八幡side
10月の京都レース場、天気は晴れで芝の状態も良い。今日は待ちに待ったカレンのデビュー戦の日だ。本人も前日にはやる気充分の表情な上に追い切りだった為、あまり心配はしていない。しかしレースは何が起きるか分からない、油断は禁物という事は伝えるつもりだ。
そしてカレンが走るデビュー戦は第6Rでもうすぐパドックの時間になる為、出走するウマ娘の入場時間でもある。
実況『注目の1番人気、8枠16番、カレンチャンです。』
『きゃあああああ~~~カレンチャン~ッ!!』
『うおおおおおお~~~カレンチャン~ッ!!』
カレン「皆さ~ん、応援してくださいね~!」
解説『流石は今人気のウマスタグラマーですね、素晴らしい人気っぷりですね。そして今日の調子も絶好調みたいですね。追い切りの投稿をアップしていましたが、とても良い走りでしたよ。これは今日のレースも期待出来そうですね。』
実況『解説さん、ひょっとしてフォロー『いえ、していませんよ。』……そ、そうですか。え~…以上、16人のウマ娘でした。』
実況の人、何で解説の人に聞こうと思ったんだ?けど確かに解説の人がそこまで見るのかっていう疑問はあるけどよ。
解説(娘の影響で見始めたとはいえ、今では娘以上のファンになっているとは言えない………)
ーーー控え室ーーー
カレン「お兄ちゃん、カレンのパドック見てくれた?」
八幡「あぁ、見た。周りに笑顔振り撒いてたな。」
カレン「お兄ちゃん、その言い方はかわいくな~い……笑顔をお届けしてたのっ!」
八幡「じゃあそういう事にしておこうか。じゃ、作戦を伝えるぞ。分かっているとは思うが、距離は1,200mだから他のウマ娘のスピードに呑まれないようにしろよ。そして位置は前につけろ、得意な先行策でいけ。」
カレン「うん、じゃあ3~4番手くらいでいいかな?」
八幡「そうだな、そのくらいの位置で構わない。それと脚を使うのは4コーナーを過ぎてからにしろ、それまでは前についていくだけでいい。それまでは様子を見ながらポジションをキープしろ。」
カレン「は~いっ♪」
八幡「最後にもう1つ、油断はしないようにな。」
カレン「うん、分かった!」
八幡「それじゃあ、行ってこい。」
カレン「カレン、行ってきま~すっ!」
ーーー数十分後・観覧席ーーー
実況『京都レース場第6R、デビュー戦。芝の1,200mの6ハロン戦が間も無く発走されます。1番人気は大外16番のカレンチャンが圧倒的な支持を集めています。このデビュー戦を制して次のステップに進めるでしょうか?2番人気には6番デンコウセッカチ、続く3番人気にはプリティスターとなっております。』
八幡「さて、どんな走りをしてくれるのか……」
実況『さぁ枠入りが着々と進んでいきます。そして最後に1番人気のカレンチャンがゲートに入りました!さぁ、ここから未来の電撃スターが生まれるのでしょうか!?』
ガッコン!!
実況『スタートしましたっ!最初に行ったのはプリティスター!その後続いてエリモレインボー、最内クイーンフラワーと大外カレンチャンが重なるように3番手を追走!その後ろ、同じ枠組のホワイトミーナとデンコウセッカチ!ポツンと1人ギンマクが続いて少し下がったアンムート。800の標識を通過しました!隊列が変わらないまま中間地点を過ぎていきます!』
カレン(脚を使うのは直線に入ってから……それまでは周りを見ながらポジションをキープ!)
実況『電撃6ハロンの勝負はここから!第4コーナーを曲がって直線コースに入りました!先頭は変わらずプリティスターだが、カレンチャンが一気に抜けてきましたっ!プリティスターも懸命に粘っている!後続も頑張っているが中々追い上げられないっ!先頭はカレンチャン!1バ身、2バ身のリードを保ってゴールインッ!!人気に応えましたカレンチャン、堂々の1着でフィニッシュです!2着に10番プリティスター、3着に7番エリモレインボーと続いています。その後4着クイーンフラワーと5着がホワイトミーナとなりました。逃げ、先行のウマ娘が残る結果となりました!』
解説『カレンチャンの位置取りは素晴らしかったですね。いつでも抜け出せる位置に居ただけでなく、最後はしっかりと伸びていましたからね。これはレベルが違いました。他のウマ娘も決して悪い走りではなかったのですが、今回はレベルが違いましたね。』
八幡「……確かに、レベルが違ったな。直線だけで2バ身も引き離すか……年を越す前に重賞を走らせるのも良いかもしれないな。」
にしてもアイツ………
カレン『皆~応援ありがとうございま~すっ♪皆のおかげでデビュー戦を勝つ事が出来ましたっ!これからも応援、よろしくお願いしま~すっ♪』
ファンサービスはきっちりとする辺り、アイツらしいな。この調子ならファンは右肩上がりだろう、まぁ俺の知った事では無いが。
八幡「とりあえず下に行ってお出迎えするか。これからインタビューもある事だし。」