八幡side
小町の同級生の一件が解決した事で、俺は彼をカレンの居る教室まで案内した。人目のつかない所までカレンを連れてきたところで彼はカレンに対しても謝罪をした。カレンにも不審者の事は伝えていたからこの事には驚いていた様子だったが、それでもすぐに許してくれた。その後は彼の事をカレンに任せ、俺は普通に校内を見て回る事にした。
八幡「少し一息だな……」
この校内をグルッと回るだけでもかなりの体力を必要とする。コース場を除いたとしてもこの学園の広さは異常だしな、この学園を1日で案内しようなんて考えない方がいい。駿川さんだって何日かに分けてるしな。もしくは校内専用の車を購入するのも1つの選択肢だよな。ゴルフカー的なアレ。
八幡「けど、トレセン学園のトレーナーは全然そういう移動とかも苦じゃないんだよなぁ……俺ももう慣れたし。」
ルドルフ「何の事だい?」
八幡「……急に現れるのやめてくれない?怖いんだけど。」
ルドルフ「それは済まなかったね、だが君が珍しくこんな所で寛いでいるのを目にしたから話しかけようと思っただけさ。」
八幡「そうかよ……あぁそれと、例の不審者の事だが、さっき解決した。」
ルドルフ「何?詳しく聞かせてほしい。」
俺はさっきの出来事をルドルフに説明した。するとルドルフも拍子抜けしたかのような感じだった。
ルドルフ「まさかの自首とはね……しかし、大事にならなくて良かった。少なくとも彼にも善良な心があったという事だろう。」
八幡「だな、まぁとりあえずはそういう事だ。」
ルドルフ「承知した、エアグルーヴとブライアンにも伝えておくよ。」
八幡「あぁ、頼む。」
ルドルフ「………」
八幡「………」
ルドルフ「………」
八幡「……行かないのか?」
ルドルフ「こうしてゆっくりするのも悪くないと思ってね、相席させてもらっているよ。」
八幡「この場所に席なんてどこにも無いが、まぁ好きにしろ。」
ルドルフ「あぁ、そうさせてもらう。それにしても、もう11月だというのに心地良い風だ。」
八幡「今日は比較的暖かいらしいからな、それでだろ。」
こういう時は昼寝に限る。外で昼寝なんてした事無いから知らんけど。しかし本格的に眠くなってきたな。
ルドルフ「珍しいじゃないか、君がそんなに眠そうな顔をするなんて。」
八幡「こうも何もする事が無いと眠くもなる。この前はシービーに聖蹄祭の日に散歩に誘われたが、乗らなくて正解だな。こうやって日光浴しながら横になる日も偶には良い。」
ルドルフ「では、私もご相伴に預からせてもらおう。」
そうこうしている内に俺達の会話は無くなって、いつの間にか睡魔の餌食になってそのまま眠ってしまった。
八幡「……んん?んぅ、寝てたか……何時だ?」
???「13時だよっ♪」
八幡「おぉ、サンキ……何してんのシービー?」
シービー「膝枕だよ?」
八幡「いや、そういう事じゃなくて。」
シービー「それにしても八幡も酷いよね。あたしのお誘いは断ったのに、ルドルフとはこうやって仲良くお昼寝するなんてさ。これはもう色々とお話とかする必要があるよね。」
八幡「ねぇだろそんな事する必要なんて。そもそもこうなったのだって偶然だ。」
シービー「でも一緒にお昼寝してるのは事実だよね?」
八幡「………まぁ、事実こうなってるから否定は出来ないけどよ。」
シービー「だから次はあたしが八幡と一緒に寝るからねっ♪」
八幡「うん、その理屈はおかしいから全力でお断りするから。後、静かにしような。能天気で疲れ知らずで自由人な君とは違ってルドルフは生徒会で忙しいから疲れてんの。今は眠らせてやれ。」
シービー「八幡はあたしの事を何だと思ってるのかな?あたしだって1人のウマ娘なんだけど?あたしだって疲れる時はあるんだからね?」
八幡「そうなのか?俺は見た事無いな。いつも隙あらば俺の腕に抱き着いてくるから疲れなんて知らない奴だとばかり思ってたぞ。」
シービー「八幡にはあたしの事をじっくりと教える必要があるみたいだね?」
八幡「いやぁ~もうお腹いっぱいだからやめとく。」
シービー「まぁそれはまた今度でいいや。それよりも、あたしもルドルフが起きるまで此処で八幡と一緒に横になろっと♪」
八幡「俺、お前にルドルフを任せて行こうと思ってたんだけど……」
シービー「ルドルフだけズルいじゃん、八幡と添い寝なんて。あたしだってやった事無いのに。」
八幡「意味が分からん。」
その後は膝枕から腕枕にシフトチェンジしたシービーの相手をしながら横になる事になった。だがコイツの場合、常に話しかけてくるから眠くはならなかった。っていうかルドルフの奴、結構寝てんな。俺達が眠ってから大体1時間は経ってるぞ?しかもこの小煩い奴が居るってのに全く起きる様子も無い……アレか、相当疲れてたとか?カレンと同じで駿大祭と聖蹄祭の2つで色々忙しかったみたいだし。
八幡「この睡眠時間も妥当ってところか。今日くらいはこのままでもいいか。」
シービー「ん?何か言った八幡~?」
八幡「いや、別に何も。」
シービー「そうだ八幡、今腕枕してるじゃん。辛くなったら言ってね?そっちに行くから。」
八幡「こっちに来る意味が分からん。」
シービー「添い寝の意味無いじゃん。」
八幡「だからしなくていいって。」
シービー「ううん、するっ!」
八幡「もう好きにしろ。」