八幡side
ライアン「此処が函館かぁ~!潮風が気持ち良いね~!それに涼しい~!」
ドーベル「うん、本当に……東京とは全然違う。」
宝塚記念が終わって所謂春のレースが終わってからは各地のレース場でのレースが盛んにおこなわれる季節になる。特に北海道は夏の6~9月の間にしか開催されないから、この時期にしか来られない。この函館にはライアンとパーマーのデビュー戦の為に来ていて、1ヵ月くらい滞在する事になっている。しかし、東京や千葉とは違って本当に海の匂いがするな……これでもかってくらい。
ブライト「トレーナー様、まずは施設に行って荷物置き、でしたわよね?」
八幡「あぁ、そうだ。全員荷物は持ってるな?じゃあ移動するか。」
アルダン「兄様。宿泊施設に行った後のご予定はどうさせるのですか?」
八幡「着いてから話す。今話したところで耳から耳に受け流しそうだしな、アイツ等を見てると。」
目の前には初めて来た函館に興奮しているライアンとパーマーとドーベルの3人。まだ1週間あるとはいえ、まるで観光気分だ。
アルダン「確かにそうですね、かしこまりました。」
八幡「そういう事だ、じゃあ行くぞ。ほら、お前達も置いてくぞ~。」
パーマー「ちょっと待ってよトレーナー!」
そして俺達は宿泊施設へと向かった。因みにその宿泊施設は函館レース場と隣接しているような感じになってるから、移動もかなり楽だ。
ーーー宿泊施設・大広間ーーー
ブライト「私達が最後ですわね~。」
ドーベル「もう、ブライトったら本当にマイペースなんだから……またせてごめん。」
八幡「いいや、気にしてない。さて、これからの予定を話すぞ。今後は、夕食の18時までにこの施設の食堂に集まる事だ。それまでは自由時間にする。ぶっちゃけ1時間くらい飛行機の中で座りっぱなしで身体も少し固まっている筈だ。そんな状態でトレーニングも何も無いだろう。だから今日1日は自由時間にする。」
パーマー「やったぁ~!」
ライアン「自由時間だって!何処に行こうかっ!?」
ドーベル「どんな所が有名なんだろう……」
ブライト「のんびり海を眺めるのも良さそうですわね~。」
八幡「とりあえずそういうわけだから18時に此処の食堂に集合だからな。遅れるなよ?特にブライト。」
ブライト「はい~。」
………不安だ、本当に不安だ。
それから程無くして4人は此処から出て観光に赴いて行った。
八幡「大はしゃぎだったな、アイツ等。まぁ無理も無いか、1度も来た事の無い北の大地だし、俺もどうせなら色んな所を見て回りたいしな。」
アルダン「そうですね、とても楽しみですね。」
八幡「……アルダンさん、別に俺と一緒に行動する意味は無いと思うんだが?」
アルダン「まぁ、その言い方はまるで私とは一緒に居たくないみたいな言い方に聞こえてしまうのですが?」
八幡「そうは言ってねぇよ……いいのか?」
アルダン「はい、是非♪」
八幡「じゃあ……まぁとりあえず行くか。」
ーーー赤レンガ倉庫ーーー
アルダン「写真や画像とは全く違って見えるものですね、とても立派な建物です。」
八幡「中には雑貨や食品、ファッションとか色々あるみたいだ。お土産を選ぶのなら名所以外なら此処だろうな。」
アルダン「兄様は何方かに渡すのですか?」
八幡「先生にな。今度、家に招こうと思ってる。まだ1度も誘ってないし、行きたいとも言われてないからな。俺から誘うのが1番いいだろう。」
アルダン「そうですね、その方がよろしいかと。私も両親に何か買っていくのも良いかもしれません。」
八幡「色々と見て回るか。」
アルダン「はい。」
そして俺とアルダンは倉庫内に入って色々と散策する事にした。前に聞いた事があったが、アルダンは買い物が好きらしく、特にスーパーのチラシを見るのが楽しみなのだとか……まぁ自分で特製ドリンクを作るくらいだからな、その辺のチェックとかもしてるんだろう。
「ねぇ、あのウマ娘ってもしかして……」ボソ…
「えぇ、この前の宝塚記念を勝ったメジロアルダンさんよ。」ボソ…
「やっぱり!」
「こうやって見ると、本当にお嬢様って感じがするよなぁ~。」
「もう佇まいだけで気品が溢れてるもんね~。」
「でも、何で函館に来てるんだろうな?療養とかのニュースあったっけ?」
流石はGⅠウマ娘。その知名度は素晴らしいもので、あっという間に知ってる人達に囲まれたようなものだ。その当の本人はそんな事にも気付かずにウィンドウショッピング中だが。
アルダン「兄様、見てください。函館名物のいかようかんの人形みたいです。とても面白いお顔をしていますね♪」
八幡「……そうだな。」
アルダン「兄様は何か気になった物は無いのですか?」
八幡「俺か?まだコレと言っては無いな……」
アルダン「でしたらまだまだ見る必要がありますね♪」
……まぁ、本人がこうも楽しそうにしているのだから、言わないでおくか。言って他の人の視線を気にするようになるのは、俺の本意では無いからな。