比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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秋の盾の舞台

 

 

八幡side

 

 

10月末の日曜日。アルダンが目標としていた舞台に立つ事が出来た……1年前は日本最強の前に3/4差の2着に敗れた。そして1年……漸く秋の府中2,000mの舞台に戻って来れた。それも昨年とは違ってより手強いライバル達が勢揃いしている。【永世三強】……間違い無くこの時代を代表するウマ娘達には違いないが、アルダンとてそれは同じだ。

 

しかも、今日はいつもとは違って凄い応援団まで駆けつけてくれているしな。

 

 

マンノウォー「ふむ、こっちに来てからは毎週この東京レース場に来てはいたが、やはりGⅠ開催日ともなれば出入りの人数も違ってくるな。」

 

タリアト「それはアメリカでも同じ事だが、確かに人の数は多いな。しかも私達の周りにも集まりだす始末だからな……あれには参った。」

 

八幡「先生達は目立ちますからね、そうでなくても知名度のおかげで人が来ますからね。」

 

タリアト「全くだ……」

 

アサマ「まさか比企谷トレーナーの恩師というのが、アメリカ伝説のウマ娘のお2人だったなんて………」

 

 

チームメンバーの他にも姉のラモーヌは勿論だが、観戦の約束をしていたプロフェッサーと先生に加えて、メジロ家の当主、メジロアサマさんも現地に来てこうして一緒の席で観る事になった。去年は所用で来られなかったみたいなのだが、今年は来る事が出来たみたいだ。そのおかげで4人はカチコチになっちまってる。

 

 

タリアト「八幡、担当の……アルダンの所には行かなくてもいいのか?」

 

八幡「今は1人の時間を作らせているんです。誰かが居ては邪魔に感じる時もあるでしょうから。もう数分したら自分も行きます。」

 

アサマ「比企谷トレーナー。アルダンの事、お願いしますね。」

 

八幡「はい、勿論です。」

 

ドーベル「ね、ねぇ……」

 

八幡「ん、どうした?」

 

ドーベル「肩身が狭いんだけど?お婆様が居るだけでも緊張するのに、あの2人も居るともっと緊張するんだけど!?」

 

八幡「……悪いとは思ってる。けど、どうする事も出来ないから各自で頑張ってくれ。」

 

ライアン「どうしろと言うんですかっ!?」

 

八幡「大丈夫だって、話してみたら普通だから。異常な成績上げてて生きる伝説みたいな2人だけど、お前達と変わらない普通のウマ娘だから。特別扱いなんてしなくていいから。目上の人を敬う程度の感覚で大丈夫だから。」

 

タリアト「八幡の言う通りだ、年上の者に話す感覚で構わない。変に気を遣われる方が困る。」

 

マンノウォー「うむ、タリアトの言う通りだ。何なら私の事は呼び捨てでも構わないぞ!」

 

 

プロフェッサー、それ絶対に無理ですから。貴女と同世代のウマ娘くらいじゃないと絶対に出来ませんから。まぁ、先生は普通にタメ口で話してるけど。

 

 

ーーー数分後・控え室ーーー

 

 

コンコンコンッ

 

 

八幡「アルダン、俺だ。入っても大丈夫か?」

 

アルダン『兄様、どうぞ。』

 

八幡「分かった、失礼する。」

 

アルダン「やっと来てくださったのですね、兄様。お待ちしておりました。」

 

八幡「待ってた?1人の時間も必要だと思ってちょっと空けたつもりなんだが……」

 

アルダン「兄様、そのような時間は必要ありません。寧ろ2人の時間を増やすべきだと打診します。」

 

八幡「え、逆に増やすって事か?」

 

アルダン「はい、その方が私は好ましいです。」

 

 

……やっぱアルってこの時間を作りたがるよな。次のレースの時には控え室にまっすぐ行く事にするか。

 

 

アルダン「あの、兄様。」

 

八幡「ん?」

 

アルダン「もし、私がこの天皇賞を勝利したら「頭撫でるのと膝枕……違うか?」っ!どうして分かったのですか?」

 

八幡「ちょっと山張ってた、どうやら正解だったみたいだな。勝ったらな。」

 

アルダン「約束ですからね……それから、兄様。レースに臨む前に、これだけは言わせてください。」

 

八幡「……あぁ。」

 

アルダン「貴方が私のトレーナーで、私は本当に………幸せでした。見届けてください。兄様と積み上げてきた【今】が約束された歴史を穿つ瞬間を。」

 

八幡「……あぁ、行ってこい。」

 

アルダン「はい、行ってきます。」

 

 

アルはすっかりレースに臨むウマ娘の顔になっていて、表情も目も真剣そのものだった。それは去年と同じかもしくはそれ以上だ……今年こそは勝ちたいしな、天皇賞。

 

 

ーーー観覧席ーーー

 

 

実況『府中の東京レース場に最強が集いました!歴史的レースの幕開けは、もう間も無くとなります!残すはただ1人、今回の天皇賞・秋の1番人気………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メジロアルダンですっ!!春の中距離最強ウマ娘が姿を現しましたっ!!』

 

 

クリーク「ふふっ……凄い仕上がりですね~。」

 

イナリ「良いじゃねぇか!これで役者は揃ったな!」

 

オグリ「………凄いな。だけど、私も負けない。」

 

アルダン「始めましょう。私達の【天皇賞・秋】をっ!」

 

 

今日のアルダンの仕上がりはこれまでで1番良い出来になっている。これまでの最高は日本ダービーだったが、その時よりももっと良い状態だ。今日のレースでは間違い無く上位に食い込むだろう………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いいや、必ず1着を獲ってくれるだろう。

 

 

 

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