比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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和解

 

 

八幡side

 

 

エアグルーヴとアドマイヤグルーヴが併走してから3日が経った。あれからは1度も向こうにはアプローチをかけてはいないが、トレーニングをしている場面は見ていない。エアグルーヴもアイツと会っていないからか、少しだけ浮かない表情をしている時がある。声をかけたいところではあるのだが、エアグルーヴもその事は1番分かっているだろうから、静観する事にした。

 

 

八幡「………」カキカキ…

 

 

コンコンコンッ

 

 

八幡「どうぞ。」

 

ドゥラ「……失礼する、トレーナー。」

 

八幡「?珍しいな、お前が此処に来るなんて……どうした、トレーニングメニューでも欲しいのか?」

 

ドゥラ「いや、そうじゃない……グル姉が併走したアルヴさんの事だ。」

 

八幡「アイツがどうかしたのか?」

 

ドゥラ「いつもは姿を見せるコース場で全く見なくなった……彼女のクラスメイトの話では、怪我も特にしていないのは分かったのだが、学園が終わったらすぐに何処かへ行ってしまうと聞いた。」

 

八幡「……何が言いたいんだ?」

 

ドゥラ「………アルヴさんを探すのを、手伝ってほしい。」

 

八幡「……エアグルーヴには相談しなかったのか?」

 

ドゥラ「併走の事をグル姉に聞いた。だからグル姉には頼みにくい……」

 

 

俺はいいのかよ……

 

 

八幡「……そうだな~、お前はどの辺りを探したんだ?」

 

ドゥラ「この学園の近くでトレーニングが出来そうな所は粗方探したのだが、何処にも居なかった。」

 

八幡「そんな所に居るわけ無いだろ。アイツの性格をよく考えろ、例えばお前が1人でトレーニングしたい時は何処に行く?」

 

ドゥラ「………っ!」

 

 

どうやら心当たりがあるようだな、まずはその場所からだな。

 

 

ーーー河川敷ーーー

 

 

ドゥラ「……居ないみたいだ。」

 

八幡「まぁニュアンスは間違ってないと思う、此処でもトレーニングは出来ると思うが満足のいくトレーニングは出来ないだろうな。じゃあ俺が思いついた場所に行くぞ。」

 

ドゥラ「そんな場所が本当にあるのか?」

 

 

ーーーフリースタイルレース会場ーーー

 

 

ドゥラ「此処は……」

 

八幡「俺も来たのは1度だけだが、此処はフリースタイルレースっていう野良レースが行われている会場でな。普段もやってるんだが、この時間になるとレースをやってるウマ娘は居ない。ほら、あそこ見ろ。」

 

ドゥラ「……っ!」

 

 

俺が指差す方向にはアドマイヤグルーヴが走っていた。その走りは明らかにリズムが崩れていて、手足の統制すら取れていない走りだった。

 

 

八幡「探してやるって依頼は達成した、後はお前次第だ。」

 

ドゥラ「………」

 

 

割と簡単に見つかってよかった、こんな事に時間を取るのもバカらしいしな。さて、学園に戻るか。

 

 

ドゥラ「トレーナー。」

 

八幡「ん?どうしたドゥ……」

 

アルヴ「………」

 

八幡「………?」

 

 

え、何?どういう事?何で目の前にアドマイヤグルーヴが?

 

 

八幡「……なぁドゥラ、これどういう事?」

 

ドゥラ「トレーナー、私はアルヴさんから相談を受けていたんだ。どうすれば和解出来るのかと。」

 

八幡「……和解?(何の?)」

 

ドゥラ「アルヴさんはグル姉と併走する前に言ってしまった事を後悔している。加えてグル姉との併走で負けてしまったのも相まってしまってな……」

 

八幡「成る程、エアグルーヴとの和解って事か。」

 

アルヴ「……この前の併走で、私は完全に敗北しました。それだけじゃない、エアグルーヴさんを侮辱した上での敗北です。平謝りしただけでは気が済みません……」

 

八幡「エアグルーヴだったらそんな些細な事は気にしないと思うが、お前が謝りたいんだったらその気持ちをそのまま正直に伝えるのが1番なんじゃないのか?」

 

アルヴ「………」

 

八幡「……どうしても話しにくいってのなら、花なんてどうだ?」

 

ドゥラ「っ!ならば、カスミソウはどうだろうか?グル姉から聞いた事がある、カスミソウの花言葉は【感謝】【優しい心】【謝罪】だと。」

 

八幡「ならその花を机に置いておくのはどうだ?アイツならすぐに意味は理解するだろう。」

 

アルヴ「……そうします。」

 

 

心なしか、少しだけ表情が明るくなった気がした。

 

 

八幡sideout

 

エアグルーヴside

 

 

バブル「やぁエアグルーヴ、おはよう!」

 

エアグルーヴ「あぁ、おはよう。」

 

バブル「今日のテストでは負けないよ。」

 

エアグルーヴ「ふっ、望むところだ。」

 

 

ガラガラ

 

 

エアグルーヴ「?あれは……」

 

バブル「アンタの机の上に贈り物みたいだね。」

 

 

これは……カスミソウだな。一体誰がこの花を……っ!いいや、そんな奴は1人しか居ないな。

 

 

エアグルーヴ「不器用な奴だ。こんな事をせずとも、素直に言ってくれればいいものを。」

 

バブル「知り合いからかい?」

 

エアグルーヴ「あぁ、不器用な後輩からだ。」

 

 

その後はいつも通りの日常に戻った………のだが。

 

 

アルヴ「トレーナー、トレーニングの事で相談したいのですが、よろしいでしょうか?」

 

八幡「お前、最近よく来るけど……どうした?エアグルーヴとは和解したんだろ?」

 

アルヴ「はい、トレーナーのアドバイスのおかげです。あの後にエアグルーヴさんからアドバイスをいただきました。少しは他人に頼れと。」

 

八幡「うん、まぁ間違って無いとは思うが……」

 

 

その最初に頼る相手が俺だってのはどうなんだ?

 

 

 

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