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実況『蕾が芽を出し大輪を咲かせて、この阪神レース場に鮮やかさが増しました。2月には砂塵舞うダート戦によってスタートを切られ、3月には稲妻迸る電撃6ハロン戦、4月最初は春の中距離最強決定戦の大阪杯がもうすぐ発走されようとしています。本命不在となった阪神レース場ですが、選ばれた13人からは既に闘志が漲っています!大阪杯に出走する13人の本バ場入場です!』
大阪杯当日となった4月最初の日曜日。既にメジロアルダンはパドック入りを済ませて八幡との最後の打ち合わせも済ませ、もうすぐコース場に姿を現すところだ。八幡は観覧席に戻ってアルダンの様子を見守るのみとなった。
ヒリュウ「トレーナーさん、お部屋の住み心地はいかがですか?」
八幡「ははは……まだ引っ越しして2日ですから何とも。それにまだ荷解きも済んでませんし。」
パーマー「じゃああたしが手伝いに行くよ~!」
八幡「呼びません。」
ヒリュウ「ふふふ。」
実況『さぁ、本日の1番人気が姿を現しました!昨年のダービーウマ娘にして最優秀ジュニアキングウマ娘がこの春の中距離最強に名乗りを上げました。ここを勝って今後の勢いに乗りたいところ。メジロの威光を再び見せる事が出来るかっ!7枠11番、メジロアルダン!』
八幡「……良い走りだ。力みも乱れも無い、それでいて力強さと柔らかさもある。」
ドーベル「映像でも分かるくらい綺麗な走りだよね。」
八幡「ん?俺は直接見て言ったぞ。映像で見る走りってのは1角度にしか過ぎない。勿論映像も見てるが、自分の目で見た方が確実だからな。」
ライアン「此処から正確に見えるんですか?」
八幡「見えるからさっきの評価なんだが……」
実況『以上、13人のメンバーでこの大阪杯の激戦が繰り広げられます。』
アルダン「………」
ヤエノ「アルダンさん……」
アルダン「ヤエノさん……やっと同じ舞台で会えましたね。」
ヤエノ「はい、やっと貴女と戦う事が出来ます……日本ダービー以降は1度も戦う機会がありませんでしたが、今日やっと……走る事が出来ます。」
アルダン「そうですね……あの後はヤエノさんは菊花賞、私は天皇賞・秋へと駒を進めました。」
ヤエノ「えぇ………なので、共に走れる日を心待ちにしていました。今日は絶対に負けません!」
アルダン「私も同じ気持ちです。それに昨年の天皇賞での敗北……あの時の事は忘れもしません。」
ヤエノ「………」
アルダン「負けるとはあのような気持ちになるのだと思い知りました……もうあんな気持ちにはなりたくありません。今日は、勝たせていただきます!」
♪~♪~♪~
実況『シニアクラス王道路線最初のGⅠレース、大阪杯。阪神レース場、芝2,000mのレースが間も無く発走です。1番人気はメジロアルダン、2番人気はヤエノムテキ、3番人気はランドヒリュウ。他にも実力者の揃ったレベルの高いレースとなります。続々とゲートへと入っていきます。さぁ最後に13番、ランドヒリュウを残すのみとなりました……スムーズに入りました!さぁ参りましょう、春の中距離決定戦大阪杯………』
ガッコン!!
実況『スタートしましたっ!先行争いに入っていきます!好スタートを切ったヒデリュウオーが行きました!その外からランドヒリュウ、ヤエノムテキとゴールドシチーも並んでいきます。プレジデントシチーも並びかけていきます!メジロアルダンがその後ろ、インターアニマートとメイショウサンダーも同じグループで追走して、1コーナーのカーブへと向かっていきます。』
八幡「アルダンは中間少し前目か……きっとヤエノをマークしているんだろうな。しかも……(先行している全員を警戒している。)」
ヒリュウ「トレーナーさん?」
八幡「いえ、何でも……」
ドーベル「何、気になるんだけど?」
八幡「何でもないって。前を走ってるウマ娘全員を警戒していると思っただけだ。」
実況『向正面中間に入って1,000m通過は1分6秒のペースです。先頭は依然としてヒデリュウオー!その後ろにはランドヒリュウが単独2番手。ヤエノムテキとゴールドシチーがその後ろ。その外にプレジデントシチーも並んでいる。メジロアルダンがその後ろを追走して3コーナーを曲がっていきます!各ウマ娘の動きが激しくなってきました!』
アルダン(仕掛けるのなら……今っ!)
ヤエノ(まだ、まだ脚を溜める!ギリギリまで……っ!?)
実況『メジロアルダンが一気に先頭グループに襲いかかりますっ!それに続くように他のウマ娘達も動くっ!さぁ4コーナー曲がって直線コースに入ります!先頭はヒデリュウオーですがメジロアルダンが交わして先頭に立った!後ろからは先行勢も追い上げにかかりますっ!ヤエノムテキが勢い良く上がってきている!!』
ヤエノ「勝負です、アルダンさん!」
アルダン「はい、勝負です!」
実況『後続を引き離すメジロアルダン!追いかけるヤエノムテキ!2番手以降との差は3バ身!!ヤエノムテキ懸命に追いかけるが、メジロアルダンとの差が縮まらないっ!メジロアルダン2バ身のリードを保ってゴールインッ!!やはり中距離では強かったメジロアルダン!!昨年のダービーウマ娘は伊達じゃない!天皇賞・秋で2着に入った実力は本物でした!メジロアルダン、中距離最強を証明しましたっ!!』