だが、良い年を。』

 

八幡「はい、良いお年を。」

 

 

………離れていても、恩師には隠し事は出来ないって事か。

 

 

 

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