八幡side
アルダン「兄様、本当に申しわけございませんでした………」
八幡「あぁ~……もう気にすんな。いつかはバレた事だから。」
あの後、シービーからの猛烈なお誘いを俺とアルダンの2人がかりで断り続け、やっとの思いでどうにかする事が出来た。そして今はトレーナー室で2人で少し休憩中……あんなにしつこいとは思わなかった。
八幡「しかし、本当に疲れたな……これからはアイツの行動にも気を付けないとな。後ろからついてこられないようにしないとな。」
アルダン「………」
八幡「アル、もう気にするなって。勘違いだったんだから仕方ないだろ?その事について責める気も言及する気も無いから。」
アルダン「兄様、今だけはその優しさを私に向けないでください………」
あぁ、こりゃ本当にやられてるな……この3年間で1度もこんな勘違いした事は無かったから、余程ショックを受けているのだろう。今も肩身を狭くして縮こまりながら座ってるし。
アルダン「その……私が言うのも変なお話ですが、今後はどうされるのですか?」
八幡「とりあえずは今住んでる所がバレないように立ち回るさ。シービーの事だ、きっと探ってくるだろうしな。」
アルダン「その、何かお手伝い出来る事は無いでしょうか?」
八幡「今の時点では何とも。アイツの行動が目に余るようだったら方法を考える。まぁシービーも人が嫌がる事を率先してやる奴じゃないから大丈夫だとは思うが。」
アルダン「今すぐお役に立ちたいのに……それすらも叶わないなんて………」
八幡「どうしようも無いんだからあまり自分を責めるな。助けてほしい時が来たらその時は頼る事にする。」
アルダン「はい………」
八幡「ほら、いつまでもそんな調子だとこっちも困る。お茶でも飲むか?欲しかったら淹れるぞ?お茶菓子もあるからな。」
アルダン(きっと兄様に気を遣われています……うぅ、今の自分がとても情けないです。)
ーーー数分後ーーー
アルダン「美味しい……兄様は紅茶を淹れる事も出来るのですね。」
八幡「淹れ方を教わったからな。俺も偶に飲む時があるから、部屋に常備してる。もし飲みたくなったら茶葉もポットも勝手に使って構わないからな。」
アルダン「兄様が居ない時にそんな事は出来ません。」
八幡「違いないな。そういう事なら部室にも置いておくか、その方が皆で飲めるだろうしな。」
アルダン「兄様のように上手く紅茶を淹れる事は出来ないと思いますよ?一口飲んだだけで分かりました、この味は私達では出せない、と。」
八幡「淹れる事くらいは出来るだろ。お前とかドーベル辺りなら上手く淹れられるだろ。」
アルダン「淹れる事くらいは出来ますが、こんな味を出せるかどうか……」
八幡「最初からこの味を出そうとするな。目標を高く持つのは構わないが、高望みをし過ぎると嫌になるぞ?少しずつで良いんだよ。」
俺だって最初に淹れた紅茶の味は酷いもんだった。雪ノ下が淹れ方がどれだけ上手かったのかがよく分かった……先生からも紅茶の淹れ方とかコーヒーの淹れ方とか色々教わったしな。
八幡「なぁ。一応聞いておくが、今でも俺の家に行きたいって思ってるのか?」
アルダン「はい、1度は行きたいと思っております。」
八幡「そこはアイツと一緒なんだな……まぁいい、宝塚記念が終わったら1度来るか?」
アルダン「っ!!よろしいのですかっ!?」
八幡「メジロアサマさんからの要望でもあるからな、それに良い条件で住まわせてもらえる事になったからな。」
アルダン「?それとお婆様にどのようなご関係が?」
八幡「お前の父親が不動産経営しているのは知っていると思うが、それで俺が部屋を契約した事を知ったんだと。条件云々は省くが、その対価交換としてお前達が希望するのであれば家に入れてあげてほしいんだってよ。」
アルダン「成る程、それで……そういう事でしたらお邪魔させていただきたいです。」
八幡「ん、じゃあお前は確定だな。他の4人にも聞いておくから、それ次第で宝塚記念が終わった後の予定を決めるから。」
アルダン「はい、よろしくお願いします。とても楽しみです。」
八幡「男の独身部屋なんて楽しみにされても困るだけなんだけどな。」
それまではシービーに俺の今住んでる場所をバレないようにしないとな。もしバレても家には絶対に入れないようにしよう。もし入れる相手が他に居るとすれば、先生くらいだな。
アルダン「あの、兄様はシービーさんからよくあのようにお誘いを?」
八幡「あぁ、毎週必ず1回は誘われるな。行こうとは全く思わないが。」
アルダン「兄様、他の女性からあのようなお誘いがあったとしても行ってはいけませんからね。私との約束ですよ。」
八幡「今の時点でお誘いを受けているのがシービーしか居ないからな、他にお誘いを受けても断る自信しか無い。」
アルダン「兄様のその自身を信じましょう。」
……なんか、前にも同じようなやり取りがあった気がするんだが?まぁいい、どうせ俺を自分の部屋に招待するような女は居ないだろうし。