八幡side
………どうして、こうなったんだ?
ヒリュウ「……美味しい。比企谷トレーナーは紅茶を淹れるのもお上手なのですね。」
八幡「ど、どうも……しかし、いきなり家に来たいと言ってきた時は驚きました。」
父「突然すみませんね、押しかけるような事をしてしまって。それと、住み心地はいかがですか?」
八幡「はい、快適に住まわせてもらっています。」
そう。目の前にはアルとラモーヌのご両親が居て、俺の今住んでいる部屋にお邪魔している。しかも用件も何も聞いてない……一体、何をしに来たんだ?
ヒリュウ「それで、誰かこの部屋に上げた事はありますか?」
八幡「いえ、まだ誰も入れた事はありません。」
ヒリュウ「あら、せっかく良いお部屋にコーディネートされているのに勿体ない……娘をお邪魔させても構いませんよ?」
八幡「その約束ならもうしています。宝塚記念が終わった後に招待するつもりですので。しかもお2人の娘さんからのご提案ですからね。メジロアサマさんからは聞いているとは思いますが。」
父「えぇ、聞いていますよ。」
八幡「おかげでこのような事になりましたけどね。ですが負担させてもらっている分、なるべくは条件に応えるような事はしますよ。」
ヒリュウ「ふふふ、娘を末永くよろしくお願いしますね。」
八幡「それだと結婚前の挨拶みたいになってるんですけど……安易にそのような事は言わない方が良いのでは?」
普通にもてなしちゃってるけど、本当にこの人達は何をしに来たんだ?もしかしてこの前の時のようにお菓子の催促とか?でもそれなら普通に最初から言うよな……それなら本当に何しに来たんだ?
父「さて、比企谷トレーナー。少し真剣なお話になります。」
八幡「?」
父「今のアルダンはトゥインクルシリーズでシニアクラスという立ち位置に居ます。来年以降も続けるご予定ですか?」
八幡「それに関してはアルダン次第です。アルダンが続けたいというのであれば継続しますし、引退するというのであればドリームトロフィーリーグに移籍するか、後進育成に力を注がせるかのどちらかですね。なので俺自身で今の時点で答える事は出来ません。」
父「それを聞いて少し安心しました。もし既に決められていたのであれば、この話はしていませんでした。」
八幡「……その話とは?」
ヒリュウ「今後とも、あの子の事をお願いしたいと改めてお願いしたいのです。もしトレセン学園で走る事を引退したとしても、比企谷トレーナーに担当を続行させてもらいたいのです。」
八幡「それならアルダンが契約を要らない限り、続けるつもりでしたのでご安心ください。自分から切るような事はしません。」
ヒ・父「………」
八幡「………」
ヒリュウ「あぁ、ごめんなさいね。比企谷トレーナーがそんな風に考えていたとは思いませんでしたので。」
八幡「自分の意見はあくまでもウマ娘の次にと思っていますので。まぁトレーニングに関しては自分の意見を通させてもらうつもりではありますけどね。」
父「そうでしょうとも、それがトレーナーというご職業でもあると思います。それに、ここまで娘を大きな怪我も無く鍛え上げてくださった事に加えて、比企谷トレーナーのお人柄も信用出来ます。」
八幡「ありがとうございます。」
ヒリュウ「まぁでも、あの子の方から貴方お事を見限る事は無いと思いますよ。だって既に貴方の事を大層気に入られているみたいですから。」
八幡「はぁ……」
気に入られているのというのはトレーナーとしてだと思うが、まぁ嫌いになられるよりかはマシだな。機嫌損ねて言う事聞いてくれなくなるのは困るけど、まぁアルがそんな幼稚な事をするとも思えない。
父「それはそうと比企谷トレーナー、他の子達の予定は決まっているのですか?他の皆が気にしていましてね、特にドーベルちゃんの父親がね。」
八幡「ライアンとパーマーは今年の夏にデビューさせるつもりですが、ドーベルとブライトはまだ先になります。とりあえず今の時点では首を長くして待ってほしいとだけしか……すみません。」
父「いえいえ、トレーナーさんが謝る事ではありませんよ。それに皆、期待しているのですよ。ラモーヌやアルダンのように活躍する我が子の姿を見るのが。」
八幡「成る程……それは確かに気になる事ではありますね。」
ヒリュウ「時間が空いた時には集まるのですが、その時は決まって娘達の話をするのですよ。学園では上手くやっているのかだとか、デビューはいつのなるのだとか、お決まりのような感じではありますけどね。」
父「比企谷トレーナー、娘達の事をよろしくお願いしますね。貴方であればきっと良い方向に導いてくださると信じておりますので。」
八幡「娘さん達を任されている身です、トレーナーとして最善を尽くします。」
ヒリュウ「比企谷トレーナーであれば、娘のどちらかをお任せしても良いと思っていますよ。」
八幡「ははは……そういうのはちゃんとアルダンの意思を聞いてからでないと。」
でもこの時の2人の目と顔が全然ふざけているように見えなかったんだよな……流石に冗談だよな?