アルダンside
八幡「……なぁアル、何でこうなってるんだ?」
アルダン「昨日の毎日王冠のご褒美です♪」
八幡「うん、それは聞いたんだが……これってどうしても必要な事なのか?」
アルダン「はい、どうしても必要な事です♪」
私は今、兄様のトレーナー室に赴いています。今日は私だけお休みの日で他の皆はいつも通りトレーニングを行う日となっております。今はトレーニングが終わった時間で、私がお邪魔しているという状況です。この時間であれば、余程の用事が無い限りは他の方が来る事はありません。
因みに私は今、兄様に膝枕をされながら頭を撫でられています。頭を撫でられた事はありますが、膝枕は初めてなのでとても癒されています。
八幡「天皇賞まで3週間切ってるのに緊張感の無い奴だな。」
アルダン「今くらいはいいではありませんか、少しくらい余韻に浸っても。」
八幡「……まぁ今くらいはいいだろう。その代わり明日からは厳しく行くからな。きっと向こうもお前を倒しに来るだろう、打てる手は全て打つつもりだ。」
アルダン「兄様、今は明日の事よりも今の事を考えてくれませんか?そのような話をされてはリラックスは出来ません。」
八幡「お前、今日は絶対にギリギリまでゆっくりするつもりなんだろう?」
アルダン「はい、そのつもりです♪」
そうでなければご褒美にはなりませんからっ♪
八幡「家にはプロフェッサーが居るんだけどなぁ~……今日は遅くなりそうだ。いつもは6時半か7時には帰ってたのに。」
アルダン「ご自宅ではどのように過ごされているのですか?」
八幡「いつも通り……と言いたいところだが、プロフェッサーの相手でかなりの量の料理を作っているから、俺の時間が少しだけ削られているって感じだが、それを覗けばいつも通りだ。」
アルダン「やはりあれだけの体格ですから、食事の量も多いのですね。」
八幡「まぁな。」
アルダン「……そういえばこちらに帰ってからは1度も兄様の家に行っていません。」
八幡「いや、普通は行くような所じゃないっていうの分かってる?トレーナーの家になんて普通は行かないもんなの。宝塚記念の後が特例なんだからな。」
アルダン「では兄様、次の天皇賞・秋に勝つ事が出来ましたら、また招待してください。」
八幡「しないから。っていうかしたとしてもお前は絶対にゆっくり出来ないけどな。だってプロフェッサーが居るし、俺もプロフェッサーの相手で忙しいだろうしな。」
アルダン「兄様。私とマンノウォーさん、どちらが大事なのですか?」ムッ…
八幡「そう聞かれると少し答えづらいな……」
むぅ……私と言って欲しかったものです。
八幡「とりあえず今はお前を優先しているから、それが答えだと思ってくれ。」
アルダン「それは今だけのお話ですよね?」
八幡「痛いとこを突くなよ……」
アルダン「では代わりに何かしてくださいな。」
八幡「お前はいつからそんなにわがままになった?ふぅ……まぁいい、少し頭をどけてくれ。」
アルダン「?分かりました。」
兄様は机の引き出しから何かを取り出してからまた戻ってきました。
アルダン「兄様、そちらは何ですか?」
八幡「お前、膝に戻るの早くね?別に逃げねぇから……これはドーナツだ。自分で食べるか口に突っ込まれるか食べさせられるか、どれが良い?」
アルダン「では、食べさせてください♪」
八幡「(まぁ、だろうな。)ん、じゃあ切り分けてからな。」
アルダン「ところで兄様、このトレーナー室には私の他によく来る方は居るのでしょうか?」
八幡「あぁ。お前の姉のラモーヌを始めとして、シービーとルドルフはよく来るな。後は……偶にライスが来るくらいだな。」
アルダン「まだ姉様が来ているのですね……何をしに来るのですか?」
八幡「前と変わんねぇよ、俺の目を覗きに来てはレースの話を聞きに来る。そんな感じだ。」
アルダン「シービーさんと会長は?」
八幡「シービーなら予想出来るだろ?そういう事だ。ルドルフは俺の淹れるお茶が気に入ったのか、週に1~2回来るようになったって感じだ。自分でも淹れられるってのにな。」
アルダン「最後のライスさんは?」
八幡「ライスは………お願いをしに来る事が多いな。授業の課題を聞きに来たり、家庭科の授業で作った料理を振舞いに来たり、トレーニングについて聞きに来たり、色々だな。」
アルダン「成る程……嫌々この部屋に入れている方は居ないのですね?」
八幡「そういう奴は居ないな。ほい、口開けろ。」
アルダン「はいっ♪あ~ん……美味しいです。」
流石は兄様、お菓子作りも素晴らしいです♪
八幡「それでアルダン、一口食わせたところで申しわけないが聞かせてくれ。この状態はいつまで続くんだ?」
アルダン「門限時間ギリギリまでこの状態です。」
八幡「さっきも聞いたが、やっぱりそうなのか……」
アルダン「短いご褒美の時間なのですから、大切に使いたいのです。兄様の担当が増えた事で私達2人の時間が少なくなっているのですから。」
八幡「それが1番の理由だろ、絶対。」