アルダンside
ライアン「いよいよだねパーマー、調子はどう?」
パーマー「うん、良い感じ!この調子なら1着は余裕かもねっ!」
ドーベル「気合い入ってるじゃん。」
アルダン「兄様、作戦はやはり逃げですか?」
八幡「そうだな。元々パーマーが得意としている脚質は逃げだから、その戦術のまま行くつもりだ。」
アルダン「みたいですよパーマー。」
パーマー「オッケートレーナー!じゃあ「いや待て、逃げじゃダメだ。」じゅん……び~……え?」
八幡「……逃げは逃げでも大逃げだ、大逃げで勝ってこい。」
パーマー「大逃げっ!?それって後ろを突き離してめっちゃ逃げるあの大逃げっ!?」
八幡「あぁ、その大逃げ。」
パーマー「でもさ、距離2,000mでしょ?スタミナ持つかな~。」
八幡「大丈夫だろう。アルダンの併走に順応しつつあるお前ならいけない事も無い。今日の作戦は大逃げ、お前の走りたいように走ってこい。それと、固い事は考えないで楽しんでこい。お前はその方が性に合ってるだろうしな。」
パーマー「楽しむ、かぁ……うん、分かった!」
作戦の打ち合わせが終了してからパーマーはパドックの方向へと向かって行きました。
ドーベル「ねぇトレーナー、大逃げなんて言って本当に良かったの?」
ブライト「私もドーベルと同じ事を思いましたわ~。」
八幡「俺も最初は逃げが良いと思ってたんだが、アイツのトレーニングを見る度に逃げじゃ足りないって思ってたんだよ。どうにも走りをセーブしているような感じがあったからな。」
ドーベル「じゃあ、今日のレースでどっちが良いか分かるって事?」
八幡「そうだな。それに今日はパーマーの友人のヘリオスが来るみたいだから、アイツを唆せば上手くいくだろ。」
ライアン「トレーナーさん、ちょっと悪い顔してますよ?」
八幡「とりあえず、そのヘリオスを探しに行くからちょっくら行ってくる。」
アルダン「兄様、お供します。」
八幡「ん、じゃあ行くか。」
ヘリオスさん、レース場に着いていると良いのですが……
ライアン「………ねぇドーベル、気付いてる?」
ドーベル「うん。アルダンさん、トレーナーさんと一緒に居る時間が多くなってる。」
ライアン「もしかしたらだけど……k「それ以上は言わないお約束。」え、お約束なの?」
ドーベル「っ!?っ~~とにかく言っちゃダメなのっ!」
ライアン「そ、そっか……」
ブライト「ほわぁ?」
ーーーレース場内ーーー
ヘリオス「やっほぉ~~トレーナー!!アルダン先輩もちょり~す!!」
八幡「まだ本格的に探していないにも関わらず、こんなに早く見つかるとはな。」
ヘリオス「今日ってパマちんのデビュー戦じゃん!ウチ鬼上がってんだよね~!今ってパマちんパドック?じゃあ見に行かないと「ヘリオス、ちょっといいか?」んあ?どしたん?」
八幡「お前も知ってるとは思うが、パーマーって逃げが得意だろ?」
ヘリオス「うん、いつも天上げで逃げてるよ。それがどしたん?」
八幡「今日のレースでも作戦的には逃げなんだが、大逃げするように指示を出した。」
ヘリオス「大に「声デカい、静かに。」ふぅ~……ギリセーフ。マジか、大逃げなん?めっちゃテンション上がってきたんだけど。チョー叫びたいんだけど。」
八幡「レース始まったらいくらでも叫んでくれて構わないから、今はやめてくれよ?作戦バレしちまう。」
ヘリオス「おけまる!じゃあパマちんがスタンド前に来たらめっちゃ叫ぶ!」
八幡「任せた。喉潰れて使い物にならなくなるくらい叫んでくれ。」
ヘリオス「それなっ!!」
ヘリオスさんは快く引き受けてくださり、パドックの方へと元気良く走っていきました。
アルダン「良かったですね、引き受けてくださって。」
八幡「あぁ、後はパーマーの走り次第だな。」
ーーー数十分後・観覧席ーーー
実況『函館2レースのメイクデビュー戦が間も無く発走です!芝2,000mで行われる若駒達の走りをお届けいたします。1番人気にはメジロパーマーが支持されました。2番人気にはゾウゲブネメガミ、3番人気はグリーンワイスとなっております。7人立てで行われるメイクデビュー戦、勝つのはどのウマ娘なのでしょうか?』
♪~♪~♪~
実況『開始のファンファーレが鳴り響いて、ウマ娘達が次々とゲートへと向かって行きます。この夏を制して勢いをつけたいところ、勝利の女神はどのウマ娘に微笑むのか!?さぁ始まります、2レースメイクデビュー戦!』
ガッコンッ!!
ヘリオス「パマちん爆逃げってけえええぇぇぇぇぇ!!!!!」
アルダン「パーマー、デビュー戦勝利おめでとうございます。」
ドーベル「驚いちゃった、まさかあのまま行っちゃうなんて。」
ブライト「素晴らしい大逃げでしたわ~。」
ライアン「う、うん……本当に凄かったよね~……」
パーマー「皆ありがとう~♪じゃ、ライアン?1週間トレーニング後のプロテイン禁止ね?」
ライアン「うぅ……約束だしね、分かったよ。けど本当に凄いよ、2着と大差をつけて勝っちゃうなんて。」
パーマーのデビュー戦は2着に大差をつけて勝利を収めました。とても強い勝ち方をしたと思います。最後まで脚色が衰える事無く駆け抜けましたので、あのメンバーの中ではレベルが違ったと言えるでしょう。道中は10~15バ身くらい差がついていたみたいです。素晴らしい逃げでしたね。