比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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デート当日

 

 

八幡side

 

 

八幡「………」

 

 

俺は今、都内のとある場所で待ち合わせをしている。今日は12月28日の日曜日……そう、有マ記念の開催日だ。今年も錚々たるメンバーが中山レース場に集まっていて、学生やトレーナー達もこぞって観戦に行っている。勿論、ウチのメンバーも殆ど観戦しに行っているし、後学の為にもと俺も勧めたしな。だから今日の都内はかなりがらんとしているような感じだ。いつにも増して一通りが少なく感じる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まぁ、今日の俺は中山レース場には行かないんだけどな。

 

 

アルダン「兄様。申しわけございません、お待たせいたしました。」

 

八幡「いや、そんなに待ってない。」

 

アルダン「それにしても……人が少ないですね。」

 

八幡「きっと中山レース場に行ってるんだろう。でなきゃこの人の少なさは納得出来ない。」

 

アルダン「兄様も気になりますか?」

 

八幡「気にはなるが、後で映像で見返せばいいだけの事だ。それで、どうする?プランとか考えてないんだが。」

 

アルダン「ご安心ください、私の方で練ってありますので。もしつまらなければ、いつでも申してください。」

 

八幡「プランすら作ってない奴がそんな事言う資格なんて無いだろ。」

 

アルダン「兄様は少しご自身を卑下し過ぎですよ?この日にお出かけしたいと提案したのは私なのですから、私が諸々のプランを練るのは当然の事です。」

 

 

そう……なのか?

 

 

アルダン「では、参りましょう?」

 

八幡「あぁ。」

 

 

この時俺は特に意識はしていなかったのだが、アルダンは俺の腕に自身の腕を絡ませ、抱き着いてきた。あまりにも自然だったから、俺も指摘する事が出来なかった。

 

 

八幡「なぁアル、先に書く事では無いとは思うんだが、今日ってウチに来る予定とかあったりするのか?」

 

アルダン「っ!い、いえ……その予定は組んでありません。流石に兄様のご相談無しに勝手にというのは、私も気が引けましたので。」

 

八幡「そうか、少し安心した。ちょっと前までのお前なら、そういう事もやりかねなかったからな……」

 

アルダン「あの時は本当に申しわけございません。兄様のご新居に行ってみたいという気持ちが強く……」

 

八幡「いや、責めてるわけじゃない。あの頃が懐かしいと思っただけだ。まだ数ヶ月しか経ってないけどな。」

 

アルダン「住み心地はいかがですか?お住みになられてから半年以上が経ちましたが。」

 

八幡「快適に過ごせている。あの物件を選んだのは正解だった。」

 

 

だって住んでる間は家賃光熱費を向こう持ちなんだぞ?幾ら俺がメジロお抱えの専属トレーナーとはいえ、これは破格の待遇だ。やっても家賃数割免除とかそのくらいなのに……親とそのまた親の力ってすげぇわ。

 

 

アルダン「またお邪魔してもよろしいでしょうか?」

 

八幡「味占めてんじゃねぇよ。」

 

アルダン「ふふふっ♪」

 

八幡「それよりも、目的地も無く歩いているわけじゃ無いんだろ?何処に向かってるんだ?」

 

アルダン「公園です。」

 

八幡「公園?」

 

 

ーーー公園ーーー

 

 

八幡「本当に公園だ………」

 

アルダン「今日の都内は比較的気温が暖かいみたいなので、こうして外に出ていてもある程度は平気です。」

 

八幡「けどよ、何でまた公園?」

 

アルダン「兄様、今は少しでも休む事に専念してください。休み方は何でも構いません。」

 

八幡「突然だな……」

 

アルダン「兄様がパーマーとライアンの為にご尽力されているのは私だけでなく他の子達も知っています。ですが、そのせいで兄様がご無理をされるのは誰も望みません。」

 

八幡「……お前にはお見通しだったって事か。」

 

アルダン「私達が寮に帰る時も、兄様のトレーナー室の明かりがついていましたので。いつもならトレーニングを終えたら帰宅する兄様が帰らない理由、それはつまり2人の事……それしかありませんから。」

 

 

顔には出せていなくても、行動で丸わかりだったって事か。

 

 

八幡「分かった、少し休ませてもらう。」

 

アルダン「今日は気温だけでなく陽も出ていますから、暖かいですよ。」

 

八幡「そうみたいだな。」

 

 

俺は少しだけ目を瞑ってリラックスする事にした。

 

 

八幡sideout

 

アルダンside

 

 

アルダン「……やっぱり、すぐにお休みになりましたね。」

 

八幡「すぅ……すぅ……」

 

 

連日、兄様は2人のレースや私達のトレーニングの為にいつも懸命にお仕事をなさってくださいます。ですがそれが影響してご自身の健康を損なうような事は私も他の皆も望みません。今だけでもお休みください。

 

 

アルダン「………1人だと、少々退屈ですね。」

 

「ねぇママ〜!あそこにウマ娘さんと男の人居るよ〜!」

 

「そうね〜。」

 

「僕知ってるよ!ああやって仲の良い2人の事を、おしどり夫婦って言うんだよね?」

 

「そうかもしれないけど、どこでそんな言葉を覚えたのかしらね〜?」

 

 

おしどり夫婦……ふふっ、とても良い響きの言葉ですね。

 

ですが今はまだ学生とトレーナー、そういう関係になるのはもう少し先になりそうです。

 

 

アルダン「そうなりましたら、今の呼び方も変えなければなりませんね。名前にさん付け……それともあなたの方が良いでしょうか?」

 

 

 

 

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