比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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終わる前哨、始まる本番

 

 

八幡side

 

 

八幡「早いもんだな、ホント……」

 

カレン「ねぇ~。思い返すとあっという間だよね~。」

 

八幡「この間まで函館スプリントSに出走する為に北海道に来たと思ったら、次のキーンランドCの為に札幌に移動して1ヵ月半……もうその開催日になった。」

 

 

札幌に来てから既に1ヶ月半、トレーニングもしていたからあまり開催期日とか考えていなかったんだが、現在8月の第5週目……つまり目標レースのキーンランドCの開催当日というわけだ。先週はこの北海道で1番大きい札幌記念の開催日だったから凄い盛り上がりだった、けど今日の熱気も先週に負けてない……その理由はレースを観に来た人達が持っているタオルや芦毛のウマ娘のグッズで分かる。

 

 

「今日のキーンランドC、最前席で応援しますっ!」

 

「自分も函館から札幌まで来ました!今日も勝ちを期待してますっ!」

 

カレン「ありがとうございまぁ~すっ♪」

 

八幡「……レース場に来て早々に大忙しだな。」

 

カレン「函館の時もたくさんの人に囲まれちゃったもんね~。」

 

八幡「まぁありがたい応援団だと思っておけ、そろそろ行くぞ。」

 

カレン「うん。」

 

 

ーーー控え室ーーー

 

 

カレン「準備完了~!」

 

 

カレンは体操服に緑色のゼッケンを着用して試着室か出てきた。今回は外枠の6枠12番からのスタートになる。

 

 

八幡「朝に聞いたから聞く必要も無いとは思うが、調子はどうだ?」

 

カレン「絶好調!今日のレースだって勝ってくるからね!」

 

八幡「このレースに勝てば、次のスプリンターズSへ弾みがつくからな。それに相手は前走の函館からの参戦するウマ娘が多いから、走り方の研究はされていると思った方がいい。だからカレンの事を潰しに来る可能性も考えておけ。

 

 

カレン(という事は、フィリーズレビューの時みたいに前が塞がっちゃうかもって事だよね?)

 

 

カレン「うん、分かった。けど今の枠順だったらその可能性も低いから、周りを見ながら位置を決めてもいい?」

 

八幡「あぁ、分かった。けど後ろ過ぎるなよ?札幌も函館と同じで直線距離が短い、後ろ過ぎると差し切れなくなるかもしれないからな。」

 

カレン「分かった。」

 

八幡「……そろそろだな。」

 

カレン「うん、それじゃあ行ってきます!」

 

 

その後はいつも通り、パドックでウマ娘の紹介が行われたのだが、東京や京都以上の盛り上がりだった。何でなのかは分からなかったが、近くの日との会話で理解した。

 

 

『やっと生でカレン見れた~!北海道で待ってた甲斐があった~!』

 

 

どうやら、本州には行かずこっちで見る方針だったからみたいだ。まぁ、本州からこっちに来る人も居るみたいだけどな。だって………

 

 

パパ『今日の髪艶、尻尾や肌の輝き、笑顔、ウインク………うん、絶好調だね。』

 

ママ『そうね、耳の毛先まで輝いてるわね、今日もピカ一で可愛いわ……』

 

弟『ママ~グッズの当選発表されてたよ!パパとお姉ちゃんが当たってた!』

 

姉『じゃあ私とパパでそれぞれ違うのを選んで買えばコンプリート出来るわねっ!』

 

 

………あの辺だけ異様な雰囲気が出てるから。っていうかマジで何してるんですか?デビュー戦から今日のキーンランドCに至るまで全部観に来てるじゃないですか……一目見ただけで分かるくらいガチだから俺も敢えて関わらないようにしましたけど。

 

 

ーーー数十分後・観覧席ーーー

 

 

八幡「この席に誘おうか迷ったんだが、誘ったら誘ったで俺の居場所が無くなりそうなんだよなぁ……あの人達、既にファンの間ではカレンガチ勢として有名らしいし。」

 

 

しかもお父さんの持ってるカメラ、あの家族と同じくらいの存在感があるんだよな。俗に言うバズーカ・レンズってヤツだな。写真撮る時、絶対1,000枚以上撮ってるよな。そこから家族で厳選して最高の1枚的なのを選んでアルバムに挟むとかしてそう……新聞の記事とか裁断して。

 

 

八幡「けど、もしカレンがGⅠ獲ったらどんな反応するんだ?もしかしたら泣くかもしれないな。」

 

 

実況『札幌11R、本日のメインレースのお時間となりました。サマースプリントシリーズ第5弾、GⅢキーンランドCの発走です。』

 

 

……考え事はこのくらいにして、俺も観戦に集中するか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「っというわけで、カレンのGⅢキーンランドC優勝を祝して、乾杯~。」

 

カレン「かんぱ~いっ♪お兄ちゃんもっと喜ぼうよ~。」

 

八幡「何言ってる、まだ最大目標のGⅠも勝ってないのに本気で喜ぶなんて出来ねぇよ。それに去年はGⅡ勝ってんだから。」

 

カレン「でも函館の時と一緒でシニアクラスの人達と走って優勝したんだから、少しくらいはしゃいでもいいでしょ?」

 

八幡「まぁ、そこは否定しない。」

 

 

結果はもう言うまでも無いが、カレンが勝利を飾った。これでGⅢ3連勝だ。展開としては、逃げを打ったウマ娘の後ろにマークして、そのまま直線では一気に溜めていた脚で後ろを引き離していた。これでカレンがシニアクラス相手でも引けを取らないってのは紛れも無い事実となっただろう。次の大舞台が少し楽しみになったな。

 

 

カレン「それでお兄ちゃん、すぐに帰るの?」

 

八幡「3日後に帰る、本番まで1ヶ月くらいしか無いからな。」

 

カレン「……いよいよ、なんだね。」

 

八幡「あぁ、お前が1番に輝ける舞台だ。」

 

 

いつになく真剣な表情だ……会見でも次はGⅠってハッキリ言ったからな、カレン自身もこれまで以上の舞台だってのは理解しているだろう。これまでのレースとは注目度がまるで違うしな。

 

 

八幡「本番に向けてやる事は多い、この1ヶ月は追い込むと同時に自分の隙を無くす期間と思ってやっていくぞ。」

 

カレン「うんっ!」

 

 

 

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