アルダンside
アルダン「兄様、おはようございます。」
八幡「あぁ、おはよう……早いんだな。」
アルダン「いつもこの時間には既に起床していますので、早起きの感覚はありませんね。兄様は何を?」
八幡「俺は単に目が覚めたってだけだ。」
アルダン「そうですか。本日の朝はおせちみたいですよ、それからお雑煮も。」
八幡「年越しならではって感じだな。楽しみだ。」
アルダン「そうですね。短い休日の中、本日もどのように過ごしましょうか……」
八幡「貴重な連休を存分に楽しめよ。俺は今日の昼に寮に戻る予定だから、先に戻ってる。」
アルダン「っ!先に戻られてしまうのですか?」
八幡「俺も一応トレーナーだからな。それにお前に関する依頼とかも来ているかもしれないから、何日も留守にするのはリスキーだからな、まぁ年始に書類が山のように積み重なっているっていうのはあまり考えられないけどな。」
アルダン「………そうですか。」シュン…
一緒に学園に行けると思っていたのですが、兄様はご多忙なお方……何日もお引止めになるわけにはいきませんね。
アルダン「では兄様、私も兄様と一緒に学園に戻りますね。」
八幡「おいおい、別についてくる事は無いんだぞ?トレーニングを開始する日は決めてるんだから、その日まで此処でゆっくりしてても良いんだぞ?」
アルダン「いいえ、お婆様が言っていたように、今年からは私もシニアクラスの仲間入りとなります。今年最初のレース、大阪杯ではオグリさんとぶつかりますから。」
八幡「……そうだな。」
そして私は兄様と色々な話をしながらゆったりとした時間を過ごしました。朝食の時間になるとお婆様から新年のご挨拶と共に皆様と朝食を食べました。
パティシエ「失礼いたします。こちら食後のデザートとなります。」
ヒリュウ「まぁ、これは珍しい……まさかどら焼きだなんて。これはお母様がお決めになられたのですか?」
アサマ「いいえ、今年の食後のデザートについては今知ったばかりです。私も少々驚いているところです。」
父「ほう……しかし、ただのどら焼きだというのに随分と作ったみたいだね?」
パティシエ「是非とも食していただきたいと思いましたので。」
マックイーン「それだけ自信があるという事でしょう、いただきますわ。」
マックイーンがナフキンを使って目の前のどら焼きを一口。私も食べようとしたのですが………
マックイーン「っ!!?」
ライアン「?マック、どうかしたの?」
マックイーン「………すわ。」
パーマー「え、何?」
マックイーン「チーズですわっ!このどら焼きの中身、あんこではなくチーズが入っていますわっ!!」
パーマー「え、チーズッ!?」
マックイーン「えっと……チーズのクリームと表現すれば正しいでしょうか……」
ドーベル「チーズクリーム?でもそれって美味しいの?」
マックイーン「とても美味しいですわっ!!」
ドーベル「そ、そう……じゃああたしも、あむっ………っ!?な、何コレ!?いちごっ!?」
ベル父「いちご?」
アルダン「まぁ。」
アサマ「……パティシエ、これは一体どういう事ですか?」
パティシエ「実は昨晩、比企谷トレーナー様に翌日のデザートについてご相談をさせていただきました。色々とアドバイスを頂いた末にどら焼きに辿り着いたのですが、中身を数種類に分ける事でお楽しみいただけるのではと思い、この品を出させていただきました。」
アサマ「成る程……マックイーンとドーベルはチーズといちごと言っていましたが、他にも?」
パティシエ「はい、残り6種類作っております。」
つまり8種類の味が楽しめる、という事でしょうか……
マックイーン「素晴らしいですわっ!このような楽しませ方があるのですね、感服しましたわっ!」
パティシエ「恐れ入ります、マックイーンお嬢様。比企谷トレーナー様もありがとうございます。」
八幡「いえ、自分はただアドバイスをしただけですので。」
アサマ「では種明かしも済んだところで、いただきましょうか。今年の年初めのデザートはとても楽しくいただけそうですね。」
いつもなら皆様同じ物を食べるので会話はあまり無いのですが、今年は兄様とパティシエが趣向を凝らしていただいたおかげで、皆様の会話がとても弾んでおられました。因みにどら焼きの中身の味は、レアチーズ、いちごをはじめ、チョコ、抹茶、小豆クリーム、かぼちゃ、さつまいも、りんごの8種類でした。
ーーー数時間後ーーー
八幡「短い間ですが、お世話になりました。」
アサマ「もう少しゆっくりしていけばと申し上げたいところではありますが、トレーナーというご職業のご多忙さは理解しているつもりです。お身体には気を付けてお勤めください。」
八幡「ありがとうございます。」
アサマ「アルダンもお身体には気を付けるのですよ。」
アルダン「はい、分かりました。お婆様もお身体はご自愛くださいね。」
八幡「では、自分達は行きますね。」
アサマ「道中、お気を付けて。よろしくお願いしますね。」
爺や「かしこまりました。」