ライスside
八幡「それで、一体どうしたんだ?」
ライス「えっとね、ちょっとだけお兄様にお願いがあるんだけど……いいかな?」
八幡「よし引き受けた。」
ライス「ふぇ?あ、ありがとう……で、でもまずはお話を聞いてほしいな……」
八幡「それもそうだな、じゃあ話してみてくれ。」
ライス「えっとね、来週の授業に調理自習があるんだけど、ちょっと不安なんだ……だからお兄様にライスのお料理の味見役をお願いしたいんだけど、ダメかな?」
八幡「何だそんな事か、全然構わないぞそのくらい。それで、どんな料理を作るのかは決まってるのか?」
ライス「えっとね、先生からは『メニューは何でもいい。』って言われてるんだ。だからライスはね、ビーフシチューを作ろうと思ってるんだ。」
八幡「(そんな人任せな……)成る程、ビーフシチューか。それじゃあ早速作ってくのか?」
ライス「その前に作ってきたから、食べてくれる?」
八幡「………えっと、ビーフシチューは?」
ライス「あっごめんなさい!いきなり机とかに置いたら邪魔になると思って廊下に置いてあるんだ、ちょっと待っててね。」
えっと、扉のすぐ隣に置いておいたから取りにいかないとね。
ライス「お待たせお兄様、お鍋で持って来たからお代わりも出来るよ。」
八幡「おぉ~助かる。じゃあ………とりあえずお皿とスプーン持って来るか。」
あわわわ、お料理だけ持って来ても食べられないよぉ~!
八幡「それじゃあ、盛り付けもしたところで試食を開始します。」
ライス「お、お願いします……」
八幡「じゃあいただきます。」
ど、どうかな……美味しいって言ってくれるかな?
八幡「おぉ、美味い。ちゃんと出来てる。」
ライス「ホント?」
八幡「あぁ、文句なんて特に無いレベルで。」
ライス「良かったぁ~……」
八幡「うん、何度でも食べられる。」
ライス「じゃあライスも食べよっかな。」
ーーー数分後ーーー
八幡「ご馳走様、3杯もお代わりしちまった。」
ライス「えへへ、お兄様とっても美味しそうに食べてくれたから嬉しかった!」
八幡「ん~……よし、俺も作ってみるか。ライス、このビーフシチューって今日作ったのか?」
ライス「うん、そうだよ。」
八幡「よし、じゃあ俺も今日作るから晩になったらカフェテリアに来てくれるか?」
ライス「うん、分かった。」
お兄様のビーフシチューかぁ~……どんな風になるのかな?
八幡「あっ、使った具材や調味料だけ教えてくれるか?ライスと同じ条件で作るから。」
ーーー数時間後・カフェテリアーーー
ライス「この時間ってやっぱり誰も居ない……あっ、良い匂い~。きっとお兄様が作ってるビーフシチューの香りだよね。」
八幡「おっ、来たか。じゃあ盛り付けるから少し待っててくれ。」
ライス「うん。」
楽しみだな~お兄様のビーフシチューッ♪
八幡「ほい、ビーフシチューお待ちどう。」
ライス「わぁ~美味しそうっ!ねぇ、食べてもいい?」
八幡「あぁ、いいぞ。」
ライス「それじゃあ、いただきま~すっ!あむっ………」パクッ
………美味しい。美味しいけど……ライスが作ったのよりもっと美味しい………
八幡「どうだ、美味いか?」
ライス「ね、ねぇお兄様。このビーフシチューってどうやって作ったの?ライスと同じ具材で作ったんだよね?なのにどうしてこんなに美味しいの?」
八幡「作り方は特に凝った事はしてない。ただ下処理やちょっとした手間を増やしただけだ。」
ライス「それってどんな方法?」
八幡「言っとくがこの方法は調理自習で使えるのと使えないのがあるからな?まず使えないのから。煮込んで寝かせる事だ。俺はコレの調理を終わらせた後、1~2時間くらい煮込ませた。そうしたら具材により味が馴染みやすくなる。」
ライス「調理が終わったらシチューを寝かせる……」カキカキ…
八幡「んで次が使えるのが、肉の使い方だ。俺は野菜と一緒に牛肉も炒めてる。その後に牛肉はしっかりと焼いてるんだが、その野菜と一緒に炒めた時の水を使ってる。」
ライス「え?でも、アレって役に立つの?灰汁抜きはするけど……」
八幡「ブイヨンって知ってるか?フランス語で出汁って意味なんだが、そのブイヨンを使うか使わないかでシチューのコクや深みってのは格段に変わってくる。きっと俺とライスのシチューの最大の差はコレだな。牛肉と野菜の旨味が凝縮されたブイヨンを使って煮込んだシチューとただの水で煮込んだシチュー、たったこれだけでもライスが感じた時みたい味が全然違ってくる。」
ライス「うん、お兄様の作ったシチューの方が美味しかったもん。そっかぁ~……焼く前にお野菜と一緒に煮込んでから焼くんだね。そして煮込んだブイヨンさんは捨てないで、そのままシチューを煮込むのに使えば、お兄様が作ったみたいなシチューになるんだね?」
八幡「そうだな。後は玉ねぎはよく炒めた方が良い、その方が甘味も出るから。」
ライス「……ねぇお兄様、もっと美味しくなるビーフシチューの作り方って知ってる?」
八幡「まぁ隠し味とか肉とかを選べるのならまだやりようはあるぞ?」
ライス「じゃ、じゃあライスにもっと美味しいビーフシチューの作り方を教えてくださいっ!」ペコリッ!
八幡「分かった。確か来週だったな、それまでにちょっとした方法とかを教えながら試作していくか。」
ライス「よ、よろしくお願いしますっ!」
頑張るぞ~……お~っ!