八幡side
八幡「オグリは宝塚記念ではなく、安田記念に出走するんですね。」
六平「あぁ……組んでたローテーション全部狂っちまった。怪我が治ったまでは良かったんだが、医者が言うには中距離を走れば再発以上の故障を発生させる可能性があるって診断だったからな。マイルレースならグリーンとグレーの間くらいなんだとよ。」
八幡「六平さんからすれば、春は全休させて秋に向けて力を蓄えたいところでしょうけど、オグリがレースを望んだ……ってところですか?」
六平「……アイツは走る事で皆を喜ばせたいって言ってたからな、俺が止めたところで止まらねぇんだ。」
八幡「………六平さん、よかったら飯作りましょうか?」
六平「っ……悪いな比企谷、頼んでもいいか?」
八幡「あの暴食っぷりを毎度見れば、流石に心配にもなりますよ。六平さんが許してくれるのなら、週に2回は俺が料理が作ってチームに振舞っているので、その中に入れますよ。」
六平「お前からそんな事を言われるなんてな……」
六平さんも相当に参ってるみたいだな……まぁ無理も無い、力を発揮させずにレースに出させるようなものだ。本人は本気で走るだろうが、少なからず葛藤しているだろう。
六平「俺もお前程の能力があればなぁ~……」
八幡「やめてくださいよ、それ。俺だってまだまだ足りないものだらけなんですから。とりあえず飯の件は任せてください、今日がその1回目ですのでオグリに伝えておいてください。じゃ、仕込みに行って来ます。」
六平「あっおい……済まねぇな、比企谷。(本当にありがとうよ。)」
ーーーカフェテリア・厨房ーーー
八幡「失礼します、トレーナーの比企谷です。厨房借りに来ました。」
「あぁトレーナーさん、よく来たね!いつもの場所空いてるよ、好きに使いなっ!」
八幡「どうも。さて……作るか。」
「トレーナーさん、今日は一体何を作るんだい?」
八幡「今日は仕込んだのがありますので、それを使います。それに、今日は1人増える予定なので。」
「へぇ~……いつもの味見、やらしとくれよ。」
八幡「お任せしますよ。では、作っていきます。」
それからすぐに調理を始めて、昼休みになる前に全ての調理を済ませる事が出来た。そんでメインの味の確認は100点満点中200点の評価を貰った。
ブライト「トレーナーさま~、お食事は出来ておられますかぁ~?」
八幡「ブライトが1番乗りか、こりゃまた意外だな……料理なら出来てるぞ。他の皆は?」
ブライト「ドーベルはもうすぐ来ると思いますわ~。ライアンお姉様とパーマー様とアルダン様は存じませんわね~。」
八幡「そうか、まぁすぐに来るだろう。とりあえずいつもの席に着いててくれ。寝てても構わないが、食えなくても知らないからな。」
ブライト「いえいえ~トレーナーさまのお手伝いをさせていただきます~。」
………大丈夫だろうか?
結果的にブライトのお手伝いは非常に助かった……のだが、皆の反応がやや酷かったと言わざるを得ない。
ドーベル『ちょ、ブライト!?トレーナーの邪魔しないのっ!』
ライアン『ブライト、トレーナーさんのお手伝いしてるの?迷惑かけてない?』
パーマー『トレーナー大丈夫そ?ブライトが手伝ってるみたいだけど………本当に大丈夫?』
アルダン『お疲れ様です、兄様。私もお手伝いさせていただきます。ブライトお1人では心配ですから。』
といった感じだった。皆、ブライトが迷惑をかける前提みたいな言い方だったんだよな。そして今は全員席に着いている、オグリも含めて。
オグリ「美味しそうだ……これは、唐揚げ定食か?」
八幡「見て分かると思うが、メインは唐揚げで付け合わせにサラダ、ワカメのスープ、春巻き、沢庵、白米だ。」
パーマー「今日のも美味しそうですね~!」
アルダン「この唐揚げ……兄様、2度揚げしていませんか?」
八幡「まっ、料理をする奴ならすぐに分かるよな。正解だ、まぁ正確には普通に揚げたの、2度揚げしたの、違うタレで揚げたのと2度揚げしたの、合計で4種作った。色の薄いのが塩タレで濃いのが醤油タレだ。唐揚げのお代わりならあるから、足りなくなったら言ってくれ。」
『いただきます(ま~す)っ!』
唐揚げ定食は好評で皆全ての料理を平らげた後に唐揚げのお代わりを要求してきた。味の好みもあるとは思うのだが、全部混ぜでお代わりだった。食感的にはやっぱり2度揚げの方が良かったみたいだ。外の皮はサクサクカリカリで中はジューシーというのがお気に召したのだろう。
ライアン「オグリさん、今日は全然食べてませんけど……どうかしたんですか?」
オグリ「不思議な話なんだが、トレーナーの作る料理だけは多く食べられないんだ。」
ドーベル「食べられないってレベルじゃないと思うんですけど……」
確かに……だって定食お代わり2回しただけでもう打ち止めだし。普段ならその10倍以上の量を余裕で食べてるのに。
八幡「どうなってんだろうな、オグリの胃袋って。」
パーマー「いやいや、それよりもトレーナーの作る料理の方が気になるから。オグリさんがたったこれだけでお腹いっぱいになるトレーナーの料理に何か秘密があるんじゃないの?」
八幡「あるわけ無いだろ、普通に作ってるだけだぞ?今日の唐揚げだって2度揚げ以外に特別な事は何もしてないし、それ以前に秘密も何も無いぞ。」