比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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拠点移し

 

 

八幡side

 

 

大阪杯まで残り数週間のところまで来て、アルは怪我も無く順調にトレーニングを続けられている。アルはハードトレーニングを難なくこなして、現在は調整に入っている。走るメンバーの中には同期のヤエノにタマモクロスの同期のゴールドシチーも出走を決めている。まだメンバーは確定じゃないが、この2人は確実に一緒に走るだろう。他にも去年のエリザベス女王杯を勝った同じくアルの同期のミヤマポピー、重賞常連のランドヒリュウ、この辺りは確定だな。それにオグリが出走を回避した事で他のシニアクラスのウマ娘達の登録が増えている。大阪杯の出走可能人数は16人、今登録しているのは25人。最初は数人程度だったのに、今ではその倍だ。だが逆にそれはアルになら勝てると思われているという事でもある。

 

 

八幡「次の大阪杯、アルの言う通り負けられないレースになるな。」

 

沖野「んな事言いながら荷造りするなよ、お前まだこの寮に来て3年だぞ?なのにもう出て行くのかよ……」

 

八幡「アルダンのおかげで懐が潤いましたので。それにお金はそのままにしておくのは勿体ないですから。沖野さんも引っ越したらどうですか?」

 

沖野「俺が引っ越したらすぐに退去されるだろうよ。」

 

八幡「堂々と言わないでくれません?いくら金欠だからって家賃を支払うくらいの能力はあるでしょうに……」

 

 

俺は今、引っ越しの準備を進めている。俺はトレセン学園内のトレーナー寮を退去して、4月から契約した物件に移る予定だ。学園側も融通を利かせてギリギリまで寮を使わせてもらえる事になっている。これは2月中旬から決めていて、理事長や駿川さん、寮に住んでる人達にも既に伝えたのだが、寮に住んでる同僚達からは結構止められた。

 

 

『比企谷が居なくなったら、晩飯の楽しみが無くなっちまうだろうっ!!』

 

『トレーニングの事が聞けなくなっちゃうじゃない!!』

 

『お前が居なかったら酒を飲んだ後に飲む味噌汁、誰が作ってくれるんだよ!?』

 

『居なくなるのが早いですよ~!もっと居てくださいよ~!』

 

 

っと、大体が飯関係なのだ。引き留めてくれる理由があまりにも斜め下過ぎたから、思い留まる事も無かった。

 

 

沖野「なぁ比企谷、片付けが終わったら言ってくれよ。引っ越し祝いに「飯が目当てでしょうから言わないでおきますね。」信用がねぇなぁ~。」

 

八幡「だってそうでしょう?俺が此処を退去すると言った時の反応、沖野さんもその場に居たから知ってるでしょう?殆どが飯でしたよ。まぁ沖野さんもでしたけど。」

 

沖野「だってしょうがねぇだろ、お前の作る飯が美味いんだから。お前には言ってなかったが、何人かはお前が寮に帰ってくるまで待ってたりもしていたんだからな。」

 

八幡「知ってますよそのくらい。だって見計らったかのように飯の準備とか始めるんですから。」

 

 

気付いたのは2年前の秋くらいだけどな。

 

 

八幡「まっ、この寮に住んでる皆さんの楽しみは減るでしょうけど、すぐに慣れますって。」

 

沖野「その内絶対に連絡が行くと思うけどな。あぁそれと、お前その事を自分の担当には言ったのか?」

 

八幡「担当に?いいえ、言ってませんけど……どうしてですか?特に言う必要は無いと思うんですけど……」

 

沖野「いいや、言っておいて方が良いぜ。俺もそれなりにトレーナーやってるし、寮から賃貸に移った連中も何人か居たけど、決まって担当とは少しもめてるぜ。」

 

八幡「でもそれって何でもめるんですか?」

 

沖野「そこまでは俺も聞いてねぇ。それに他の担当の事を細かく聞く事でも無いからな。」

 

八幡「……分かりました、とりあえず担当達には伝えておく事にします。」

 

 

……よし、今日はこのくらいで終わりにするか。さて、俺もそろそろ飯にするか。でも食堂で食べたら確実におかず交換されるからな。温めてから部屋で食べるか……この人追い出してから。

 

 

ーーー食後ーーー

 

 

アルダン『それで、どうかされたのですか兄様?急に全員を集めて話があるとか……』

 

八幡「あぁ。まぁ個人的な事なんだが、一応報告しておこうと思ってな……今俺はトレセン学園内の寮に住んでいる事は全員知ってると思う。けど4月からは拠点を別に移す事になってる。一応皆にも伝えておく。」

 

ドーベル『へぇ……何処にしたの?』

 

八幡「え?いや流石にそれは個人情報もあるから教えないって。」

 

パーマー『それじゃあ今度、トレーナーの後を追いかけてこっか!そしたらいつでもお邪魔出来るしね~!』

 

ライアン『ダ、ダメだってそんなの!トレーナーさんにご迷惑だよ!』

 

八幡「俺を追いかける暇があるのならトレーニング頑張ろうな。」

 

アルダン『兄様、本当に今この場では教えていただけないのですか?』

 

八幡「俺が今居る場所は自分の部屋で1人だけだから問題は無いが、そっちは部屋の中とはいえ相部屋のウマ娘が居てもおかしくはない。だからこの場では話さないぞ。あっ、俺達だけになっても話す気は無いけど。」

 

アルダン『……兄様の後を追いかけます。』

 

八幡「お前は大阪杯に向けて調整に集中しなさい。人の家を特定しようとしてる場合じゃないの。」

 

 

アルの奴、なんか少しずつ強引さが出てきている気がする……どうしよう、少し前まではこんなじゃなかったのに。

 

 

 

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