八幡side
パパ「えぇ~それでは僭越ながら私が乾杯の挨拶をさせていただきます。先日のカレンの高松宮記念優勝を祝して、乾杯っ!!」
家族「かんぱあああぁぁぁいっ!!!」
八幡「……乾杯。」
俺は今カレンの実家に来ていて、現在進行形で祝勝会パーティー中だ。この前の高松宮記念の反省会はまだやっていないのだが、それはまた別日に取っておくとして、今は勝った事を素直にお祝いしよう。
パパ「それはそうと娘よ、ちゃんとカレンの可愛い雄姿をカメラに収める事は出来たかい?」
姉「え、まだ見てないの?」
ママ「どうせなら皆が揃った時に見ようってお話になったのよ。だからパパも私もこの日を凄く楽しみにしていたのよ。」
弟「じゃあ家族恒例の写真鑑賞会しようよっ!」
戸塚「そ、そんな事をしてたんだ……」
八幡「ん?戸塚は……あぁ、千葉に1人暮らしだったか。」
戸塚「うん。クラブが所有しているコースの近くに借りてるんだ。そうそう、八幡から教えてもらったトレーニングを早速年明けから試してるんだけど、凄いんだよ!この前クラブ対抗の大会があったんだけど、皆1着か掲示板の中に入れたんだよ!僕の担当している子達は皆3着以内だったんだ!」
八幡「おぉ、それは凄いな。」
戸塚「だから色々なコーチの人達から色々言われちゃったんだ、どんな指導をしているのかって。だから中央トレセン学園のトレーナーに友達に教わったって言ったんだけど……大丈夫かな?」
八幡「そのくらいなら全然大丈夫だぞ、名前を出しているわけじゃないし。けどその後は少し大変かもな、きっと後数週間もすればそのトレーニングに順応するだろうし、そろそろ新しいトレーニングを考えておかないと成長が見込めない。」
戸塚「それで八幡には申しわけ無いんだけど、僕なりに考えたメニューをまた作ってきたんだ。また見てもらえないかな?」
八幡「あぁ、いいぞ。ところで少し聞きたいんだが、戸塚の所属しているクラブのコース場って1周どのくらいの長さなんだ?んで最長の距離ってなんぼだ?」
戸塚「コースは1周850mでクラブの大会の最長距離は1,200mだよ。あっ!さっきの850mはダートコースで芝は1,000mだよ。」
八幡「ん、充分だ。」
俺は戸塚と一緒にクラブの事について話しているのだが、向こうは向こうでカレンの高松宮記念の時の写真で盛り上がっている。まぁ楽しみ方はそれぞれあるから大丈夫だろう……っと思う。
八幡「……うん、良い感じのメニューだな。」
戸塚「本当!?」
八幡「あぁ、内容的に全部の適性に合わせて組んだメニューだろ?全員で1つのメニューをこなすって感じじゃないか?」
戸塚「やっぱり本職は凄いなぁ~……ちょっと見ただけで分かるんだもんね。」
八幡「まぁこれで飯を食ってるしな。まぁでも敢えて言うのであれば、適性に合わせたトレーニングが出来ないって欠点もある。そこを補う事が出来ればもっと良いトレーニングが出来る。戸塚の担当している子達ってのは適性はバラバラなのか?」
戸塚「バラバラなんだけど、曜日によって違うんだよ。例えば木曜日はマイルの子達が多くて、金曜日は長距離の子達が多いんだ。」
八幡「それなら適性特化のメニューにした方が良い。さっきのメニューも悪くはないが、本メニューのいくつかを抜いて適性のメニューを入れてみろ。それだけでも中身がかなり変わる。俺もカレンと他の誰かと併走トレーニングをする時にはそういうメニューを入れてるし。」
戸塚「そっかぁ~……うん、分かったよ!ありがとう八幡!」
八幡「そうだな……困ったらメニューと一緒にLANEくれてもいいぞ?」
戸塚「うん、本当に困った時はそうさせてもらうね。」
向こうの写真鑑賞会が終わったところで、俺達は全員で高松宮記念のレースの鑑賞をしてから解散した。
カレン「はぁ~楽しかったっ♪」
八幡「何よりだ。分かってるとは思うが、今日の祝勝会はウマスタに投稿しても構わないが、画像は載せるなよ?」
カレン「うん。でもね、時々コメントが来るんだよね。『画像付きの投稿は止めてしまったんですか?』って。カレンも説明はしてるんだ、被災地の人達の事もあるからカレンだけこんな投稿したらダメだって。」
八幡「まぁ、世間的に落ち着くまでは画像付きは我慢だな。この前みたいにレースで勝った時の画像は大丈夫だが、それ以外についてはまだ注意が必要だな。」
カレン「うん、カレンも早くこの前みたいに投稿したいなぁ……」
今の東北が大変な時にこういう個人だけが明るい投稿をするというのは流石に叩かれそうだからSNSでも注意が必要だ、SNSに疎い俺でも分かる。
八幡「……カレン。」
カレン「?なぁに?」
八幡「次のレースはセントウルSにする。」
カレン「セントウルS……え、じゃあ春はもうレースに出ないって事?」
八幡「あぁ。それで6月まではトレーニングを休みにする。自主トレーニングをしてくれ。」
カレン「2ヵ月も?そんなに長く間隔を空けて大丈夫?」
八幡「これまであまり長期の休みを取ってなかったからな、ちょうどいい休みに入ったと思う事にしよう。」