アルダンside
天皇賞・秋から1週間が経過した日曜日。私達チームと兄様はお婆様から招待を受けて今はメジロ家に来ています。ご用向きは先日の天皇賞制覇の祝勝会を開きたいとの事でした。元々兄様は日曜日を休日としていますので、前日からメジロ家に帰っているというわけです。
そして今は午前10時頃、私は両親と共にお茶をしているところです。両親とこのように静かな時間を過ごすのは久しぶりに感じます。
ヒリュウ「トレーナーさんは今、コース場に行っているみたいよ。何でもやりたいトレーニングがあると言っていたみたいよ。」
アルダン「兄様はご自身の身体を使って私達の新しいトレーニングメニューを考えてくださっているのです。恐らくですがその一環かと。」
父「トレーナーさんはそんな事もしているのか……」
アルダン「私もいつ兄様がトレーニングをしているのか知りませんでしたが、今日ハッキリと分かりました。休日にもこうして研鑽をされているのだと……」
ヒリュウ「その研鑽があったからこそ、貴女や他の子達もメキメキと力を付けているのでしょうね。」
アルダン「えぇ、本当に。」
ガチャッ
アサマ「失礼いたします。」
ヒ・父・ア「お母様(お婆様)っ!」
アサマ「家族水入らずでお茶会のところすみませんね。」
父「いえいえ、お母様もよかったらどうですか?お仕事ばかりでは帰って根を詰め過ぎてしまいます。それに今日は祝いの日なのですから、程々に。」
アサマ「そうですね……ではお言葉に甘えて同席させていただきましょう。」
ヒリュウ「もう1つお茶をお願い。」
「かしこまりました。」
アサマ「……もしかすると、こちらのお茶菓子は比企谷トレーナーが?」
アルダン「はい、よかったら家族でといただきました。」
お婆様の前に紅茶が置かれたところで改めてお茶会を再開しました。
アサマ「ところでアルダン、貴女に1つお尋ねしたい事があるのですが、よろしいですか?」
アルダン「?はい、私にお答え出来る事であれば。」
アサマ「アルダン、貴女はトレーナーさんに恋愛感情を抱いていませんか?」
アルダン「っ!?/////」カアァ…
アサマ「……その様子で分かりました。どうやらそのようですね。」
アルダン「あ、あの……い、いつからっ!?/////」
ヒリュウ「正直に言うと、私は年末年始の集まりの時から気付いてたわ。」
父「そんなに早いタイミングで気付いてたのかい?僕はアルダン以外の皆でお茶をした時だよ?もしやお母様も早い段階に?」
アサマ「私もヒリュウと同じタイミングですね。」
アルダン「そ、そんなに早くから……///」
アサマ「先に申しておきますが、私は比企谷トレーナーとの交際に反対するつもりはありません。寧ろどのようにしてメジロ家に留めようかと考えていたところです。」
ヒリュウ「お母様ったら……まぁでも、後はトレーナーさんのご意思を聞くだけじゃないかしら?ねぇアルダン?」
アルダン「に、兄様にはまだ1度もその手の話をした事がありませんので……それに、もしかしたらお相手が居るかもしれませんし……」
父「あぁ、それなら問題無いよ。彼と個人的に電話する事が時々あるんだけどね、彼は職業的にそういう出会いに関しては既に諦めているみたいなんだよ。付き合う側からすれば落ち着かないだろうしね、ウマ娘のトレーナーは。」
お父様は兄様とそのような会話を……初耳です。
ヒリュウ「それじゃあチャンスね。アルダン、今の内にトレーナーさんにアタックしなさいな。もしくは結婚を前提にお付き合いをするとか。」
アルダン「で、ですが兄様は私達とは違って一般の男性です。そのようなお話は少々重たく感じないでしょうか?」
ヒリュウ「それならもう思い切って貴女から今から付き合うくらい言ってみたら?」
アルダン「………分かりました、兄様に気持ちを伝えたいと思います。」
父「うん、それが良いよ。トレーナーさんならきっとアルダンの気持ちをしっかり受け止めてくれる筈だから。」
アルダン「はい……///」
アサマ「アルダン、気持ちを伝えるタイミングは貴女に一任します。私達に唆されて伝えるよりも自分のタイミングでお伝えした方が納得するでしょう。今日無理に伝えなくても大丈夫ですからね。」
アルダン「分かりました。」
兄様にこの気持ちを……どのように伝えましょうか……///
アルダンsideout
八幡side
八幡「ふぅ………」
ばあや「トレーナー様、タオルでございます。」
八幡「あっ、どうも……すみません、なんか待たせてしまったみたいで。自分の事でしたら気にせずお仕事に戻ってもらって構いませんよ?」
ばあや「お心遣いありがとうございます。ですがご安心ください、本日は奥様より暇を貰っております。なのでこちらにお邪魔しているのは私の意思でございます。トレーナー様におかれましては、アルダンお嬢様に多くの勝利をもたらしてくださり誠にありがとうございます。そのお礼というわけではございませんが、微力ながらトレーナー様のお手伝いをさせていただきたく、勝手ながらトレーナー様のトレーニングのサポートをさせていただきたく思います。」
八幡「はぁ……まぁ、そういう事でしたら。もししたい事が出来たらいつでも抜けてくれて構いませんので。」
ばあや「ありがとうございます。お手伝い出来る事があれば何なりと申し付けください。」
八幡「分かりました、よろしくお願いします。」