アルダンside
アルダン「えっと……皆さん、どうかされたのですか?」
「先輩!この前の大阪杯、現地で観ましたっ!おめでとうございますっ!凄い走りでしたけど、走り方もとても綺麗で……とにかく、感動しました!」
「私も先輩のような走りが出来るように頑張りたいと思いました!」
アルダン「まぁ、それはありがとうございます。そのようなお言葉を頂けて、これからも身が引き締まる想いです。」
「あの、先輩って本当は身体が弱かったんですよね?」
アルダン「?えぇ、幼少期の頃から抱えている私の最大の弱点でもありますね。」
「それなのに、トゥインクルシリーズにデビューしてからは1度も怪我をしてないじゃないですか。一体、どんな生活を送っているんですか?」
アルダン「特別な事はしていませんよ。でもそうですね……強いて挙げるのであれば、私の担当トレーナーの尽力と言えるでしょう。」
「トレーナーさんの?」
アルダン「えぇ。まだ私とトレーナーさんが担当になる前のお話になりますが、私が選抜レースに出走するというお話になってから、トレーナーさんが私のトレーニングを見ると言ってくださったのです。それだけでなく、食生活や脚の触診もきめ細かく行ってくださったのです。」
「えぇっ!?触診もされたんですかっ!?それって大丈夫なんですか?」
アルダン「トレーナーさんの方から言ってきた事ではありますし、不安にならなかったと言えば嘘になりますが、触診をしている時のトレーナーさんの顔を見てその不安は一瞬にして吹き飛びました。トレーナーさんには邪な気持ちは無く、脚を触っては些細な事でもすぐにメモを取っていましたし、トレーナーさんが私のトレーニングを見るようになってからは1度も中断する事は無くなりました。」
「やっぱりトレーナーさんって凄い人なんだ~……」
「ねぇ~。だってアルダンさんが最初の担当なのに、ジュニアクラスでGⅠも勝っちゃうしね~。」
やはり兄様は新入生の方々から見ても凄いトレーナーという評価なのでしょうね。兄様は赴任1年目から成績を出したトレーナーさんですからね。
ーーー数分後ーーー
「じゃあ先輩、また今度~。」
「またお話、聞かせてくださ~い。」
アルダン「……愉快な方達でしたね。」
サッカーボーイ「羨ましいねぇ~後輩からの人気が高くてよ~。評判だぜ?」
アルダン「ありがたい事ですね。ですがサッカーボーイさんも親しまれているのを見た事がありますが?」
サッカーボーイ「お前程じゃねぇよ。ヤエノにクリークもGⅠ勝ってるけどよ、あんなに話しかけられる事なんてあまりねぇぞ?」
アルダン「私が言うのも何ですが、ユニークですからね。」
サッカーボーイ「確かにお前が言う事じゃねぇな、メジロってだけでもキャラ立ちするし。ヤエノもあのお堅いのが無かったら人気でそうなのにな。」
確かにそれは私も思っていました。ヤエノさんのトレーナーさんの影響があるのだとは思いますが、ヤエノさんが習得している武術にも影響しているのでしょう。
サッカーボーイ「クリークは……「サッカーボーイさん、それ以上は言ってはいけませんよ。」………だよな。」
アルダン「あれは……1種のストレス解消法だと思う事にしておきましょう。」
サッカーボーイ「【触らぬ神に祟りなし】だな。」
八幡「よう、なんか見ない組み合わせだな。」
アルダン「兄様、お疲れ様です。」
サッカーボーイ「よぉトレーナー、担当さん借りてるぜ。」
八幡「おう、構わねぇよ。」
アルダン「兄様もお食事ですか?」
八幡「まぁそんなところだ。といってもこれから調理するからすぐに食えるわけじゃないけどな。」
アルダン「お作りになるのは決めているのですか?」
八幡「ピーマンの肉詰め。後は定食みたいにするつもりだ。」
サッカーボーイ「おっ、美味そぉ~!なぁトレーナー、出来たらちょっと分けてくんね?」
八幡「……作る量次第だな。とりあえずピーマンは10個くらいあったから最大で20個は作れるけど……どうする?因みに俺は8個作る予定だが?」
サッカーボーイ「じゃあ残りの12個は任せてくれよっ!」
アルダン「兄様の作る料理は本当に美味しいですからね。私もいただきます。」
八幡「了解。じゃあちょちょいと作るから待っててくれ。」
きっとこの場にオグリさんが居たら兄様は作らなかったでしょうね。スペシャルウィークさんが居ても同じ結果になっていた事でしょう。
因みに兄様はピーマンの肉詰めだけでなく定食までご用意してくださったので、全て美味しくいただきました。兄様、ありがとうございます。
サッカーボーイ「美味かったぁ~!ホント美味いよな、アルダンのトレーナーが作る料理。」
アルダン「えぇ、メジロの料理長やパティシエも兄様にレシピを聞きに行くくらいですから。」
サッカーボーイ「マジで?プロすらもレシピを知りたがるレベルって……もう普通じゃないだろ。前職が料理人って言われても信じるぜ?」
その料理を教えた方というのが、プロの方でもなければ料理を齧っていたという方でもなく、アメリカの3冠ウマ娘だという事は秘密にしておいた方が良いでしょうね。