比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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反省会

 

 

八幡side

 

 

阪神レース場の全てのレース過程が終了して、俺とカレンは車で学園に帰っている最中だ。カレンは助手席に座っているのだが、いつもの態度とは違って落ち込んでいる様子だった。まぁ今日のフィリーズレビューは6着だったからな、初めての敗北が着外だし無理も無いか。反省会なら明日にするって話したから今は特に話す事が無いから無言の状態だ。俺は別に気まずいとは思わないが、こういう時に何を話したらいいのか分からない。

 

 

カレン「………」

 

八幡「………」

 

カレン「……ねぇ、お兄ちゃん。」

 

八幡「ん?」

 

カレン「ちょっとお話出来なかなって……」

 

八幡「……じゃあ次のサービスエリアで休憩するか。」

 

 

ーーーサービスエリアーーー

 

 

八幡「ほい。」

 

カレン「ありがとう……」

 

八幡「んで、何を話したいんだ?」

 

カレン「……今日のレースの事なんだけど、此処で反省会したいなって。」

 

八幡「そうか……分かった、じゃあするか。」

 

カレン「まずは……勝てなくてごめんなさい。」

 

八幡「俺は別に気にしてないから、その謝罪は必要無い。」

 

カレン「それでさ、お兄ちゃんはどこがいけなかったと思う?カレンは4コーナー手前でコースが見つけられなかったからだと思うんだ。」

 

八幡「そうだな……確かにそれもあるが、根本的な原因ではない。小さいのが1つと大きいのが1つ、全部で2つだ。」

 

カレン「2つ?」

 

八幡「あぁ。1つはカレン、お前自身だ。位置取りがあまり良くなかったな。他のウマ娘が前に行くのに対し、お前は少し堅実に行き過ぎたな。そのおかげで脚を溜められたという利点はあったが、結果的に進路が塞がって前に抜け出せなかった。レースの評価で言うなら最初でミスをしていたって感じだな。小さい原因だ。」

 

カレン「………」

 

八幡「んで次の大きい理由だが、他のウマ娘だ。」

 

カレン「え?」

 

八幡「能力的に言えばカレンが上だ。お前自身、その事に少しも驕りは持っていないし鼻にかけたりもしていないのは俺がよく分かってる。だが今日のパドックやゲートに入る前、お前他のウマ娘の表情とか見てたか?」

 

カレン「う、ううん……」

 

八幡「だろうな。全員がとは言わないがお前の事を睨みつけてたぞ。」

 

カレン「気付かなかった……」

 

八幡「理由は目に見えてる、今回のレースではお前が1番人気だし、狙われやすい対象だからだ。しかもインタビュー後には誰もやった事が無いファンサービスまでしていた上に、パドックではライバルよりもファンに目を向けていたからな。ライバルからすれば自分の事は眼中にさえ無いのかと思われちまっても不思議じゃない。」

 

カレン「カレン、そんなつもりなんて無かったのに……」

 

八幡「分かってる、レース前にレース以外の事を考える奴なんてそうそう居ないだろう。だからこそ、他の連中には余計にそう見えちまったんだろう……そしてレースではお前に好きに走らせないように無意識の中で殆どのウマ娘がそう動いてた。だからお前の前にはいつの間にか壁が出来てた。」

 

カレン「……カレン、周りのライバルの子達の事、全く見てなかった。だから負けちゃったんだ………」

 

 

少しは自分の反省すべきところが分かったみたいだな。それだけでも次からのレースへの意識は変わるってもんだ。次の葵Sはきっと今日よりも良いレースが出来るだろう。

 

 

カレン「ねぇ、その時点でお兄ちゃんはカレンのいけないところに気付いてたんだよね?」

 

八幡「まぁな、だから今日のレースは厳しい内容になるとは薄々思っていた。けど敢えてその事を言わなかったのは自身で気付いてほしいと思っていたからだ。まぁ、こうして答えを出しちまったけどな。」

 

カレン「でも、次からはカレンも気を付ける。だからお兄ちゃん、カレンに他の人の観察の仕方を教えてくださいっ!」

 

八幡「……何でそうなる?」

 

カレン「だってお兄ちゃんは遠くで見ただけなのに、その表情に気付いたんでしょ?その観察の仕方をカレンにも教えてっ!」

 

八幡「……そこまで身に付ける必要は無い。チラ見して自分に対して良い視線を送ってない奴だけ把握出来ればそれでいいんだよ。とりあえず反省会はこれで終わりだ。次の葵Sは巻き返していくからな。」

 

カレン「うんっ!明後日からもよろしくお願いしますっ!あっ、お兄ちゃん、サービスエリアでソフトクリーム買ってほしいなぁ~。」

 

八幡「はいはい、分かったよ。」

 

 

ーーー栗東寮ーーー

 

 

カレン「送ってくれてありがとうお兄ちゃん。また明日、学園でねっ!」

 

八幡「あぁ、今日と明日でゆっくり休めよ。次の葵Sに向けて1ヵ月はハードにしていくからな。」

 

カレン「お兄ちゃんもゆっくり休んでね?大阪から此処までずっと運転してて疲れたでしょ?だからお兄ちゃんも今日は早く寝てね?」

 

八幡「分かった、じゃあ明日は俺もゆっくり来る事にするか。」

 

カレン「それじゃあお兄ちゃん、バイバ~イッ!」

 

 

……さて、俺もさっさと寮に戻るか。今日の晩飯何にするかな……せっかく大阪に行ったし串カツでも作るか。

 

 

 

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