比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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拭いきれない不安

 

 

エアグルーヴside

 

 

宝塚記念から数日、今は7月に入る直前となっている。上半期は3戦したが、納得の行くレースが出来たのは初戦の京都記念のみだった。秋に向けて夏は合宿に精を入れるつもりだが、私は8月の後半に行われる札幌記念に出走予定だ。トレーナーが言うには短い直線でも力を出せるようにしておく必要があるとの事だ。幸い、一昨年に同じ距離を走っている。経験ならばある。

 

 

エアグルーヴ「……会長、今回の夏合宿の参加者をまとめた名簿を作成しました。」

 

ルドルフ「ありがとう………やはり今年も多いな。ふふふっ、大盛況だ。」

 

エアグルーヴ「特に新入生やクラシック戦線で活躍している生徒が中心ですね。」

 

ルドルフ「そのようだ。この勢いには我々も負けてはいられないな。新たな風に追い越されないようにしなければなるまい。」

 

エアグルーヴ「はい、会長。」

 

 

そうだ……去年の天皇賞・秋ではバブルガムフェローがシニアクラスのウマ娘達を打ち破って最強の座に着いたのだ。私も負けてはおられん、この夏は気を引き締めていかねばな。

 

 

ルドルフ「ところで、八幡君は空いているのかな?」

 

エアグルーヴ「……それはどういう?」

 

ルドルフ「何、私も彼のトレーニングにあやかりたいと思ってね。去年の3月にやった3日間のトレーニングは今でも忘れられない、とても充実したトレーニングだった。もしそれが夏合宿でも可能ならばと思っているところだ。」

 

エアグルーヴ「お言葉ですが会長、奴……いえ、彼は私のトレーナーです。決めるのはトレーナー次第ですが、担当外のトレーナーのトレーニングに参加するというのはどうなのでしょう?」

 

ルドルフ「それを言うのであれば、シービーはどう説明するんだい?最近では色々なウマ娘がトレーニングに参加しているようだが?」

 

エアグルーヴ「そ、それは………」

 

ルドルフ「確かに八幡君のしている事は立派な事だ。気宇広大、素晴らしき事だ。しかし他のトレーナーがこれを良しと思う方が少ない筈だ。シービーのような生徒が居れば、こういう事が益々増えてくる。」

 

エアグルーヴ「………」

 

ルドルフ「夏合宿では今のと同じ現象が起きない、と君は断言出来るかい?」

 

エアグルーヴ「……いえ。」

 

ルドルフ「そうだろう?八幡君がどういう意図であの行動を取っているのかは分からないが、今の彼は批判を受けやすい立場に居る事は確かだ。」

 

 

………確かに、今も他のトレーナーから私のトレーナーに対して否定的な意見を述べている者は少なくない。トレーナーならば黙らせる事も可能だろうがああいう性格だ、自分を害する者にしか相手はしないだろう。

 

 

ルドルフ「……済まない、君にこんな事を言っても仕方のない事だな。忘れてくれ。」

 

エアグルーヴ「いえ………」

 

ルドルフ「八幡君にも相談せねばなるまいな。幾らトレーナーとはいえ、未担当のウマ娘に対する過度なトレーニングは控えるべきだと。しかし彼なら『担当が決まってないウマ娘達へのメニューを作らされてるから今更だろ。』とな。想像出来てしまうよ。」

 

エアグルーヴ「……私から言いましょうか?」

 

ルドルフ「いや、言っても無駄だろう。それに学園側が何も言わずに黙認しているという事は、何かしらの考えがあるのだろう。我々が動くべきではないよ。」

 

エアグルーヴ「分かりました。」

 

ルドルフ「それに、八幡君には聞きたい事もある事だしね。」ボソッ

 

エアグルーヴ「?会長、何か?」

 

ルドルフ「いや、何でもない。さて、残っている業務も片付けるとしよう。」

 

 

ーーー数時間後ーーー

 

 

エアグルーヴ「ふぅ……漸く終わりだな。上半期が終わったせいか、業務が押し寄せてくるのは仕方ないが、6月と12月の業務の多さは尋常ではないな。」

 

 

幸い今日はトレーニングは休みだ。流石に今日は自主練は控える事にしよう。私も支度をして寮にかえーー

 

 

八幡『んで、話ってのは?』

 

 

……トレーナー?どうして生徒会室に?

 

 

ルドルフ『うむ、最近の君のトレーニングについてだよ。未担当のウマ娘も交えてのトレーニングはどういう事かと思ってね。』

 

八幡『今更それを気にするのか?』

 

ルドルフ『君自身気付いているとは思うが、他のトレーナーの事は既に分かっているのだろう?』

 

八幡『まぁな。でも何も言ってこない辺り、論破されんのが嫌なんだろう。お前も俺がやっている事が気に入らないか?』

 

ルドルフ『いや、そんな事はない。寧ろ担当の居ない生徒に対して充分過ぎるくらいの事をしてもらっていると思っているよ。何もしていない私が君に向かって文句を言うのはお門違いだよ。』

 

 

どうやら私と会長が数時間前に話してたトレーナーの事に関してのようだな。

 

 

八幡『ていうか話ってこれだけなのか?』

 

ルドルフ『いや、ここからが本題と言ってもいい。君とエアグルーヴの事についてだ。』

 

八幡『……ほう?』

 

エアグルーヴ「っ!」

 

 

わ、私とトレーナーの?

 

 

ルドルフ『君の2人目の担当であるフジキセキから色々と相談を受けていてね、それを聞いた上で話をしたいと思っているのだが、いいかな?』

 

八幡『フジが俺に打ち明けていないって事はエアグルーヴも知らないって事だろうしな。分かった、話を聞かせてくれ。』

 

 

 




お、おっとぉ?何だかまたまた変な雰囲気に……
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