八幡side
10月2週目の日曜日。やっとアルダンの秋初戦、毎日王冠が始まろうとしている。今週は天皇賞・秋のトライアルレースが東京と京都の2レース場で行われている。1つがアルダンの出る毎日王冠でもう1つが去年勝った京都大賞典だ。去年の毎日王冠も充分過ぎるくらいのハイレベルなメンバーだったのだが、今年も負けないくらいハイレベルだ。何せどちらも中央に移籍してきた強者……方や去年の天皇賞で初対決して2着と3着で決着がついていないオグリ。方や春の長距離王者のイナリ。こっちは宝塚記念でこっちが勝てた。
そんな2人とアルダンが出走するからか、今年の毎日記念も出走するウマ娘の数は東京レース場フルゲートの半分しか登録しておらず、これは去年よりも少ない。
八幡「さて、いよいよ始まったな。」
アルダン「はい、やっとです。」
八幡「分かってるとは思うが、最大のライバルはオグリとイナリだ。直線に入ったら嫌でも2人と競り合う事になるだろう。正直に言えば、マイルレースでオグリに勝てる見込みは低い。イナリは移籍前で数回走っている程度だから未知数だが、オグリに関しては間違い無く迫ってくる……」
アルダン「分かっています兄様。それでも私は勝ってきます、オグリさんとはまだ決着がついていませんから。」
八幡「気が早いぞ。それともお前はGⅠではなくGⅡで勝負をつけたいのか?」
アルダン「っ!………いいえ、つけるのであれば相応しい場で。」
八幡「だろ?だから毎日王冠の目標は最高で1着で、最低が2着だ。」
アルダン「……兄様にしては厳しい条件を出しますね。」
八幡「掲示板以内にした方がいいか?」
アルダン「いいえ、そちらの方が私も燃えます。」
八幡「じゃ、そういう事で。そろそろだな。」
アルダン「はい、行って参ります。」
ーーー観覧席ーーー
八幡「戻りました。」
マンノウォー「おぉ~我が孫弟子よぉ~!待っていたぞ~♪」
八幡「プロフェッサー……担当の前でもあるんですから、あまりこういうのはちょっと「何を言うか八幡~、仲良き事は良い事なのだぞ?それがたとえ大師匠と孫弟子の関係であってもだ!」は、はぁ……」
ドーベル「……あんなトレーナー初めて見るかも。」
ライアン「うん、アタシも……でも、まさかトレーナーさんの先生の先生が、まさかあのアメリカ伝説の名ウマ娘、マンノウォーさんだったなんて………」
ブライト「背筋がピィ~ンとなりますわね~。」
タリアト「師よ、八幡の言う通り弟子の面前だ。少しは自重しろ。」
マンノウォー「だが断るっ!孫弟子とのスキンシップなのだからなっ!!」
パーマー「仲良いんだね~この師弟達。」
♪~♪~♪~
八幡「っ!始まる。プロフェッサー、そろそろ……」
マンノウォー「そうだな。」
八幡side
ーーーーーー
実況『さぁ、本日のメインレースがいよいよ始まります。GⅡ毎日王冠……このレースを制して天皇賞の出走権を得られるのは果たしてどのウマ娘か?』
イナリ「おうおうオグリにアルダン、アルダンは2度目だけどオグリとは初めての勝負だね~!負けないぜっ!」
オグリ「あぁ、私もだ。アルダン、今日は私が勝つ。」
アルダン「私も、勝利を易々と譲る気はございません。全力で、勝たせていただきます。」
実況『最後に大外8番マイネルダビデが収まりました!天皇賞に向けていざ出陣!』
ガッコンッ!!
実況『スタート!!マイネルダビデとウインドミル良いスタートを切りましたっ!!内からはレジェンドテイオーが飛び出して先頭を走ります!早くも2バ身3バ身と差をつけていきます!2番手にはウインドミル、3番手にメジロアルダン2番手を伺います!』
アルダン(先団にはつける事が出来ました。後はこの流れと展開を上手く利用しましょう。)
実況『中団のウマ娘を見ながらメジロアルダンから4バ身後方にオグリキャップが追走!イナリワンはオグリキャップをピッタリマークしている!最後方にカネショウホーライという体勢です。先頭は依然としてレジェンドテイオー4~5バ身のリードを保っている!2番手にウインドミルとメジロアルダンが併せている!中団先頭集団に漸くオグリキャップが上がってきた!イナリワンはまだ後方、果たしてどうなるっ!?さぁ4コーナーを曲がって直線勝負!!』
アルダン(さあ、ここからが本当の勝負ですっ!)
実況『逃げるレジェンドテイオーはもうお脚がいっぱいか!?先頭入れ替わってメジロアルダンが躍り出たっ!!しかし外からはオグリキャップも追い込んできている!イナリワンも進路を外に出そうとしているところっ!!さぁ逃げるメジロアルダン!追い込んでくるのは内ウインドミルと外からオグリキャップとイナリワン!残り後100mっ!!』
ア・イ・オ「はあああぁぁぁぁぁっ!!!」
実況『メジロアルダン逃げ切るかっ!?後ろが差し切るかっ!?双方良い脚だが前との差が縮まらないっ!!メジロアルダンが逃げ切ってゴールインッ!!2着にオグリキャップとイナリワンが接戦!その後に内のウインドミルが4着か!』
アルダン「はぁ……はぁ……(勝利出来たものの、やはりオグリさん達は凄まじい……充分に差があったにも関わらずとんでもないプレッシャーでした。しかしこのレースはまだ前哨戦、本番でも彼女に勝てるように精進しなければっ)」