八幡side
時が経つのは早いもので、もう約束の日曜日が来てしまった。俺は今、車を千葉に向けて走らせている。後ろの座席には俺の担当ウマ娘のカレンチャンが座っているのだが、今日が楽しみだったのかは分からんが、以前に見た私服とは変わってかなり気合いの入ったような服装だった。一言で表すのなら………ゴスロリ系?
八幡「……なぁ、そんなに楽しみだったのか?」
カレン「うんっ♪だってお兄ちゃんの妹さんに会えるんだもん、楽しみじゃないわけ無いよ〜!」
八幡「たかが担当トレーナーの妹に会うだけでそんなになるかね?」
カレン「そういうお兄ちゃんは妹さんに会うのって数年ぶりなんでしょ?嬉しくないの?」
八幡「嬉しくないわけは無いと思うが、実際に会ってみない事にはなぁ……何とも言えん。」
カレン「ふぅ〜ん……じゃあカレンがトレーナーになる前のお兄ちゃんの事とか色々と聞き出しちゃうからっ!」
八幡「別に構わんが期待しているのとは斜め下の回答が返ってくると思うぞ。」
今の俺とは全然違うしな……いや、性格は対して変わってねぇか。社畜してるくらいだな。
ーーー千葉駅周辺ーーー
八幡「もうすぐ駅に着くからな。小町がどっちに乗るか分からんが、多分後ろに乗ると思うからスペース空けておいてくれ。」
カレン「は〜いっ♪どんな人なのかなぁ〜?声を聞く限りでは明るい人だっていうのは分かったけど、顔までは分からないからなぁ〜。」
本当に楽しみにしてたんだな……さっきも聞いたけど。
カレン「あっ、千葉駅だ〜!」
八幡「ん〜……こっからじゃ流石に分からないな。一応車で行くって事は知らせてるけど、どんな車かは言ってなかったしな。カレン、迎えに行ってくれないか?サプライズだ。」
カレン「いいけど、カレン妹さんの顔分かんないよ?」
八幡「DMに写真付いてなかったか?」
カレン「あっ、ホントだ!この人が……」
八幡「小町な。まぁ私服だろうし、その写真とは変わらないだろうから、見つけたらこの車まで誘拐してくれ。」
カレン「は〜いっ♪分かりました〜♪」
そして車は千葉駅のすぐ乗り降り出来る所に停車させて、カレンに小町の迎えに行かせた。周りがヤバい事になりそうではあるが、アイツにも少しは有名人がすぐ近くに居るという感覚を味わってもらおう。
八幡sideout
カレンside
カレン「♪〜♪〜」
さって〜小町さんは何処かな〜?綺麗な顔してたからすぐに分かると思うんだけど〜………あっ!
カレン「小町さん、ですか?」
小町「ん?あれ、もしかしてカレンチャン本人っ!?」
カレン「は〜い、カレンチャンですっ♪お迎えに来ました〜♪」
小町「ありゃりゃ〜まさかカレンちゃんがお迎えに来てくれるなんて予想外だったよ……しっかし端正なお顔ですね〜。」
カレン「ありがとうございま〜すっ♪」
「おい、アレって……」
「間違いない、Currenだ!!」
「え、本物っ!?」
「絶対本物だって!!ヤバ、超可愛い〜!」
カレン「此処に居ると目立っちゃうので、早く移動しましょうか!お兄ちゃんも車の中で待ってるので!」
小町「う、うん!」
はい、というわけで1名様ご誘拐で~すっ!
カレン「お兄ちゃ~ん、連れてきたよ~!」
八幡「おう、ご苦労さん。よし、じゃあ出発するか。」
小町「ちょっとお兄ちゃん!周りに人が集まってるんだけど!?」
八幡「有名人が居るとこうなるんだよ。お前も少しは思い知っただろ。さて、じゃあ移動するぞ。とりあえずららぽに行くからな。」
カレン「お兄ちゃん逃げて逃げて~♪」
ーーーららぽーと・駐車場ーーー
八幡「……よし、とりあえず落ち着ける所に来れたな。久しぶりだな小町。」
小町「久しぶりじゃないでしょお兄ちゃん!何でこんな再会になっちゃったのさ!?」
八幡「いいだろ別に。涙でメイクがぐちゃぐちゃになるよりかはマシだろ?」
小町「その気遣いは普通に嬉しいんだけどさ、周りの騒ぎ方が凄かったんだけど?」
カレン「すみません、カレンがお迎えに行っちゃったばっかりに……」
小町「あぁいいのいいの!カレンちゃんは何も悪くないから!寧ろ迎えに来てくれてありがとうだからさっ!」
八幡「まぁ小町にも人に囲まれるっていう体験をしてもらったわけだが、この後も色々と付き合ってもらうからな。っていうか千葉の案内頼む。」
小町「それはいいけどさ、お兄ちゃんもちゃんと案内してよ。」
八幡「俺だって千葉に帰ってくるのは8ヶ月ぶりなんだ、知らない店とか増えてたりするかもだろ?それに俺、あんまり出歩いてなかったからそんなに知らないし。」
小町「引きこもりしてた事を出歩いてなかったって言い換えてる辺りはポイント高いって事にしておくね。」
カレン「あはは、2人って本当に仲が良いんだね!」
八幡「まぁそれなりにはな。」
小町「お、お兄ちゃんが普通の返しをしたっ!?」
八幡「昔の俺のままだと思わない事だ。俺だって大学から社会を経て少しは変わったんだから。」
小町「自分で言うのはポイント低いかも。」
八幡「酷い……」