八幡side
アルダン『八幡さん、私のこの想い……どうか、受け止めてはいただけないでしょうか?』
………今の言葉って、やっぱそういう事だよな?アルは最初は俺の事をトレーナーとして見ていたが、今は異性として見ている。本当に今まで気が付かなかったし、アルに言われて初めて気が付いたくらいだ………っ!もしかしてアルの両親がこの前家に来たのはそういう理由だったとか?だとすれば合点が行く。けどそうだとすれば、アルとアルの両親は家族総出で俺を引き抜きに来ているという事になる。いや、引き抜きという表現は正しくないな、何て言うんだこういうのって?婿養子にさせるが正確か?
アルダン「あの、八幡さん……やはり今すぐのお答えは難しいでしょうか?」
八幡「っ!あぁいや、ちょっと唐突だったからな。」
アルダン「そうでしたか……あの、急かすようで申しわけございませんが、お答えは?」
八幡「………正直に言う、俺はお前にそういう感情は抱いていない。けどお前がそういう感情を俺に向けてくれているのは正直に嬉しく思っている。勿論これは本当の事だ、さっきも言ったように俺は交際とか結婚とかそういうのは既に諦めていたからな。だから付き合うとかそういうのはよく分からん。」
アルダン「そうですか……」
八幡「………」
アルか……家柄は申し分無い。何せ名家のお嬢様、聡明であり品性もある。性格に関しては3年間見てきたから分かる。物腰も柔らかいし、人当たりも良い。俺が見てきた異性の中では1番、清楚という2文字が似合う。お嬢様という点を除いても女性としては魅力的だと言えるのは間違い無い。
八幡「……なぁアル、1つ聞いてもいいか?」
アルダン「っ!はい、何でしょうか?」
八幡「もし俺達が交際したとしよう、お前はどのくらい俺の事を信じられる?」
アルダン「……それは、どういう意味でしょう?」
八幡「そのままの意味だ。」
アルダン「……勿論、全てです。」
八幡「その理由は?」
アルダン「八幡さんは出会った私の事を信じてくださいました、何の根拠も無い私の言葉を……それだけでも私は八幡さんに全幅の信頼を預けるに値する殿方だと感じております。加えて私をここまで鍛え上げてくださり、我が家の悲願を手にするだけの力まで授けてくださりました。この3年間、共に歩んできたからこそ分かります。貴方には私の全てを預けられる、と。だからこそ、全てです。」
八幡「………そうか。」
アルダン「………」
八幡「アル。お前のその申し出、受け入れる。」
アルダン「っ!」
八幡「けど、俺はそういうのに全く詳しくない。だから一般的なそれとは全く異なる付き合い方になると思う、それでも構わないか?」
アルダン「はい……はい、勿論です八幡さんっ!」ウルウル
八幡「それじゃあ、まぁ……これからよろしく頼む。」
アルダン「はい、八幡さん……///」
アサマ「今日はとてもおめでたい日となりましたね。アルダン、それに比企谷トレーナー。」
アルダン「お婆様っ!?」
八幡「メジロアサマさんっ!?」
アサマ「申しわけございません、勝手ながら観察させていただきました。比企谷トレーナー……いいえ、これからは孫婿殿と呼んだ方がよろしいでしょうか?いえ、やはり八幡さんの方が親しみやすいでしょうか。」
………まさかメジロアサマさんが覗きに来ていたなんて。しかも呼び方まで勝手に進めてるし……まだ結婚もしてないのに気が早過ぎるだろ。
アサマ「貴方達もこちらに来なさい。この話を私に持ち掛けたのは貴方達でしょう。」
父「す、すみませんお母様……出るタイミングが中々見つからず。」
ヒリュウ「アルダン、お久しぶりね。トレーナーさんもご無沙汰しております。いえ、もう義息子ですね。」
八幡「すみません、それはまだ早いと思います。まだ交際をしたばかりなので。」
父「けどね八幡君、娘と交際したからにはメジロ家は君を逃がすつもりはもう無いよ?それとも八幡君は僕の大事な娘を不幸にするつもりなのかな?」
八幡「い、いや、そんなつもりは毛頭ありませんけど……」
アサマ「その辺にしておきなさい。ですが八幡さん、彼の言う事には一部賛同しております。メジロを束ねる身として、私は貴方を手放す気はありません。既にメジロ専属のトレーナーとなっているという事もありますが、貴方程の殿方をみすみす手放すなんて事はしたくありませんから。勿論、交際するからにはアルダンとの結婚も視野に入れていただきます。」
おいおい、話がどんどん膨れ上がってるんだけど?俺、たった今アルと付き合い始めたばかりなんだけど?それなのにどうしていきなりご両親とメジロアサマさんが口を挟んできてるんだ?しかも結婚もしてないのに呼び方も変わってるし。
アサマ「……色々と言いましたが、第1はお2人が良好な関係のまま結婚してくだされば、私は文句はありません。」
アルダン「あ、あの……お話が飛躍し過ぎているのですが………///」
ヒリュウ「あら?じゃあアルダンは八幡君と結婚したくないの?」
父「こんな男性は他に居ないよ?」
アルダン「け、結婚したくないというわけでは……/////」
ヒリュウ「じゃあ絶対に結婚しなさい?というよりも今すぐ結婚を前提としたお付き合いをするべきよ。八幡君だってそう思うでしょう?」
八幡「どうしてそこで俺に振るんですか……」
アサマ「では結婚を前提とした交際にいたしましょう、それでよろしいですね?」
俺としては断る理由は無いのだが、アルダンがめっちゃこっちを見てくるからそうせざるを得なかったというわけだ。